「どいつもこいつも面構えが最高」十一人の賊軍 パンダさんの映画レビュー(感想・評価)
どいつもこいつも面構えが最高
年間ベスト5に軽く入る面白さ!
存分に楽しめました。
砦を守る数日間を1日ずつ描くので、昼の合戦シーンと夜の静かなシーンが交互に現れます。冗長と感じた人もいるかもしれませんが、私は戦場のリアルさを感じました。また、黒澤明「七人の侍」へのオマージュでもあります。
本作も白石和彌監督らしく、常に誰かが叫んでいる。全ての役者さんが全身全霊、生き生きと演じていて魅力的でした。
これまで地味な役ばかり演じてきた仲野太賀は実直な剣士をめちゃくちゃ格好良く演じ、一方、カリスマ役が多かった山田孝之は下っ端の人足風情を全力で見せる。野村周平、尾上右近は流石の存在感。ナダルも良かった。誰もが流暢に口上を唄いあげ、各地の方言が温もりをもたらす。そんな役者陣を観られただけでも劇場で見てよかったと思いました。
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グレシャムの法則さんのコメント
2024年11月5日
コメントありがとうございます。
家老が優れた為政者であることは、城下のおばあちゃんからの声掛けでかろうじて示されてましたが、仲野太賀さんの大立ち回りと悲劇性を際立たせるために、無闇に下級武士たちを殺させたり、『レイダース』の時のインディみたいなピストルでパン!はいささかやり過ぎだと思いました。というか監督の考えることの優先順位については、そういうことなのですね、と妙に納得できたのも確かです。