「話的には、それぞれの立場があって何とか最善を尽くそうとそれぞれが動...」十一人の賊軍 windploofさんの映画レビュー(感想・評価)
話的には、それぞれの立場があって何とか最善を尽くそうとそれぞれが動...
話的には、それぞれの立場があって何とか最善を尽くそうとそれぞれが動くが…という感じですね。
一応主人公たちから見たら悪役になる阿部サダヲも、立場が作った相対的な悪役というポジションなので、作品通して絶対的な悪というのは出てこない作りになっています。
(とはいえ、通して幸せになる役は誰もいないので、ああ白石監督だなぁという感じです 笑)
前作の碁盤切りは登場人物が侍然としたハード時代劇の印象でしたが、今作は同監督の孤狼の血のテイストにシフトした感じを受けました。
主演は山田孝之と仲野太賀ということですが、山田孝之が座長にしてはちょっと出番少ないかなぁ。
仲野太賀はラストの大立ち回りがまさに圧巻で、個人的にはここ数年の殺陣で一番すごかったです。
他のキャストは、ちょっとキャラが立っていないというか、掘り下げが足りなくてだいぶあっさりした印象です。
主演の2人ですら書ききれてない感があったので、尺が全然足りないんでしょう。
思い切って罪人を4~5人ぐらいまで減らしてもよかったんじゃないかな
あと、意図した絵作りなのかはよくわかりませんが、序盤とにかく暗くて誰が何してるのかよくわからないシーンがいくつかありました。
夜の場面が多かったのと、照明が貧弱という時代背景もあると思うんですが、もう少し誰が何してるかがわかる程度には明るくしてほしかった…
それとこれは余談ですが、北野武監督の「首」と違って、本作はコメディパートがほぼないので、端役で出てきたお笑い芸人さんがちょっと浮いてました。
芸人で役者もされている方はたくさんいらっしゃるし、本作でも千原せいじは違和感なく見られましたが、ナダルはとゆりやんは正直いらなかったかな。
この二人は本人が強すぎて、役を演じるのはあまり向いてない気がする。