ホウセンカのレビュー・感想・評価
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優しさは、弱さじゃない。秘めた熱い想いは、きっと貴方に届く🙏
壊れることが怖くて、人はときどき優しさを隠す。
でもこの映画は、その“壊れやすさ”の中にこそ本当の美しさがあると静かに教えてくれる。
触れたら弾けるホウセンカのように、登場人物たちは皆、それぞれの痛みを抱えながらも、
誰かを想い、誰かを守ろうとする。
派手な展開はない。
けれど、光の揺れや沈黙の時間、
ひとつの仕草にこめられた祈りのようなものが、心の奥にゆっくりと染みてくる。
「人は散りながら、誰かを照らしている。」
観終わったあと、静かな余韻とともにそう気づかせてくれる作品。涙ではなく静かな息がこぼれた。
エンドロールの優しいアレンジ版「スタンド・バイ・ミー」が、心に染みる。一瞬で弾けて輝くものの象徴と思われる「花火とホウセンカ」が美しくも儚い人生を描く。
人生の大逆転‼️
勝つも負けるも、貴方次第😎
生きることも、咲くことも、
ただ一瞬の奇跡なんだと思う。
🕯️ 優しさは、弱さじゃない。
散っても咲ける。それが人間の、いちばん美しいところ🤫
しがないヤクザの走馬灯
なるほど、わからん
結局のところ、目的はなんだったんだろ。
愛の証?お金なのか?
わかったような、わからんような。
男の美学を作品にしたような。
伏線も回収して、まとまってはいるとおもうが
阿久津の漢気と繊細さにキュンです
ホウセンカの花言葉
あまり興味のないジャンルだったけど、評判がよさそうなので観ることにした。
とても良くて、観て良かった。
内容は昭和世代に受けそう。不器用に生きてきた男が主人公の任侠もの。昔はこういう男が主人公の映画がたくさんあったなー。鉄道員(ぽっぽや)とか。
たくさん伏線がはってあって、だんだん回収されていく展開や、「種明かし」をちゃんとクライマックスにもっていく物語の構成が見事だと思った。
主人公が獄中からの手紙を出すとき、検閲で黒く塗られる個所がなぜ正確に分かったのか、だけちょっとひっかかった。
なぜ「ホウセンカ」なのか気になったので、花言葉を調べてみた。ホウセンカは熟した実に触れると種がはじけとぶことから、「私に触れないで」「短気」という意味をもつそうだ。また、この植物の特性をポジティブにとらえた花言葉として、「心を開く」という意味もあるという。
主人公がはじめてホウセンカを見つけたとき、実に触れようとしたとき、那奈が「触れないで。自然にまかせたほうがいい」といったのは、触ると種がはじけとんでしまうからだ、ということに気づいた。
最後のクライマックスで主人公がホウセンカに触れ、花火の映像と共に種がはじけとんだのは、この映画のテーマが凝縮されていて良いシーンだったと思う。
「触れない」ことにも愛があり、「触れる」ことにも愛があった。
期待度○鑑賞後の満足度◎ 今まで何回も映画やTVでお目に掛かったような凡庸なシチュエーションの話を、話す花(駄洒落ではありません)と凝った構成で一種のファンタジーに昇華させた愛の賛歌。
①バブル期真盛りの時代背景に一気に親近感が湧いた。
ただ、口下手ながら信義には厚いヤクザがキャバクラかキャバレーで知り合った他人の子を孕んでいる女を好きなって一緒に住むとか、女を愛しながら無器用にしか接することが出来ない男とか、バブル期に台頭したインテリヤクザとそうでないヤクザとの確執とか、、よくある話にどうして評価ぎ高いのだろうというのが冒頭の感想。
まあ、女と子供の為に何か犯罪を起こして刑務所にいるのだろうというところまで想像できる。
しかし、この凡庸で予定調和で話に違和感を持ち込むのが話す「ホウセンカ」。
そして、そこから、話す「ホウセンカ」と主人公との会話を通して、巧みな構成のドラマが始まり俄然のめり込ませる。
②淡々としてじんわりさせる映画かな、という予想を裏切って見事な伏線回収のある凝った構成が面白い映画ながら、最後の“一行“で、一生の大半を愛する者達の為に捧げた一人の男、自分の一世一代の仕掛けが成功するして愛する者達が幸せになることを最後まで信じぬいた男の、細やかながら決して「ろくでもない」人生ではなかったことに何とも言えない余韻が残る。
”
うまくできた脚本
無期懲役で収監されている阿久津に、枕もとで咲いているホウセンカが話しかけてくる。ホウセンカに昔のことを語りながら、阿久津の家族、阿久津の人生をたどる流れ。
阿久津の不器用で言葉足らずな感じが昭和の男って印象で、あぁこのタイプの男ねとちょっとゲンナリしてしまう。もどかしいったらありゃしない。たしかに、那奈の連れ子は自分の実の父親ではない。でも、父親だろ!と思ってしまう。あの態度はないよな(今の感覚で観るなら)。
家族の幸せよりもヤクザの内部抗争と金儲けに明け暮れるのも時代とマッチしていないなと感じる。阿久津の言う大逆転が本当にそれでいいのか!?とも。でも彼の考える大逆転が何なのかが徐々に判明していく流れは嫌いじゃない。那奈が手紙を読んだのがなぜこの時期だったのかという理由も一応は辻褄があっている。
泣けるとまではいかないが、うまく練り上げられている脚本だと思う。ホウセンカの意識の共有とか、設定がうまいし、伏線もキレイに回収された。アニメならではの話に見えるが、実写にしても面白そうだ。韓国映画がいい感じでリメイクしないかな。
そばにいて
主人公:阿久津は独房で人生の最期を迎えようとしていた。そこへ枕元の一輪のホウセンカが彼に語りかける。阿久津はこれまでの人生を回顧し、ホウセンカへここへ来るまでの経緯をポツリポツリと語り始める。
本作を鑑賞したきっかけは、オッドタクシーの作画の担当者が製作に協力していることを知ったためである。それ以外の情報はなしで観ることにした。結果的に本作の完成度は非常に高く、単一アニメ映画として素晴らしいものであった。
まず、ストーリーの引き込む力がすごい。無期懲役となった主人公が事件を起こすまでの経緯を淡々と語る。結果は最悪となってしまったが、そこに至るまでの内容に矛盾するような点はないし、主人公の判断を疑うような点もない。そこに置かれた状況で最善の手を打ってきた。だから観客は、最後まで主人公へ感情移入し、気持ちを切らさずに観ることができる。
本作は、細部への気配りも感じられた。まずは、ホウセンカというタイトルだが、この花の花言葉を知っている人なら鑑賞する前からある程度内容が分かるようになっている。そして、作中で何度か登場するスタンドバイミーという曲もまさに本作の内容をそのまま表現しているようなものとなっている。小さな部分では、オセロの盤面や実際の法律の引用など、専門的な知識が必要な部分にも血が通っていることが感じられる。これらは、主人公が最後まで最善を尽くし続けたことへの感動に繋がる。
最近公開されるアニメ映画のほとんどはシリーズものである。その中で本作はそれらの対抗馬となっている。本作は、ひたすらにストーリーを精巧に作ることに注力している。ストーリーに関係のない萌えキャラや有名声優により観客数を増やそうとするアニメ映画製作者とでは志の高さが天と地の差である。
こういったアニメ映画を観ることができて嬉しい。しかし、上映開始後、約1週間時点で鑑賞したが、1日1回の上映で、地元の館内には観客は5名程度しかいなかった。本作のような実直に物語を製作する正しい努力をした人が評価される世界であってほしい。
予想以上に暗くてビターな物語。
「火の鳥」ならぬ「火の植物」
多くの人に見てほしいが、40歳代後半以降向けかも
派手さはないですがストーリー運びが良く、多くの人に見てほしい良い作品と思います。とはいえ、40歳代後半以降の世代でないと、好みに合わないかもしれません。
(阿久津や那奈の若い時代の描写を、懐かしいと思えるくらいの世代であれば問題ないかと思います。)
伏線については、もう少し改良の余地があったように思います。普段ミステリー系の映画や小説に触れない私でも、これが後でたねあかし用に使われるものだろうと気づけるくらいには、いかにもな感じで登場したように思いました。
隠し場所も、作中にせっかく出てきてもいる神社で良かったような気もします。作中のところだと、30年もの長期間、第三者に見つからずに無事に残っているのは難しい気がします。
予想以上に落ち着いたアニメ
これは幻か現実か
しっかりとした内容の良い映画。
かなり昭和的世界観何だけど、時代設定が昭和だからそれで良いのか。
人と人の距離感に関する作品。
狂言回しのホウセンカが、かなり作品に入りやすくしている。
ただ、内容はかなりご都合主義というか、キャラクターが作品の方向の為にだけ生きている感じ。
ラストも金を見つけて終わり…それで良いの?と思ってしまう。
まぁ、それも、主人公が死ぬ前に見た幻と思えばそれで良いのか。
また、実写で観たいな、とも思った。
あるヤクザ者の不器用で純朴な想い
丁寧で緻密な創りが秀逸
「オッドタクシー」の木下麦監督と此元和津也先生がタッグを組み、“一発逆転”をテーマに描いた哀愁漂う極道物語でした。物語はバブル経済に沸く1980年代後半と現代とを行き来しながら進みます。兄貴分・堤(安元洋貴)の罪を被り、30年以上も服役を続ける阿久津実(戸塚純貴〈過去〉/小林薫〈現在〉)の人生が静かに、しかし確かな熱をもって描かれていました。
バブル期、阿久津は飲み屋のホステス・永田那奈(満島ひかり〈過去〉/宮崎美子〈現在〉)と、その連れ子・健介(花江夏樹〈現在〉)と同居していました。“一発逆転”を狙って不動産取引に手を出し、成功を収める阿久津。しかし、健介が心臓病であることが分かり、移植手術に莫大な資金が必要となったことから運命が狂い始めます。跡目争いの渦中、堤と共に組内のライバル・若松(斉藤壮馬)を殺害し、3億円を強奪。無事に健介の移植手術は成功したものの、阿久津は強盗殺人の罪で有罪判決を受けます。
以降、面会に訪れるのは堤だけ。那奈に手紙を送っても返事はない。やがて、強奪した3億円のうち、移植手術に使った2億円などを除く7千万円余りが行方不明で、阿久津がその在り処を知っているらしいと分かる。その金を狙う堤。阿久津はどうやって那奈に金の場所を伝えたのか?極道物にしては静的な展開ながら、金の行方をめぐるミステリーとしても見応えある構成でした。
そして最大の見どころが、題名にもなっている“ホウセンカ”。阿久津と那奈が暮らしていたアパートの庭に咲くその花は「喋る花」であり、生まれたばかりの赤ん坊や死を目前にした人間にだけ声が聞こえるという設定でした。このホウセンカ(ピエール瀧)が狂言回しのように登場人物たちを論評し、彼らの心情を代弁するさまは、人間の愚かさとか愛おしさを同時に照らし出しています。那奈が獄中の阿久津にホウセンカを送ったことで、“檻の中のピエールさん”という皮肉めいた状況にもなって、思わずニヤリとさせられました。
さらに本作は、オセロ、花火、方眼紙、地図、空き地など、一つひとつの小道具に確かな意味を持たせており、その構成の緻密さにも唸らされました。そして先輩・堤と後輩・若松の関係など、組内の人間模様や、大卒ヤクザという存在など、極道物らしく組内の細部の描写も地味ながらも実に丁寧。派手さはないものの、人物たちの感情がじわりと滲む演出が、文学的な深みを生み出していました。
残念ながら絵柄が好みではなかったのですが、それを差し引いても本年トップクラスのアニメだったのではと感じました。
そんな訳で、本作の評価は★4.6とします。
しみじみ、のち、鳥肌。
わあ、なーんかいい話
ありがちだけど癒されるし
登場人物は全員自然体だし
アニキもヤクザなのにいいひとだし
いい気分
なーんてしみじみしていると
最後の10分間(?)
見事に足元をすくわれて、鳥肌。
伏線と気づきもしなかった点と点が、凄まじいスピードで収斂。
あっぱれ!!まさに、「大逆転」!!
エンドロール。
おお
あれは小林薫だったのか!え?もうひとり???
あっ、満島ひかり!宮崎美子!
やっぱりあの声はピエール瀧!
ん?
ノベライズ?
小説が原作、と思ってたら、逆?
鑑賞後、興奮覚めやらず、いつもの友人に速攻でおすすめのLINE。
なにしろ、なーんにも考えずに身を委ねることができて、気分良く涙活、「大逆転」でカタルシス。こんな映画、めったにない。仕事に介護に家事、フル稼働の毎日の、つかの間の自分時間に是非、と。
「日本のアニメは世界に誇れる文化」だと、耳にタコができるくらい聞いてきたが、正直、コスプレとかファンタジーとかジブリのイメージしか持っていなかった。こんなのがあるなんて。「日本のアニメ」、すごいことになってたんですね。
全107件中、1~20件目を表示















