ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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才能と努力、100メートルに挑む青春アニメーション
陸上競技の世界で「100メートル走」という10秒のドラマに魅入られた者たちを描いたスポーツ漫画「ひゃくえむ。」のアニメーション映画化。
主人公は小宮かと思いきや、子どもの頃から全国一位の負け知らずだった天才トガシの物語。
足の速さに恵まれたトガシは、自分の最も得意とする100m走を自己承認の道具として考えていたが、そんな彼の価値観を覆す小宮に出会う。
現実逃避のためにだけ走っていた小宮も、トガシによって価値観を書き換えていく。
舞台は小学校から、高校、そして企業の陸上部員としての競技へ……。
走ることもモチベーションなんて、人それぞれ。
登場人物たちの小難しいセリフの意味は置いておいて。
比較の絶望、今後への不安、勝利の高揚、敗北の恐怖、そしてガチ勝負の興奮。
トガシ小宮だけでなく、短距離走に賭ける選手たちの心模様が描かれていた。
「諦めの悪い男」が最後に手にしたものとは…+原作との比較
「原作未読」勢です。
魚豊先生作品は「チ。〜地球の運動について〜」のみ漫画版読破しました。
(チ。のアニメ版は未視聴です)
いや〜面白かったです!
トガシという才ある人間が挫折と逃避を繰り返しながらその度に「走る事に魅入られた自分」を見つめ直し再起するという、
波乱に満ちた…でも誰もが彼の人生の一端は経験するであろう「敗北」の味をロトスコープ技法による映像でシビアに、リアルに、色濃く見せてくれます。
また、
「栄光を知りながらも何度も打ちのめされてきたトガシ」
と、
「トガシに見出され、財津という天才に答えを提示されたが故に走る事に取り憑かれてしまった小宮」
の対比や彼らが辿り着いた先の景色を見た時の表情、
脇を固める仁神、財津、海棠といった才人達が最終的に見出す「走る事の意味」や彼らが持つ「走りに対する哲学」も個性的で非常に胸を打たれるもの、「なるほど!そういう考え方もあるのね!」と膝を打つものと様々でした。
エンドロールで流れるOfficial髭男dismの「らしさ」もトガシ自身、あるいはトガシと小宮の対比というダブルミーニングにも取れる上手い塩梅の歌詞で目頭が熱くなる曲でした。
強いて言えば気になったのは染谷将太さんの演技でしょうか。
「走りに取り憑かれていくうちに段々と光を失っていく」という非常に難しいキャラではあるのですが、
彼が「語る場面」だと滑舌が気になりました。
染谷将太さんの実写映画での演技はわりとイロモノであっても「リアルなカジュアル感」が魅力だと思ってるので、
「ボソボソと喋る寡黙なキャラ」とは食い合わせは悪かったかもしれません。
ただ、所々で光る演技もあったので某恐竜映画の主演みたいな絶望的な棒読みとは無縁でした。
あとは原作読んだ人からすると「端折られてる名シーンも多い」と聞きます。
100分に収めるために仕方なかったのは分かるんですが、
欲を言えば「あのキャラとかこのキャラの活躍もっと見たかったかも」と私も思います。
総じてゴア表現や変な癖もない(強いて言えば小学生編以外はほぼロトスコープ技法ってとこかな?)作品なので、
予習も要らずにオススメできる一作でした。
2025年9月20日追記:
映画鑑賞後、原作漫画(新装版)を読んできました。
確かに結構端折られてるのですが、中盤に主人公2人が直面するとある「理不尽」な展開をオミットした事で、
走る動機が「走りに魅入られたから」一本に集約されて、
「2人が違う切り口から走る事にのめり込んでいってしまう」って物語の核に大きくフォーカスを当てて「尖鋭化」してると思いました。
なので「真剣(ガチ)って言葉前半に仕込んでほしかったなぁ」とか、
「仁神の葛藤と活躍がもう少し見たかったなぁ」
とか細かい事は言えますが、
100分に収める為にかなり良いアプローチだったんじゃないかと思います。
心情描写とかも先鋭化した事で演技とアニメーション演出で省略しやすくなったしそこも成功してると感じます。
(漫画ならギリ許せるモノローグの長さはアニメだと冗長に感じたでしょうし)
めっちゃ良かった。。
ルックバックの対になる傑作 喜怒哀楽を10秒に生きる
極上の2時間を味わえ
100メートル走のたった10秒に人生を賭けた男たちの物語に胸が熱くなる
試写会にて一足先に鑑賞。「ひゃくえむ。」の面白さは、主人公のトガシと小宮が100メートル走にのめり込んでいく人生のすべてを描いている点です。彼らが成長し、悩み葛藤を抱え、それでも走り続ける姿に胸を打たれます。
最初はただ走ることが好きで走っていたはずなのに、いつの間にか1位を取ることが目的になり、自分より速い人が現れ1位が取れなくなったときに、何のために走っているのかわからなくなる。
夢中になっていたことの目的を見失う経験は多くの人にあるはずです。あの喪失感に深く共感できました。
原作を読んでいない状態で鑑賞しましたが、登場人物全員に個性があって、それぞれのキャラクターが魅力的だったので引き込まれました。
鬼滅超えの迫力と面白さ
100mにかける情熱!速い!そして、深い!
「大抵のことは100mを誰よりも早く走れば解決する」
▼感想
アスミック・エースの招待により試写会に参加しました!
ありがとうございました!
「チ。」でお馴染みの魚豊の漫画を映画化。自分は漫画「チ。」が大好きで、同じ作者繋がりで「ひゃくえむ。」も読んでいたから映画化が気になっていた作品!
トガシと小宮を始めとした様々な選手が登場するが、全員が自分なりの哲学を持って走っているのが面白い!こういうところはやっぱり「チ。」の作者だなと思った!そんな選手たちがお互いに刺激し、変化していくのはこの作品の見所の一つ。登場人物のセリフも深く、特に海堂のセリフは深すぎて一度でかみ砕けなかったからもう一度聞きたい!
この作品の最大の見所はやはり100m走のシーン!100m走のシーンは作中に何本もあるけど、シーンごとにアングルや演出が違っていて毎回見入った。映像だけでなく、音にもこだわりを感じて地面を蹴る音がさらに臨場感を上げた。BGMもノリの良い曲で盛り上げたり、無音になって没入感に包まれたり...100m走のシーンはまさに極上の10秒間だった!
主題歌のOfficial髭男dismの曲「らしさ」もこの作品にすごく合っていて、全力で走り切った後のように気持ちよく余韻に浸れた。トガシ達選手が100mにかける情熱、恐怖、現実、狂気...是非映画館で!
▼お気に入りのシーン
高校の陸上大会で雨の中走るシーン!
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