ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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原作読む前に映画見てください
pvで見た通りアニメーションの個性はとても好きです。松坂桃李のトガシくんの演技も本業声優か疑うくらい上手かった。
でも原作の大事な部分を所々端折っていたのはかなり残念…やっぱりチ。もそうですが魚豊作品の良いところは哲学的なセリフ回しだと思っているので、小学生編がかなりカット入っていたように見えたのは残念でした。
尺の問題もあるでしょうし2人の高校生編でのエピソードが短縮されていたり人物ドラマが端折られていたのはまだ理解できます。ですがせめて小学生の頃のエピソード、特に小宮くんが仁神選手に質問するシーンやその後仁神選手にボロクソ言われる辺りを端折ってしまったのは勿体ない…🥲あれから大きくなって仁神と小宮が並んで走るシーンの重みが全然変わってしまう……YouTubeのボイスドラマから興味を持って単行本買った身としては辛い。あと走っている時の心理描写全カットもないよー
映像の間も悪くないのですが、そういう大事な所をカットしてしまったのは個人的に残念。原作見てない人なら十分楽しめるんじゃないでしょうか。
もはや『哲学に触れる』という新しい体験かも知れない
こちらにレビューを書いておられる方の中にも、少なからずいらっしゃるだろうと思いますが、私も『チ。』に感銘を受けた1人です。『ひゃくえむ』は原作未読で映画を鑑賞。他の方も書いておられますが、原作未読でも、あるいはだからこそ?十分楽しめました。
魚豊さんの作品の魅力はストーリーの展開やテーマの設定など、色々とあるとは思いますが、なんと言っても随所に散りばめられた哲学的な言葉の数々でしょう。魚豊さんの作品が好きかどうかは、この哲学的な言葉に対して『普通こんな台詞言わんな』と思っても(それは一種のファンタジーだと思う)、それを越えて好きかどうか、それらの言葉に違和感よりも、ハッとさせられたり、じわっと沁みたりする方が強くて、その感覚が好きかどうか、というのが大きい気がします。もちろん、良さはそれだけではなく、それらの言葉が活きてくるだけの物語やキャラクター作りがあってこそとは思います。
個人的にはこれはもう新しいジャンルじゃないかと思うところです。今後、哲学的な台詞を多用する作品を作れば『魚豊的』『魚豊っぽい』なんて言われるのではないでしょうか?ある意味それは魚豊さんの課題になるような気もしますが。私は漫画というものに詳しいわけではないので、詳しい方で、魚豊さんに多大な影響を与えた○○がわかるといった方もあるかも知れませんが、これほどまでに『哲学的な漫画作品』として広く知られた方はないぐらいではないかと思います。
私からすれば、魚豊さん、すごいなぁ。その若さで1つのジャンルを作っちゃうなんて!という感嘆に尽きます。魚豊さんの作品は、普段私たちが心の中にモヤッと持っているかも知れない『哲学』に触れる体験のようなものと思います。そして、『哲学』が心に響く方は結構多いのですね。
ここは、映画のレビューですので、映画はというと、その立ち上げの根幹に魚豊さんの作品への感動が感じられる、その世界観をどう伝えるか、映像化するかということへの情熱を感じる。だから大変キラキラと心に届きました。
原作これから読もうと思います。原作の入口になるという意味でも、よいのではないでしょうか?
映像は雨のレースシーンは圧巻です。
イヤに圧力のあるリアリティ
鬼滅に続き今週もナントカ本作を観覧出来たので、この調子で趣味を復活させたいと思います。そんな訳で鑑賞しましたが、思っていたものと内容が若干異なりました、でもソレは評価には全く影響はなく。
鑑賞していてビジュアルが『ルックバック』的な雰囲気でしたが、当然その感覚はすぐに消えました。その代わりイヤにリアルに動くアニメーションと、その細かい動きは実写のソレをトレースしたもの?と言う疑問につながりました。CGアニメのスラダン的でもないですし、アレはCGではない?まさか手作業なのでしょうか?
表現に関しては特に、ランナーの走る様子が地面に垂直で、こう言っちゃ難ですがスピード感があまり伝わらず。その代わり絵面の勢いと顔芸さながらのキャラ描写、加えてリアルな呼吸や会話劇、現場の雰囲気、カット割りやアングルなどの部分でソレが補われている様な?
これは100m走と言う短距離競技のスピード感よりも、その人間描写というか世界観(場面)をリアルに見せたい意図があったとかでしょうか。ソレであれば、本作はアニメより実写の方が向いていたかも?(どーせ実写作品は殆ど見ないクセにw)と思ったものです。
だからと言って本作が駄目な事はなく、劇場版としての解像度が足りない以外は良く仕上がった作品だと思います。短距離競走競技を実際にやっている人からすれば、なおさら楽しめたのでは?と。
それに実写であの緊迫感・迫力が創り出せたかは疑問ですし。或いはもし普通のアニメキャラを用いたとしても(このビジュアルは原作通りなのでしょうが)、コレ程の圧力のあるリアリティは魅せられなかったかも?知れません。
マイナスポイントは、上記の通り解像度不足、それと各パート(幼少〜中高〜社会人)の掘り下げが、もう一断層深まればと思ったところ、そして競技者本人以外の周辺環境の人物が描かれていない事くらい(学生時分の教師や社会人の場合は監督など)。尺は2時間あってもいい程のボリュームであったかと思います。とは言え★3.5は厳しめの評価ではありますが。
そして苦手な芸能人の中の人も、本作においては然程気になりませんでしたし。総じてまずまずの出来だったという結論です。
求道としての100メートル
100メートルに人生の大部分を費やしているがゆえに、その10秒そこらの時間に自信、迷い、劣等感、依存、逃避、充足、覚悟などのすべてがある人達の話。最後はそのすべてを楽しめ!だったと思う。
見ていて大変そうである反面、そういったことに対して覚悟も情熱も執着もないので羨ましくもあった。
100メートル走の出走シーンは実際その場にいるんじゃないかと思うほど、静かで息を飲むような緊張感があった。
世界観、演出は素晴らしいが、ドラマが無い
ダークヘビースポコン⁈
最後はスカッとしたなぁ
いじめってコンプライアンス的に駄目だったのかな
今年、「チ。地球の運動について」のアニメに心揺さぶられ、魚豊先生の大ファンになり、デビュー作の「ひゃくえむ。」を観に行きました。
原作は公式マガジンチャンネルで3話まで観たところで、アニメ映画化されると聞いたので、ずっと期待して待っていました。
あの原作(途中までだけしか知らないですが)から106分の長さに収めてしまうのはもったいない。
映画で入り込み要素が足りなかったのは、小学六年生時代の描写が薄かったからだと考えられます。小宮君は転校当初から「おばけ」と言われいじめられていた。小宮君にとっての「走る」は気が紛れるから。トガシの「走る」とは違っていたこと。
トガシは小宮君と学校では話をすることはなかった。クラスメイトには内緒で小宮君に走る事を教えていた。この二人は親友?なのか、、、?からこの物語は始まって行く気がするのですが、そこが薄いせいか、大人になってからの出来事が軽く見えてしまいました。
長回しワンカット映像は、作り手さんのこの作品への想いが伝わってきてとても良かったです。
髭男の主題歌「らしさ」、走っている時の風を感じる音楽。最初合わないかと思っていたけど、じわる。ひゃくえむのアニメ映像と合わせたら最高です!
2次元と3次元のいいとこどり
予備知識ないままに見に行って、出来の良さに感服させられた。
100メートル走に挑むトガシも小宮君もそれ以外の人々、勝つためなのか、ガチで走るためなのか、人のためなのか。人はいかに生きるかという深遠なテーマが彼らの姿を通してわかりやすく示される。
アニメによる誇張と実写の写実を組み合わせて結果的に伝えたいものを的確に見せてくれるいいとこ取りで、走りの迫力や心情がうまく描かれる。
「原作を見てない人にはわからない」ような映画は映画として欠陥があると言っているようなものだ。この映画は映画で完結するように作られている。原作とは別の要素も多く盛り込まれているらしいが、もしも原作に忠実であることが最重要だというなら劇場版の必要性が薄れるわけで、映画は映画として初めて見るものを十二分に満足させてくれるこの作品は映画として妥当である。
アニメによくあるキャラ設定ではなく、例えばトガシの走る目的は成長するに連れて様々に振れるが、それが走りをテーマに据えた人間の苦悩や生きがいである点で一貫している。だからこそ出てくる1人1人のキャラが、設定に支えられたアニキャラより遥かに魅力的である。
名作として残る映画だと思った。5にするとこの分野の成長がここまでになりそうなので4.5に抑えておく。
陸上競技大好きだからかなぁ
陸上競技は大好きで今回の世界陸上も一生懸命に見てました。エンドロールで朝原(言わずと知れたレジェンド)や江里口(オリンピックの400リレーでは補欠だったかな)、鵜澤(バリバリの現役)、金丸(400だよね。くねくねのウォーミングアップする選手)の名前を見つけて、この映画に協力したんだなと思うくらいに僕は短距離に興味ある人です。そして原作者の魚豊に関しては「チ。」全巻揃えてるくらいですから、この映画は評判を聞いて楽しみにしてましたが面白く感じなかった。特に富樫が社会人になってからのストーリーに違和感が。興味のあることだと妙にリアリティーを求めてしまうからかなあ。喋りすぎる人間(財津とか海堂とか)には胡散臭さを感じてしまうからかなあ(設定が僕の好きな陸上でなければファンタジーとして全然アリなんですが)。短距離走を題材にした魚豊ワールド全開って感じかな。陸上が好きな人だとこの魚豊ワールドには違和感(あり得ないって)感じるだろうな。特に僕の感じている(勝手に個人的に)陸上短距離走の美しさがこの物語には感じられなかった。
静かに燃える男たちの陸上映画
原作との違いもあったが、10秒間に込めた選手の緊張と爽快感があり、...
100Mに全てを賭けた
何度でもみたい。
原作未読です
原作を知ってる人だと感想が変わるかもしれませんが、あの短い時間に複数のキャラクターの人生が詰め込まれていています
シンプルな100m走るという行為で人生の強弱や思い入れや乗り越え方がわかりやすく詰め込まれていました
何かに懸命に取り組んでる人ほど自分の取り組み方や躓いた時を比べ刺さるかもしれません
特になにもしていない人でも、懸命に取り組むとはどういう事かをいろんなタイプのキャラの目線で見れて、ちょっと自分もなんか頑張ってみようかな?と思えるかもしれません
誰でも経験のある走るというシンプルな行動だからこそわかりやすく、つられてもう一歩ぐっと踏み込んで…!とか見てて力が入るのも躍動感あって楽しかったです
今年15本くらい映画観てますが、堂々3本の指に入る良さでした
天才像について考えさせられる
陸上にはあまり興味がない。世界陸上も結局観ないまま終わっていた。でも、100メートル走だけは観ていて面白いと思う。10秒で決着がつく世界。過酷な練習と鍛錬を積み重ねてきたのに、たった10秒で栄光と挫折が決まるってのはなかなかドラマティックだ。多くの人にとって、「速く走る」ことに対して強い憧れを持っていることもその魅力に影響しているかもしれない。私も足が速いわけではないので、かつて速く走れる友人への憧れを持っていた。
本作は、「速く走る」ことを追求する者たちの物語。100メートルを人よりも速く走るだけの競技が持つ高揚感と虚無感が描かれる。そこには自分よりも速く走ることのできる人間に対する嫉妬や羨望が入り混じる。なかなか濃くて熱い人間ドラマを楽しませてもらった。
天才と秀才の違いは何かと考えてしまう物語でもある。トガシは小中学時代はまぎれもない「天才」。それに比べ、小宮はあきらかに才能がないように見えた。そこがどう変わっていくのかが見もの。やはり「努力しつづけることができる」のも才能だということ。たとえそれが現実逃避だとしても。天才像について考えさせられる物語がまた一つ増えた。
ストーリーだけでなく、映像も結構楽しめた。スタート前の選手の動きは妙にリアルだし(人の動きをトレースして作成した?)、レース中の選手たちの走る姿はアニメ的で迫力があった。あのレース描写は、洗練されているわけではないが、無骨で躍動感があった。アニメってリアルなだけじゃダメなんだよな。アニメの表現の広がりを感じる映画だった。
素晴らしかった
自分が走りを教えた相手に負けるとはあまりにつらい。しかしよくあることだ。
日本のトップランナーを描いており、全員が哲学者のようだ。それぞれ独自の哲学を持っているが果たしてみんながみんなそれほど理知的だろうか。何も考えていない人もいそうなものだ。
そんな彼らが海外勢と対戦してボルトに真横で欽ちゃん走りで負かされたらどんな哲学を述べるのか気になったが、海外勢とは対戦しない。
ベタなセンスで描くと意地悪な人や親切な人が配置されそうなものだが、どっちもいない。主人公のエージェント的な人もちょっと嫌味っぽいところはあるもののリアルな存在感で、常識的だ。
楽しいのは学生時代までであることがなかなか切ない。僕自身も漫画家としてどんどん先細っていて業界に居場所を失いつつあり、非常に身につまされる。
生きるってこういう事だなぁって思った。
・100M走にだけ人生を捧げている人達が大人になって走ることが虚しくなって迷路に迷い込んで苦しむ姿が印象深かった。記録を出すために頑張って生きてきた末が走るだけの繰り返しの日々の虚しさに到達している姿がとてもリアルだった。日本選手権まで至らなくても、比較にならないけど、クリアしたゲームの世界から抜け出せないままただ日々を生きていくような感じなのかなぁと思った。
・現実で頂きに到達した人にしかわからない感覚なのでピンと来ていないけど、何かに向かっている最中の方が生きる意味を感じられたりするよなぁと思った。
・財津などが講演会で語った内容が難しくてよくわからなかった。
・一つだけを追求する人生って言うのは、とても恐ろしいなぁって思った。
・ラストで小学生の時にかけっこした記憶と重ねた演出で泣けた。喜びの種というか根っこはあの頃にしかないのかもしれないなぁと思ったら、自分にとってのそれって何だろうと思った。
人生の岐路に立つ時にまた観たくなりそうな作品
ストーリーの主人公は小学校の頃から走るセンスのあったトガシという青年です。
作中は100メートル走選手として走り続けるトガシの選手人生と、その道筋で関わる仲間の苦悩と自身の苦悩をこれでもかとぶつけられます。
これまでアスリートの「ア」の字もかすってこなった自分としては、アスリートの生きる世界はこんなに過酷なのかとちょっとおののきました。
印象に残ったシーンは、雨の大会のスタートのシーンです。どしゃ降りの雨の中、スタート直前にひとりずつ選手が呼ばれスタート準備をする時の選手の動きに個性がアニメーションから見てとれてまじまじと見てしまいました。
どのキャラクターも十人十色個性的ですが、特に万年二位のカイドウが好きで終盤の展開は特に熱くなりました。
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