ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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現実逃避は現実を見ないと出来ない
今年一、魂を揺さぶられた映画
作中の色んなシーンに自分自身を重ねたり、一つ一つの言葉を染み込ませたり、100mに取り憑かれた男たちの狂気がとても心に刺さった。
特に、カイドウの親睦会での会話での
・現実逃避をするんだ。勝てないというのが現実なら、自分自身をそこから必死で逃避させる。でもそのためにはまず現実をしっかりと見て受け止めなければいけない。現実ごときが自分の意思には追いつけない、と。自分が誰よりも自分を信じてるんだ。負けたことがある人は強い。失敗したことがある人はだから強いんだね。
とか、ちっぽけな細胞の寄せ集めなんて、いくらでもくれてやれ、という財津の言葉。言葉で言うのは簡単だよと思うけど、それくらい恐れがない人ほど強い人はいないのも共感。
とか、テーマであり何回も出ていた何のために走るのか?という問いに対して、自分の好きに立ち返る最後のトガシノシーンがとても印象的。
あらゆるものが濃縮された10秒間に魅せられて、それを味わうためにどこまでも自分と向き合って、信じて、信じて、信じて、、それは人生飽きることないわな。
夢中になれるからやりたくなる、冷静になりながらも誰よりも自分で自分を信じること、そんな当たり前のことが美しくもなくリアルで泥臭く描かれている。
登場人物の表情、口調、レースの空気感、音楽、全て絶妙で見入ってしまった。
魂震えました。
一筋縄ではいかない これぞ青春!これぞ人生‼︎
キャラクターが魅力的
普段あまりアニメーション作品は見ないですが、映画ファンの友人に絶対に見てくれ!!と熱く勧誘されたので見てきました。結果、めっちゃ面白い!!あっさりハマってしまった笑
主人公が関わるライバルや仲間たちがそれぞれ個性的で、初めて見たのになんかもっとその人のことを知りたくなる描き方をされている。別に特殊能力があるとかビジュアルがめちゃくちゃ個性的とかではなく、普通にその辺にいそうな雰囲気の人たちがただとにかく「100mを走る」ということを突き詰めて突き詰めて、まっすぐ向き合っている。シンプルな競技をここまで魅力的に描けるんだなぁ、と引き込まれました。
走る姿のリアリティある描き方や競技中の迫力がある足音など、細部までこだわって作っているのがよくわかって、すごく誠実な作品だなと思った。なんだかいいものを見たなー!!
原作の改変ありだが、、
原作既読。
小学生編で小宮を鼓舞するシーンで小宮をバカにしてヤジってた隣の同級生をぶん殴って叫ぶのが削られてたり、初めて熱くなったガチ勝負でトガシは自分で作り出した小宮くんの亡霊に悩まされるとこや、やはり高校生編でラグビー部とのいざこざ一連がなくなってたのは悲しい。あと小宮くんの高校生編の部活でポツンと孤立してしまうエピソードも。嫌がらせで靴をズタズタにされる→小学生時代のガムテープで直す!とこもカットか…、まぁ言い出したらキリがないんですが、それらの不満点を差し引いても劇場版として☆5だと思います。
あと松坂桃李は上手すぎました。違和感なしです。
手描きアニメの現在地
原作未読。
普段はほとんどアニメを観ないので見解に間違いがあるかもしれませんが…
アニメ版『チ。』を観て魚豊さんに興味を持つようになり、本作を観に行きました。
劇場版スラムダンクも観に行きましたが、あちらはCGをフルに使って原作の平面的な絵柄を躍動感いっぱいに動かす、という作品でしたが、こちらは真逆でアナログな昔ながらの手描きで、精神状態も含めた主観的な表現方法を極めた描写方法であったと思います。
もちろんどちらが良いという訳ではなく、それぞれにアニメの世界もここまで進化している!ということを実感できる素晴らしい作品でした。
ただ、私自身が人生の折返し地点を過ぎた人間だからか、ストーリー自体に刺さるモノがありませんでした。
若い頃は私も1つのことを突き詰めていくことの難しさに悩んだりしたような記憶もありますが、既にそれも定かではありません。
100m走る哲学
夢を追いかけることの強さを感じる
10秒に一生を乗せて
100m走という約10秒間に、ライバル、現実、逃避、重圧など、スプリンターたちの苦悩と人生を凝縮した物語。
インハイ決勝の雨のシーンは見どころのひとつ。
最後の大会決勝は拳を握ってしまうほどの臨場感で、走る音、息づかい、表情等全てにおいて完璧で、まさに極上の10秒間。
原作40話(最終話)の感情表現を、映画ではほぼ息づかいと足音のみで表現されたという対比も素晴らしい。
また、哲学的な言葉遣いが印象的で、「チ。」のファンとしては必見の作品。
トガシと小宮が声優ではなく俳優だった点も、アニメっぽくなりすぎずリアルさを感じた。
とても素晴らしい作品に出会えた。自分も頑張り続けようと思えた。
ぜったい観て欲しい!
原作は未読の状態で中学生の子どもと観ました。登場人物のそれぞれの立場や信念も考えさせられるものがあったし、競技場での映像は実写のような迫力がありました。選手の足音や息遣いの臨場感も凄いです。最後の2人の清々しい表情と、主題歌の歌詞に涙が出ました。高校生の子どもも友達と観に行って、感動した!と言っていました。すぐに原作を購入して、また違うエピソードもあり素晴らしかったです。鬼滅やチェーンソーマンと重なってしまい、埋もれてしまうにはあまりにも勿体ないです。大人になればなるほど刺さる作品だと思います。映画館でもう一度観たいと思います。
設定が納得できないからあまり入ってこない
大人なアニメ映画
普段アニメはほとんど観ないのだが評価が異様に高くて松坂桃李、染谷将太が声優として参加していて気になりやっとのことで観に。
原作マンガは知らないが限られた時間に上手く収められていて、背景画とキャラクターアニメがリアルでこれは映画館で観るべきです。
ストーリーはというと小学校6年から社会人の25歳までのアスリートの人生模様なのだが、フレーズのひとつひとつが格言と言おうか教訓とでも言おうか、心に響くのである。
きっと10代までの学生には理解し得ないかも、社会に出て揉まれ色んな経験を積んだ歳になってから観るのが正解のような感じです。
たまたま陸上100m競技のステージを舞台にしているが 何にでも置き換えて観るものが自分の人生に照らし合わせて考えさせてくれます。
アニメ映画と侮るなかれです。
描ききった感じ
原作未読。
でもおそらく、この作品を題材として、こう描いた映画なら、これ以上はないだろう。
雨や効果音、音楽などを使った演出の巧みさ。
何度も繰り返されるレースに飽きることなく、毎試合ごとに競技場にいるような気分にさせられる。大げさに跳梁したりしないが、しっかりと骨太に見せつける。撮影技術(〇〇スコープ)をよく知らないが、これは活用成功ではないだろうか?
走り方の書き方、目線の引っ張り方も良い。
主題歌もぴったり。
幼い頃からのエピソードの繋がりも、意外性は無いがしみじみしていい。
何度も挫折と奮起を繰り返し、互いの背中を追いかけ、または逃げる選手たちの表情の描き方、本気の伝え方、そしてセリフ。
「チ。」の方は漫画を読んだが、相当腰の入ったセリフを打ち込んでくる作家なので、そのセリフがうまく間を取りながら生きている。
ドラマチックな無駄を削ぎ落としたところにも、活劇的に描くところにも、どちらにも魅力がある。(文学的なものにアレルギーがある人にはあまり向かないが。)
陸上競技の頂点の世界、あそこまでくる人間はみんな天才だが、誰一人として「人間」でないものは居なく、そのリアリティが臨場感を持って伝わる。
この仕事を目撃できて良かったと思う。何かに本気で必死になった人には、気持ちが分かるところがあると思う。そんなことがなかったという人にも、熱が伝わるだろう。
この人になら自分の全力をぶつけても大丈夫で、自分の全力以上を引き出してくれると思える相手はとても貴重だ。しかも、お互いにそうであると、競うとき、どこまでもせり上がっていく、息苦しいほどの感覚はまさに「生きている」感覚なのだ。
有名な俳優が声優をやっていたりもするが、前に出過ぎてなくて、こちらもいい塩梅。
この映画を見るまで、嫌なことがあって気分が最悪まで沈んでいたが、見ているうちに忘れた。
原作を見つけて読みたい。
一瞬を
原作未読
auマンディとスポーツの日だったので。
朝一かレイトショー好きなのですが、この映画なかなかその枠でしてくれてなくて、観るのが遅くなりました。(今回も中途半端な時間帯で見ました)
こう、もっとモノローグだらけの哲学ちっくな現実みせつけられる気が重くなる話だと見る前までは思っていました。
小学生の時もやだなあ、小宮君いじめられるのかなあ、と見ながら思ってお腹痛くなってた。違った。そういうシーンはなかった。良かった……
高校生の時なんて思っていたより無茶苦茶青春してて楽しくてびっくりしました。
あれ?こんな話だったのおおお!???
トガシくんが普通に本当にいい人なのもびっくりした。速く走ることで友達も居場所も得たって言ってるけど、普通にそれがなくても居場所作れそうだし、100mに会わなけりゃ良かったのだろうかとまで思ってしまった。でも、だからきらめきにも会えたんだろうけど。
見る前までは社会人篇がもっと長い話だと思っていたんです。
もっとトガシくんの鬱鬱しいシーンが長いんだと思ってた。こう小宮くんと争いまくる話だと思ってた。違った。凄い見やすい話しだった……。というか、これトガシくんが本当に走る事に強くて素直で真摯な人だからだと思う。じゃなきゃもっと鬱鬱しいよね。そういうシーンが少ないからって軽い訳ではなく、凝縮された苦悩をきちんと見せてもらえました。
小学生の時の声優さんお二人うまいなあ、と思いました。
あと、松阪さんの声が聞きやすくて、泣きのシーンも大仰じゃなくてなんていうか良かったです。
作画はほんとぬるぬる動いて面白かったです。
思っていた以上に見やすくて、走るという映画でした。走るシーンはこっちも緊張してどきどきしました。思っていたよりも、身構えなくていい映画だったなあ。
楽しい映画でした。(再度言うと軽いという意味ではなくて)びっくりした。
財津押し
「不安は対処すべきではない。人生は常に失う可能性に満ちている。そこに命の醍醐味がある。恐怖は不快ではない。安全は愉快ではない。不安とは君自身が君を試す時の感情だ。栄光を前に対価を差し出さなきゃならない時、ちっぽけな細胞の寄せ集め1人。人生なんてくれてやれ。」
なんとなく恐怖=不快、安全=愉快のように本来ひとつひとつ別の思いを大雑把にまとめてしまっていることに気付く。
逆接的だが、人生はもっともっと複雑に輝く。一人じゃないって思える名言。
挫折を経験して強くなる!
哲学を語る映画
100mを通して哲学を語る物語。登場人物が、皆、人生を達観している。別ジャンルの漫画だが湾岸ミッドナイトとも共通するものがある。小学校から選手としての晩年までを一気に描いているので、映画の尺では詰め込みすぎな印象はあるが、見てよかったと思える佳作。
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