ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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この映画に会えて良かった
鬼滅の刃や岸辺露伴は動かないなどいろいろ見ましたが、本作は今年の一番です。高校生編の雨のシーンは、8900枚を1年かけて1人の人が描いたとか。確かに印象に残るシーンになってましたね。ブラボーです。海堂さんはカッコ良すぎる笑。原作の魚豊さんのデビュー作で21歳の時の作品だとか。確かに何でこれが描けるんだよと53歳のおじさんは脱帽です。無駄に歳は取りたくないもんですね。極上の106分を味わってください。
これ観てひっくり返らない人いるの?
結局は精神論なん?
評価良いみたいだが、全く感動できないし、楽しくもない映画だった
未読だが多分、原作からして好きになれない気がする
日本ローカルでトップってだけなのに競争相手がいないとか痛いこと言っちゃうトップランナーとか、ちょっとしか練習してないのに天才に勝つ小学生とかリアリティー無さすぎだし、もしかしたら実際そうなのかもだけどメンタル変わるだけで急に速くなったりとか納得できない内容が多すぎた
短距離走がテーマなのに普段どんなトレーニング積んでるかとかもほとんど映らないから感情移入も全くできなかった
最後はメンタルなのかもだが、それは必要なトレーニングやり切ってからでしょ、そこが殆ど描かれて無いから全く感動できなかった
唯一、リレーのパートは楽しめたかな
逆に日本って内輪だけでこんな精神論ベースの競い合いしてるから世界で勝てないんじゃねーのと思ってしまう映画だった
作画はまあ悪くなかったが、目を見張るような特筆すべき良さも無かった
ロトスコープって人が観察したものを絵で表現するアニメの良さが減ってしまう気がしてあまり好きになれない、少し前のCGが少し不気味だったのに似ていた
このレベルの作品がなぜこんなに高評価なのか本気で理解できない
最近少し話題のアニメってだけで高評価されすぎでは?それとも操作てもされてるのか?
ヒトは走る生き物
赤色をバックに最速で走る様に横切るOPクレジットを観た瞬間、この作品は勝ち確!と拳を握る。
少年は生徒達を置いてひときわ早く走り、ゴールの前でピタッと止まる。誰も追いつかない壁の前で。
周りはもてはやすが本人は気乗りしない。
本能で早く走ることを知っている、走れてしまうトガシ。
自分の居場所はあるがそれは誰にも理解できない孤立する存在。
その横を明らかにボロボロのゼィゼィで走り倒れる少年。
彼は転校生のコミヤ。コミュ症だ。
体育の時間にビュンと目の前で風を切って走るトガシを見て「すごい…」と呟く。
嫌な事を忘れたいから嫌いな走りをがむしゃらにするコミヤ、彼にトガシは「走り方」を教える。初めて自分の走り方を教え、受け入れられ、共に走れる事に喜びを覚える。
運動会でコミヤはたったひとつの百均の金メダルを欲しがり努力で勝ち取る。ちっぽけな意味。
コミヤは競走をしようとお願いする。いつもの練習場所の河川敷、合図は通過音。ガタンゴトン…心音の様に鳴る音…張り詰める緊張感、ダンッ!速いのはトガシだが、だんだんと追いかける黒い影…作画崩壊を起こしたようなコミヤの顔がスクリーンから飛び出す!そして一瞬追い抜きパタリと倒れる。
じゃあ…と言い足を引き摺りながらコミヤは去り転校しそのまま。初めての敗北。
トガシはスランプの後、陸上を辞めるも急かされて制服で走り出す。風を切る音、流れる先輩の髪、走れる…「すごい…」アサクサが呟く。
走ることへの向き合い始めがリレーというのも良かった。孤立せず、仲間と励み、力を合わせる。1人ではない。
しかし、コミヤはまだ自分が「人より速く走れる」と思っていた。学校でも名も知れて、部の中でも1番速い。
小学生の頃に鼻をへし折ったニカミよりも速かった。
しかし、世界は広い。
全国大会で再会するコミヤ。
彼は努力して努力してイップスを克服しメンタルも整えライバルとして現れる。
雨の降る中、周りにも降っていると錯覚する様な雨垂れに合わせて上下する画面をぐるりと周り映し出される8人の選手。1人ずつ名を呼ばれ挨拶をする様子をしっかりと映す、観客は選手達は見えてもいない様な描写。この一連のシーンは本当に素晴らしく見逃してはならないものを観ていると感じる。足をかけ、ゆっくりと頭を下げる。セット!あとは前だけ!前だけを見て雨の中、風を切って走る。ふ…と横を駆けるコミヤ。トガシの髪に大粒の雫が流れる。立ち尽くすトガシ。雨はいっそう強くなり彼の姿を白く塗りつぶしていく。
彼は再び敗北したのだ。
社会人実業団に話は進み、ギリギリの成績を収め続けるトガシ。社会人実業団では主にトガシ、コミヤ、カイドウ、ザイツの4人がライバルとして走る意味や信念の独白があり、それは成長と共に形を変えて勝敗やお互いに作用されながらも100mの世界へどのように取り組まれているのかをじっくりと話される。
しかし、それぞれの言葉の情報力が多すぎて一言咀嚼しようとしたら、あっという間に置いてかれてしまい、すごくいいこと言ってたのに分からなかった!!という自分の頭の残念さを自覚してしまう名台詞がたくさんだった。これは哲学です。
カイドウの「現実を認めないと逃げられないから目を開いて現実を見ろ」
ザイツの引退時の「極上の10秒を味わえ」など痺れるワードが爆発してたので再度視聴するかな。
作品全体を観てとにかく背景が綺麗でひときわ青空が水彩で塗られた様な爽やかさで街全体も輝かしく描写されている。
反してキャラクターは線がしっかり太く、どっしりと描かれてていて会話シーンなどはどこか不気味さも感じる。自分が追い抜かされた、負けた瞬間、ぐにゃりと世界が曲がっていく。非常にわかりやすく見せつけてくる気満々でやってくる。そして立ち直った際に瞳をキリリと持ちあげるのだ。
動き方も非常にリアルでクレジットを観てこんなに沢山のモデルがいたのか〜とびっくり。
彼らの背景はほとんど明かされず、ただ走ることだけに重点をおいている。削りに削りった作りなのでどのキャラクターにも感情移入しづらいことが逆に走りに人生をかける彼ら全員を応援できる。
世界大会決勝戦の日、肉離れを起こし選手生命が危ないトガシはゆっくりと起き、歩き、列車に乗り会場へ着く。
再び対峙するトガシとコミヤ。
「この世界にはすごく簡単なルールがあるんだ。たいていのことは、100mを誰よりも速く走れば全て解決する」
ただ前を見て走る10秒。2人のその目の先には子供の頃に走った河川敷。コミヤの靴にはガムテープがぐるぐる。
EDの髭団の「らしさ」も良くキャッチーなフレーズを繰り返すので視聴後は、ら〜しさ♪と口ずさみながら100mを目視しつつ帰る方が多いのかもなぁと思いながら自分もそうして帰った。
自分を甘やかすことなく励み、貪欲に勝利を求め勝利の為に考え、時々立ち止まり走る意味を考え、孤独を感じそして己を信じまた走りはじめる。10秒を走ることに人生を捧げ続けるどこまでもストイックな男たちの作品。
子供の頃は足が速い子がモテる時代だったのだ。
有酸素運動でダイエットもできるのだ。
リアルな動き
生まれてはじめて同じ映画を3回見ました。
ただ走る。それだけでこんなにも。
漫画を1巻だけ履修した上で視聴。
結論から言うとかなり面白かった!
ただ100mを走るだけ。それだけの行為のはずなのにそこに関わる人達の悲喜交々、作中でも語られていたけど人生がそこにはある。
見ていて熱くなるし、怖くなるし、圧倒される。
とにかく話の構成がいい。
漫画の1巻だけのみ見ていたけどたったそれだけでも分かるほど漫画の中身を見事に分解、再構築していた。個人的には1巻にあった小宮の走りに対する評価のシーンがとても気に入ってたからあそこが見れただけでも見に行った甲斐がある。
表現面もかなり凄い。
まず映像。CGも使っていたみたいだけど違和感がなくアニメの絵のままぬるぬる動いてるのが凄いし、走っているシーンなんて様々な角度と時間感覚で表現されてて迫力が凄まじいの一言に尽きる。これは是非映画で見るべき。
そして音楽も凄くいい……!走る直前に流れるロックっぽいインストは最高に盛り上げてくれると同時に迫力も満点。見たあとCDがほしくなった。
総じて今年のアニメ映画の中でもかなりの上位にある作品だったと思う。
できれば原作全部見た上で見た方がいいかもしれない。
最後涙目になったよ
ひゃくえむであろうとなかろうと、自分の未知の姿を思い描いて、のるかそるかの"ガチ"の勝負をしている姿の美しさが心に響いて離れない。
主人公の目から見た競技場の景色、自らの心臓の鼓動、髪を伝う雫、隣の競技者の息遣いがまるで静止画の様な、また時間が遅く流れているかの様な表現で迫ってくる。
己の概念と世界の概念のぶつかり合いは己の概念で捩じ伏せられなければ終われないし終わらない。
そんなギリギリで生きてる、みんなの代表であるトガシとコミヤとライバルたちの刹那を描いた映画。
前向きな逃避
たった10秒のために人生を捧げる男たちのドラマ
ピカソの逸話にこんなものがあります。
ピカソの人気絶頂だった30歳の頃、とあるマーケットでピカソは見知らぬ女性から「この紙に私の絵を描いてください」と依頼された。ピカソは30秒程度で簡単なスケッチを仕上げた後に「この絵は100万ドルです」と言った。女性は驚き、「たった30秒程度で描いた絵なのに?」と問うと、ピカソは「いいえ、私はこの絵を描くのに30年と30秒掛けています」と返答した。
この映画はまさにそんな映画でした。100m走は時間にして僅か10秒。そのたった10秒のために、これまでの人生、そしてその後の人生までも賭けようとする。自分の人生の全てを、その10秒のために注ぎ込む。そこまで熱中できるものを見つけることができた彼らを羨ましいと思うと同時に、彼らのような生き方をしてみたいかと問われればNOと答えるだろうと思う。
普通のスポコン漫画とは一線を画した、魚豊先生にしか描けない哲学的なスポーツ作品を完璧に映像化できていたと思います。
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生まれつき足が速く、その才能から友人や居場所に困ることは無かった富樫(松坂桃李/種﨑敦美)は、小学校のクラスの中心人物だった。ある日、ひょんなことから転校生の小宮(染谷将太/田中有紀)に走り方を指導するようになるのだが、つらい現実から逃避するためにがむしゃらに走り続けていた小宮は、富樫の指導もあってみるみるうちに成長していく。親の仕事の都合で小宮が転校してから会えなくなった二人だったが、高校進学後、トップアスリートとして全国大会で再開を果たすこととなる。
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100m走をアニメ化する。これ、下手にアニメ化したらどのレースも同じような映像で退屈になってしまう気がします。サッカーや野球みたいに試合の中で劇的な展開があるわけでもなく、言い方は悪いですがただ走るだけのスポーツです。しかしこのアニメ、そのただ走るだけの映像が身体の芯まで熱くなるくらい盛り上がるし面白いんです。これは本当にすごいことです。
個人的に痺れたレースが2つあります。
一つは、高校生になった富樫と小宮が再会して決勝戦でぶつかる高校全国大会のシーン。盛り上がるBGMが絶妙なタイミングで差し込まれ、レースが始まる前の準備のシーンから長回しでじっくりじっくり丁寧に見せてくれる。レースが始まるまでが結構長いのに、レース自体は本当にあっさり終わってしまう。これが100m走という刹那的な競技の魅力を端的に表現していて素晴らしかった。
そしてもう一つが、ダークホース小宮が財津の大会記録タイで優勝した北九州大会。まさかの「走っている選手の姿を一切映さない」という演出。澄み渡る青空と、選手たちがスタートしてから10秒後に鳴り響く地鳴りのような歓声。歓声の大きさからとんでもない記録が出たということが察せられる素晴らしい演出だったと思います。
現役陸上選手の方が本作の感想として「具体的なタイムを明示していないのが良かった」とおっしゃっていました。私には無い視点です。私の記憶では100m走のタイムが明示されたのは半年引き籠ってた仁神が久々に100mを走って出た「12秒」というタイムだけだったと思います。陸上に詳しい人なら、具体的なタイムを示されると現実の陸上選手と比較してしまいます。それはアニメの没入感を阻害し、現実に引き戻される行為です。本来100m走とタイムは切り離せない存在のはずなのに、映画を没入して楽しむためにはタイムはノイズになってしまうんです。その感想を聴いた時、私には無い発想だったので「なるほど」と膝を打ちました。こういう自分に無かった着眼点を知れるのが、他の人のレビューを見る一番の楽しみですね。
とても面白く、色んな人と語り合いたくなる素晴らしい映画でした。オススメです!!!!
静かで、熱い。
100mに取り憑かれた男達の話。
何故走るのか?という問いに対する答えは、人それぞれ。
このシンプルで根源的な問いに対する答えがそれぞれシンプルで、深い。
天賦の才があっても、目標を見失うと、速く走れなくなる。
偉大な親の血を受け継ぎ、英才教育を受けても、世間が作り上げたイメージと自己との葛藤で、速く走れなくなる。
努力を積み重ねても、小学校での怪我の記憶が邪魔して、速く走れなくなる。
そんな挫折と葛藤を乗り越えて、登場人物達は、走る。
「現実を受け入れた上で、逃避する」という海棠の言葉が心に残った。矛盾するような不思議な言葉だが、「現実逃避」するのではなくて、「自分の追い求める理想とのギャップ」を冷静に測りつつ、その「ギャップを埋められると信じる」という意味だろう。
そして、彼らはトラックの上で、「今」、「この10秒」に集中していた。
100m走という1つの陸上競技にフォーカスした物語だが、そこには人生を考えさせられる奥深さがあった。今まで観たことがない、スポーツアニメ。
ロトスコープという手法で作られた映像の場面は、立ち姿でも微妙な身体の揺れがあるなど、人間らしい自然な動きが違和感なく表現されていて、新鮮だった。
キャスティングもよく、俳優と本職の声優ともに映像とマッチしていた。
ラストの2人の笑顔は、走る喜びが身体の底から湧き上がってきたかのように思えた。
100mの醍醐味を感じられた
予想以上に素晴らしい
アニメの新しい映像表現と心理描写
視聴直後に原作漫画購入!
これまでのアニメの表現とはベクトルの違う新しさを魅せてくれた点は「ルックバック」に近いものがある(表現方法が似ているという意味ではない)。
実際の人間の動きを撮影してアニメに描き起こすロトスコープという手法は、大昔のディズニーアニメ映画でもやっている古典的手法だが、単純にトレースしているわけではない。
そこには原作とは違うキャラクターの深堀り方が加筆されている。セリフ、モノローグではなく、動き、描線、そういう「アニメ」でしか表現できない方法で内面を表現している。
小宮のキャラクターは原作漫画とは大きく違うが、限りある上映時間の中でキャラを明確に立たせる手法として、素晴らしい脚本だと思う。
クライマックスは土砂降り
素晴らしかった。
100m走に人生をかける男たちのドラマを小学生から社会人まで追いかけたスポーツドキュメンタリーを見ているような映画だった。
映画「国宝」が描く、一芸を極めるために全てを犠牲にするという自己中心的な世界観から一歩進んだ内容と感じた。それぞれの男たちが夢を叶えることとそのための代償に悩む。人間の尊厳に言及した描写もある。ただし、提案はないのだが。
ロトスコープという実写をトレースする手法。3Dアニメなら縦横無尽に動かせるカメラワークに制限がつくことがかえって作品にリアリティを与えていると感じた。本作では、100m走のシーンだけではなく、キャラクターの通常動作にも採用され極めて自然な芝居をしていることに驚く。
会場は小学生連れのファミリーなども見かけたが、内容がシリアスなので家族での鑑賞にはあまり向いてないと思えた。特に男の子はこれからの現実に押しつぶされないか心配になる。
先週「七人の侍」を観て感化されてるからか、物語のクライマックスに土砂降りがくると、ワクワクするようになってしまった。
見た!!!
ロトスコープと言う古くて新しい技法の今や第一人者といって良い。これほど効果的にこの技法を使い、しかも最もプリミティブな実験手描きアニメ風の描写を入れたり、また一方でベタな劇画調だったりで、世界に類も見ないテイストのアニメに仕上がっている。このアニメの特徴と言えば極めて抑制されたインテリジェンスあふれる登場人物たちの行動様式、100メートル10秒に込められた様々な人生哲学が鼻に付く事もなくそのストイシズムが清々しく感じるのは、圧倒的な熱量を持った描き手の迫力、臨場感に尽きる。無駄をは除したエリートたちの栄光と挫折がこの100Mと10秒と言う時空に閉じ込められたまさに陸上版🎦2001年宇宙の旅からの🎦インターステラーへのアンサームービーか。とにかくその描画力はこの伝統的な技法によるところが多いが、それにしても視覚に焼き付けただけで自らの視覚情報を自らの腕一本でトレスして見せる人間ロトスコープともいえる井上雄彦の凄さも同時に呼び覚ましてくれる、そんな迫力を持つ映画となって仕上がっているのである。それと最高に格好いい映像演出は、高校で再開した小宮と富樫の最初の勝負で、「セット・・ゴー(実際は合成音)」の後、固定したカメラからフレームアウトした二人の姿の後に映し出された青空を10秒間、観客に見せる演出はマジクールだった。このわんカットだけでこの監督の非凡さが強く印象付けられた。完璧。それにしても金曜の朝一番、いちにち一本の上映にほぼ満杯になるだけの観客が集まる新潟はマジでアニオタの聖地と痛感した。
狂気
ひゃくえむ。
全347件中、21~40件目を表示
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