ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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財津押し
「不安は対処すべきではない。人生は常に失う可能性に満ちている。そこに命の醍醐味がある。恐怖は不快ではない。安全は愉快ではない。不安とは君自身が君を試す時の感情だ。栄光を前に対価を差し出さなきゃならない時、ちっぽけな細胞の寄せ集め1人。人生なんてくれてやれ。」
なんとなく恐怖=不快、安全=愉快のように本来ひとつひとつ別の思いを大雑把にまとめてしまっていることに気付く。
逆接的だが、人生はもっともっと複雑に輝く。一人じゃないって思える名言。
挫折を経験して強くなる!
哲学を語る映画
100mを通して哲学を語る物語。登場人物が、皆、人生を達観している。別ジャンルの漫画だが湾岸ミッドナイトとも共通するものがある。小学校から選手としての晩年までを一気に描いているので、映画の尺では詰め込みすぎな印象はあるが、見てよかったと思える佳作。
映画と漫画で1つの作品
私は原作から入ったひゃくえむ。ファンです。
やはり競走シーンは迫力満点で見応えがありました。BGMやロトスコープならではの生き生きとした表現が素晴らしかったです。5000点満点でした。しかし、原作勢からすると、幼少期のトガシに負ける事への恐怖の感情描写や、仁神とトガシの競走シーンなど、心理描写が足りてない所があり、そこは物凄く惜しいと思いました。特にトガシ、仁神が入部してくるシーンなど、映画版では非常にあっさりとしていたので、原作を読んでいない初見の気持ちで見ていると訳が分からなくなりました。なので全体的に原作と比べると浅い作品だと思います。さらに、いじめの描写が無くなったところもかなり大きいと思います。特に小宮は。
色々な意見はありますが、映画→漫画→映画の順で見ていくと作品の深みが増していくのではないでしょうか。まさに、映画と漫画の両方を見て、ひゃくえむ。という作品を理解できるようになると考えています。
良かったけど、展開は読める
あの10秒を味わう
今の創作物は昔と違ってかなり現実的に作られたものが多い。昔は才能があって、なくて、大人になったらそれが無くなって、更に現実を見ないといけなくて、でも些細な日常の中でしあわせを見つけようとするような。
でもそういうものは、子供の頃を恋慕するような気持ちを否定された気がして、今ある現実をちゃんと見なさいと言われるような気がして、とても苦しい。
でもこの映画にはそれがなかった。
主人公がコーチになって終わるそんな現実的で、見たくないような結末なのかと思ったけれど、
主人公が挫折しながらも、あの10秒を味わうためにちゃんと走り抜けた。
未来が決まった映画は、こっちの未来も勝手に決められたようで苦しい。
でも、私にとってこの映画の結末は現実逃避の術で、まだ未来があるように感じられて、この映画を思い出すことが日常を彩るもので、観る事であの10秒感を共に味わえる、そんな映画だったと思う。
刺さりまくった
よかった。
何が1番かというと走る時の演出が最高。
何度もあるレースシーンがまさに固唾を呑んで見守れてしまう雰囲気作りが素晴らしいです。
100mにかける思いの強さも。
明日生きるために今日死んでいたっていう言葉は本当に刺さります。
大人になって市民ランナーになって記録が伸び悩む時はまさにこんな気分で走ってるから伸び悩むんだよな〜って思います。
先を忘れて今を生きてる時が1番です。
余計な人間模様はワンカットとかで語って後は100mに凝縮している演出が素晴らしいです。
高校編とかそれだけでワンクール作れるくらい人間模様ありそうだけどあんな感じで流しちゃうのはもったいないけど110分の映画ならアリです。
本当にいい映画でした。
ランナーの方は一度は見るべし!
熱いものがずしりずしりと来る。
息子に勧められた映画予告で何か刺さり、映画館へ。
100M走、子供の時から圧倒的に速い子、そして始めは遅い友達。となれば展開は読めそうなものの、それでも何か昔のスポコンとは違う何かを期待して、そして良い意味で好きなスポコンでありながら、展開は昔のそれとは違ってて、そしてそれだけじゃない何かをたくさん与えてくれたように感じる。
キャラクターそれぞれに大切なものがあるっていうの好きです。
そしてそれぞれのキャラクターがくれる大切なメッセージの一つ一つが心に刺さる。
展開もいい感じに予想を外してくれる。そこでその人かーみたいな。
あ、あー嫌な予感、、、これは当たるんかーい(涙 な展開も。
出てくる登場人物かっこいいなぁ。
原作ではもっと丁寧に時間をかけて展開しているのかなと思いますけど、映画だけでも楽しめました。そして帰りに古本屋で原作買おうと思ったけど売り切れてました。
心を熱くしてくれる映画。
スポーツ熱も上がりましたけど、それだけじゃない人生観にも当てはまるストーリーでした。
なんか社会人になった若い女性とかでも意外と刺さるメッセージかもだし、年齢を経た人たちにもチャレンジする意欲だったり前向きになれるような、なんというか人生に対して奮い立たせてくれるような。
原作も見たいけど、映画も何度か見て噛みしめて製作者さんのメッセージをしっかり受け止めたいです。
いやー、燃えたけど、今でもまだじわじわキテる。
また見たいです。
そして試合出たい(怪我療養中なので)。
あ、それと終わり方もおしゃれでした。
ピンポンみたいな終わり方も好きなのですけど、この映画はあれも合ってるように思います。
あ、それに歌もよかったです。
歌詞サイコーです。
全てが詰まった「10秒」
心を高鳴られる100m
たったと言えばそれまでだが、誰しも時間を気にしなければ走れる100mという距離に掛ける思いと情熱。
その一瞬の世界が無限の可能性と力を持ち、それに魅了され生きる男たちのドラマ。
その刹那の空気の中、スターターの音が血を湧き上がらせ、呼吸が高鳴らせ両脚に流れていく。
この感覚はとても心地よく。
またあの高鳴りを感じたくなった。
走ることにすべてを注ぎ込む物語
100m走選手たちの物語を描いた映画
原作未読です
小学生のころに足が速かったトガシと
走ることでつらい現実を忘れようとする小宮が
親友となるが小宮は転校をしてしまう
トガシが中学生で陸上からスランプになり陸上から距離をとっていく
高校生でもう一度陸上を始めるが
そこでトップクラスの実力を持った小宮と再会し敗れてしまう
そして、10年後になり
トガシは選手として結果が出せないまま
小宮と差をつけられてしまう
先輩選手のアドバイスでなんとか調子を取りもどすが
試合直前に肉離れになり、無理をすると走れなくなる状態だったが
最後のレースで小宮との対決に臨む
陸上の内容を描いた作品だが
陸上選手は若い時からいろいろプレッシャーがあり
ケガなどで才能があっても陸上選手を続けられなくなったり
理不尽な部分もドライに描かれる
本作では脇役で出てくる選手たちも
個人的にかなり魅力的に見えた
小宮が高校生のときに自分の肉体を酷使する選手だったのに対して
社会人ではかなり合理的な選手になっている感じがして
その変化の理由がわからなかった
ロトスコープの作画で好き嫌いがあったり
最後の勝負はどちらが勝ったかわからないまま終わるので
ちょっと好き嫌いが分かれそうな内容だったが
個人的にはよかった
最高に引き込まれた
原作選定ミス。
あいたたたた
登場人物の発する言葉が全てポエムなのがとても痛々しい 作中まともに喋っていたのは陸上部員の女の子だけ。
『ひゃくえむ』に限らず、「所作」とか「行動」「経歴・経験」の部分で登場人物のディティールを描いて、視聴者に想起させるという手間を省く作品が多すぎる。
富樫が一度陸上から離れた理由、
財津や小宮がああなった理由、
海堂が急に勝った理由、
財津が失速した理由、
伏線や動線が欠如していて分からない。
セリフのポエムっぽさが作品全体に悪影響を及ぼしている。本来は場面に応じてセリフがあるはずなのに、むしろセリフが場面を左右しているような違和感がある。
説明を全部文字とか言葉に頼るなら映像作品、ましてやアニメーションじゃなくていいじゃん。己の価値観・世界観・ロマンを広める上で、楽になろうとする作り手の意識が垣間見えてしまう。
褒められるところは、競争シーン。人が走るシーンの作画はどうしても某ウマ娘みたいに残念になりがちだが、流石に力が入っていて集中して見れた。あと浅草ちゃんが可愛い。よって★★にします。
一瞬を取るか、一生を取るか、それが問題だ。
最近のアニメは、時間が凝縮されていて、直球で心に刺さる。
主人公トガシの人生を共に生きた気分。
私は、小学生で将来の夢を見つけ、そこへ到達するための人生の設計図を描いた。
予想外のことをいくつか乗り越え、おかげさまで、半世紀かけてその夢は実現できた。
今、私は満たされていて、ホントにいつ死んでも悔いはないと思っている。
余生では、新たな夢を全力で追いかけるか、読書や旅行など趣味を存分に楽しむか、どちらにしようか悩んでいる。
そういう意味では、この映画はタイムリーだった。
社会人のトガシの生き方は、ごくスタンダードな生き方だ。
明日のパンのために、今日を生きる。
それを延々と繰り返したら、死ぬまで、今日を、今を全力で生きることはできない。
仕方ない、安定を知ってしまったら、ギリギリの状況で生き続けるのは、精神的にキツイ。
余人をもって代えがたい打ち上げ花火のような輝きに満ちた人生は確かに美しい。
けれど、毎日を丁寧に楽しく生きる線香花火のような人生も、同じくらい美しいと思う。
世界一じゃなくても、県内一とか町内一くらいを目指して、両方の人生を味わうのが、現実的な幸せじゃないかな。
ラスト、最高によかった。
最後の最後にポロリとこぼれた涙は、トガシと小宮、どちらも勝者だよと心が震えた瞬間だった。
主題歌もよき。
最近のバンドの中では、ヒゲダンが一番好み。
若い頃から変わらず聴いているのは、サザンとスピッツ♪
彼らの新曲は、どこか懐かしいと感じる、不可思議(*^▽^*)
陸上
中学、高校と陸上やっていたので、一応観にいきました。
内容は、普通に緊張感ある作品で、楽しめました。
ラストは原作知らないのでわかりませんが、
陸上で怪我して走れなくなった者としては、
このように想像します。
100m、スタートしてから60m地点で
やや酸欠、肉体的限界のはじまり、
その状態から自分の体を俯瞰で観て、
何ゆっくり走ってんだ~もっと早く走れ
もっともっともっと!って脳に命令を続けると
ゾーンに入れる瞬間が、発動することがあります。
自分の肉体の限界を越えてしまうので、正直怖い。
時間にして2~3秒だと思いますが、普段の自分とは
違う体の自分になります。(アドレナリンではない)
その状態で走った場合、怪我している方は、多分
途中リタイヤだと思いました。
肉体、呼吸、精神すべてが限界を超えた時、こわれます。
ガチ、になれる一瞬。人生にはそんな幸福もある
トップアスリートの珠玉の哲学
小学生トガシが「100メートルを誰よりも早く走れば全部解決する。」という。
トガシ(彼だけ、カタカナ)が最初に放つ哲学的言説。
そして、さまざまな紆余曲折を経て、再びこのセリフに回帰する。
登場人物の放つ哲学を全部、記録しておきたい。
原作をそろえれば全部、載っているのかしら。
しかし、最も素晴らしいシーンは雨の全国大会での小宮のセリフ。
「トガシさん、走り変わりましたね。」
言うまでもなく、変わったのは技術的なことではなく、トガシの生きざま。
それを指摘されて、トガシがショックを受けるシーン。
雨ですべてが覆われる。
アニメーションでなければできない表現なのだろう。
「栄光の前に対価を差し出すとき、ちっぽけな細胞の寄せ集めの人生なんてくれてやればいい。」(財津)
「現実から逃避せよ。」→「現実を見ずに逃避するか、苦しい現実をみてそれを乗り越えるか?」(海裳)
「トガシくん、走り変わったね」(小宮)
「明日を生きるために今日死んでました。」
トップアスリートたちは私たちの現実においても、哲学を語る。
大谷翔平、羽生結弦、藤井聡太
ぎりぎりの世界で生きる若武者たちの言葉は美しく深い。
先日観た「宝島」は膨大な事実と時間と心情にあふれ、それらの総体が消化しきれないこと、そこに価値を見いだすべき映画であった。
それに比べて、100メートルは10秒の世界。
その短時間に凝縮される哲学の深さに圧倒される。
トガシの挫折と、理想と現実との折り合い方、涙は初老を迎えないと本当のところはわからないと思ったが、否、深く生きる若者たちにとってはリアルなことなのだろう。
トガシのみカタカナ。
ひゃくえむ。が平仮名「。」付き。
に意味がないわけがない。
多分、この一作のアニメーションの解説の為に本が一冊必要になるのだろう。
すごいものを見てしまった。
鰹西高校とか、鰯第二高校とか、妙な遊び心も楽しい。
試合が始まる前の準備の描写が長い。ロトスコープの効果を最も感じた。
あの空気感を出すのはこの手法がベストだと思った。
実写ではこうはいくまい。
全305件中、21~40件目を表示
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