「クライマックスは土砂降り」ひゃくえむ。 minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
クライマックスは土砂降り
素晴らしかった。
100m走に人生をかける男たちのドラマを小学生から社会人まで追いかけたスポーツドキュメンタリーを見ているような映画だった。
映画「国宝」が描く、一芸を極めるために全てを犠牲にするという自己中心的な世界観から一歩進んだ内容と感じた。それぞれの男たちが夢を叶えることとそのための代償に悩む。人間の尊厳に言及した描写もある。ただし、提案はないのだが。
ロトスコープという実写をトレースする手法。3Dアニメなら縦横無尽に動かせるカメラワークに制限がつくことがかえって作品にリアリティを与えていると感じた。本作では、100m走のシーンだけではなく、キャラクターの通常動作にも採用され極めて自然な芝居をしていることに驚く。
会場は小学生連れのファミリーなども見かけたが、内容がシリアスなので家族での鑑賞にはあまり向いてないと思えた。特に男の子はこれからの現実に押しつぶされないか心配になる。
先週「七人の侍」を観て感化されてるからか、物語のクライマックスに土砂降りがくると、ワクワクするようになってしまった。
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