鬼平犯科帳 でくの十蔵

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(C)日本映画放送

映画レビュー

4.0 本シリーズの海外配信を視野にしたとき、自ずと変えるべきところやるべきところが見えてくるような気がします

2025年7月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

鬼平犯科帳 でくの十蔵
2024年 シーズン1

十代目松本幸四郎を長谷川平蔵に迎えてのリメイクシリーズの第3作
原作から大きな改変はありません
原作の「おしの十蔵」のままではコンプラ的に受け入れられないので本作では「でくの」、平成のシリーズでは「むっつり」に変えられています

序盤に今後シリーズの主要登場人物になる小房の粂八が初登場します
中盤にはシリーズに何度も名前が出てくる稀代の大盗賊の頭簑火の喜之助も初登場します

全体的な印象は時代劇の名シリーズを一世代継承に成功したと思います
ただ時代の変化に応じた新しい価値が加わったのかと問われるとそれはありませんと応えざるを得ません

有名な老舗の蕎麦屋かうなぎ屋の味みたいなもので、代替わりして、味が代わったりすると、こうるさい昔からの常連客から文句がでます
かと言って何もかも先代のまんまですというのもどうか?と難しいところ
今のところは先代の味を守ってくれていて嬉しいねというところ
でもそれだけじゃあ、そのうち、ここがちがう、あそこがこうじゃないという重箱つつきで終わってしまいかねません
ともあれ、時代劇冬の時代に店がつぶれず続いてくただけでも感謝しなければならないところでしょう
それでも、何か目新しい、ここが凄いという物が欲しいところです
配役も慣れの問題だと思います
ただ仙道敦子さんだけは、すみません
平蔵の妻久栄役には受け入れられませんでした
十蔵の妻のようなきつい性格の役があっています
十蔵が道を誤ったおふじのようにもっとおっとりとしたところが滲み出ていれば、お順を引き取るところの説得力が増しお話に感動が生まれたと思います
そして平蔵の包容力の源泉は久栄にこそあるのだというシリーズの構造を確立できたのにと残念に思いました
例えば薬師丸ひろ子さんが久栄役であったならばどうだったろうかと思ってしまうのです
あと、平成のテレビドラマシリーズのようにオープニングとエンディングを作り、そこで新しい時代の空気を入れる試行錯誤を観てみたいと思いました
新しい時代への対応がコンプラ面での題名変更だけなのはもう少しチャレンジしても良いのではと思うのです
どのように?
そこが難しい
本シリーズの海外配信を視野にしたとき、自ずと変えるべきところやるべきところが見えてくるような気がします

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あき240

4.0 【”実直なる同心が初めて感じた夫婦の情”今作は、畜生働きをする盗賊を探す中で同心が出会った心優しき女との淡い想いを描いた哀しき作品。且つ久しぶりに観た藤野涼子さんの姿が嬉しき作品である。】

2025年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■火付盗賊改方の実直なる同心・小野十蔵(柄本時生)は畜生働きをする盗賊・助次郎(窪塚俊介)の探索中に子を身籠ったおふじ(藤野涼子)が助次郎を殺した現場に遭遇する。
 身重のおふじに同情した十蔵は、商人の娘である自分に付けたい女房の実家から密かに金を借り、助次郎の死体を隠しおふじをかくまう。
 一方、盗賊の頭・野槌の弥平を追っていた火付盗賊改方は、一味の小房の粂八(和田聰宏)を捕縛する。粂八はナカナカ口を割らないが、その前に出会っていた蓑火の喜之助(橋爪功)から”畜生働きをするなんて、アンタも落ちたもんですな。”と言われた事を気に掛けていた。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・物語の構成は、ハッキリ言って哀しい。だが、そこには同心・小野十蔵が、自分に冷たい金持ちの商人の家から嫁に来た自分を軽んじる姿とは対照的に、盗賊小川や梅吉(波岡一喜)の隠れ蓑のために妻になっていた事を知らぬ、おふじの心優しいもてなしに、感じた事のない”夫婦の情”を感じ、彼女に肩入れする姿が描かれる。

・ここで、嬉しかったのは、おふじを演じた久しぶりに観た藤野涼子さんの姿である。ご存じの通り近年では稀な前後編の大作「ソロモンの偽証」で、見事に主役に抜擢され一躍注目を浴びたが、その後学業なども有ったのだろうが、余り光が当たっていなかったのだが、今作で頑張って女優を続けていた姿を見て、素直に嬉しかったのである。
 そもそも、演技力には定評があるのだから、更なる飛翔を期待したいモノである。

・今作では、人の善なる面が悪なる面よりも強いという事が、明確に描かれている。そこが良いのである。
 実直なる同心・小野十蔵の責任の取り方や、小川や梅吉に囚われていたおふじの最期は哀しいが、一方で極悪の道に堕ちていた小房の粂八は、極悪の中から抜け出すのではないかと思ったのである。

<おふじが産んだ”順”を、おまさ(中村ゆり:ムッチャ好き。お綺麗だし、チョイ薄幸そうな感じがなんか良いんだよねえ。)が平蔵と久栄(仙道敦子)夫婦の元に運び、平蔵が抱き上げるシーンも良かった作品である。>

■このシリーズを製作している会社は、役者のキャスティングも良いし、原作が良いからではあろうが脚本も良い。
 時代劇復興のために、ドンドン作品を製作して欲しいモノである。

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NOBU

5.0 うたかたの夢に死す

2024年6月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

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しゅうへい

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