宝島のレビュー・感想・評価
全199件中、81~100件目を表示
これぞ歴史をエンタメにした映画
今まで知らなかった沖縄の歴史をエンターテイメントとしてうまいこと伝えている。
沖縄弁をフルにしゃべっているがニュアンスで理解できるから全然不快ではない。
妻夫木をはじめ演技も素晴らしい!
今年「国宝」の対抗馬になる邦画だと素直に思った映画です。
クソ映画!
長きにわたる怒り
暑くなく暗い沖縄情景
宝島
何でこんなに琉球らしくない暗くて暑くない窮屈な画面なのだろうか?
いくら米国占領地だとしても南国の明るさが殆どなく重苦しかった。
唯一、爆発的に狂乱状態になったのは那覇の暴動でしかなく、残念な場面作りだった。
その残念さは、やはり日米地位協定の理不尽さの根深さで、その紹介が軽過ぎたからだろう。
そんなことで、映画内容の深刻さが薄くオン兄が最後まで守ったことに就いて強く思いを持てない。
それにしても、レイの熱い演技は素晴らしかった。
それに比べてヤマコがいつもピカピカで嫌な女優だと見せつけられた。
やっぱり、撮影時期が悪かっただろう2.3月では寒いでしょう。
#沖縄撮影が「少ない」ように感じる理由と補足
実際の割合:沖縄ロケは2024年2月下旬から約2ヶ月(41日)と長期間
レビュー131
(^∇^)
宝島
戦後の沖縄を舞台に時代に抗う若者たちの姿を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説「宝島」を映画化。
妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら豪華キャストが共演。
「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督がメガホンをとった。
1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。
そんな戦果アギヤーとして、いつか「でっかい戦果」をあげることを夢見るグスク、ヤマコ、レイの幼なじみの若者3人と、彼らにとって英雄的存在であるリーダー格のオン。
しかしある夜の襲撃で“予定外の戦果”を手に入れたオンは、そのまま消息を絶ってしまう。
残された3人はオンの影を追いながら生き、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、それぞれの道を歩んでいくが、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境で、思い通りにならない現実にやり場のない怒りを募らせていく。
そして、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す。
親友であるオンの痕跡を追う主人公グスクを妻夫木聡が演じ、
恋人だったオンの帰りを信じて待ち続けるヤマコ役を広瀬すず、
オンの弟であり消えた兄の影を追い求めてヤクザになるレイ役を窪田正孝が担当。
そんな彼らの英雄的存在であるオン役を永山瑛太が務めた。
宝島
2025/日本
真の宝島とは?
沖縄の人たちの苦悩が伝わる
戦果アギヤー
沖縄の人が流してきた、涙と血の味を想像した
沖縄戦で孤児となったこどもらが、長じて「島のために」と米軍基地の鉄条網を乗り越え、更に生き抜いていく物語。誰でも理不尽な出来事を味わうが、とりわけ国から「棄民」される事の絶望感はいかばかりか。だが、彼らは立ち上がる。
「奪うだけでは、何も変えられない」「綺麗事では何も変わらない」「でも、(人間の智慧を)俺は諦めない」。
それぞれのキャラクターが血と涙をたくさん流しながら立ち向かっていく姿にシンプルに感動。妻夫木聡演じるグスク、広瀬すず演じるヤマコ、窪田正孝演じるレイ、永山瑛太演じるオン、どの俳優にもそれぞれ胸に迫る演技があった。なんならエキストラにさえも本物感というか訴えてくる表情があり、正直驚いた。美術や衣装の力もあるのだろうけど。観終わったら放心状態で、すぐには言葉にはできないのだが、涙と血のしょっぱさが、自分の舌に残ってる感じ。それに、何度か現れるいろんな海の表情に癒された。展開で分からない部分もあったから、もう一度観たい。
当事者視点で描いた力作
現在進行中の沖縄の悲喜こもごも
戦前と戦後の占領下。返還されてもなお沖縄に本土はよそよそしい態度をとり、今でも米軍基地に理不尽な想いしている
原作は未読だが何もわかってない内地に対する怒りとも諦観ともつかない想いなのだろう。それを打破する作品ではあるのでしょう。ついでにAbemaに出演した大友監督の話も聴きました。現地の方に、ありがとうと言われたことに驚いていましたが、確かに沖縄について知ってるつもりだったと反省。
美術はもう本当に素晴らしい。なかなか手に入れ難いだろうアメ車のくたびれ具合も風合いがよくて素晴らしい。服装もあの当時感と音楽もカッコいい。ただもう少しどうにかならなかったかな、というところも多々あるのは事実。基地内での3人のやりとりには、さすがにイライラしました。
沖縄を題材にした映画作品は多々あるので見直すのもいいかも知れません
沖縄の苦悩が全編から伝わる
テレビなどで紹介されていたので早速見ました。太平洋戦争で市民を巻き込んだ唯一の地上戦となり多くの犠牲を払った沖縄の戦後、占領下を返還されるまでを妻夫木、広瀬、窪田を中心にドラマティックに描いた作品でした。なぜ返還後の今でも沖縄の人たちが日本政府に強い要求を突きつけ続けるのか、その根底に凄まじい苦悩を背負い続けている歴史があるからとよく理解できます。そして映画最後の言葉「~生きる」はこの先も戦い続けるという誓いにも似たメッセージと私は受け取りました。
日本の経済繁栄にはアメリカの庇護という名分のもと「占領」「駐留」という犠牲があってこそとも言えます。今までの沖縄を舞台にしたエンタテーメントの中で、大きな資本を入れた映画の中で、これだけアメリカ、日本政府への批判をしたものはないのではないかと思いました。語り継ぐというステージに入った戦後80年の節目だからできたのではないでしょうか。「戦後」についてあらためて考えさせられる作品でした。
全体の長さは少しお尻が痛くなる191分という長大作です。とてもわかりやすく表現してくれいるのでわりと楽に見ることはできますが。構成もわかりやすいです。テレビドラマ的に多くの人に受けるための工夫がなされていると思います。妻夫木、窪田、広瀬、瑛太、中村蒼それぞれが素晴らしい演技で役割を見事に演じ切っていたと思います。
何で叶わないの?私たちは人間なのに…。
今も報道される沖縄の問題は、戦後すぐから変わらず存在し、本土復帰でも解決にはほど遠い今。
劇中で
「何でアメリカがそんなに嫌いなのか!」
と問われてたが、
「戦争したから」
って、ことしか理由はない。
アメリカ人が嫌いなわけではないが、アメリカが許せないのだ。本土もだけど…。
日本だってどこかの国の人からは、そう思われているのだろう。
「人間ならきっと解決できる❗」…。
「人間だから解決できない❗」…。
どっちだろう?、
どちらか、なのかな?
どっちでもないのかな?
希望も絶望も共感できないならどうする?
考えるの面倒?…、じゃあ無視しちゃう?………。
映画としたら
画面、展開、脚本、演技(特に広瀬すず)、大作らしくダイナミックでなかなかのクオリティだと思いました。
史実を知らなかった人は、沖縄の方の背負ってるものをシッカリ受けとめることが出きると思います。
「ん?」って、感じたのはラスト付近の基地内。
大事なとこだけにちょっと残念でした。
あと、これは私が慣れてないせいで、沖縄弁が理解できないとこがたくさんありました。今からでも字幕つけると良いかも。無理か…、
比べたくはないけど、3時間越えの実写邦画となれば、ちょっとかわいそうだか「アチラ」が頭をよぎっちゃった…。
私の都合でスマン。
でも、是非みなさんにも観て欲しい映画でした。
沖縄の空気を出す大変さと重要性The Difficulty and Importance of Conveying the Atmosphere of Okinawa
原作未読、予告編を観て
観てみようと思った。
背景になった
小学校に米軍機が墜落した事や
ゴザでの暴動については、
史実として知っていた程度。
今年(2025年)は、沖縄に関する映画が公開され
【かなさんどー】
【木の上の軍隊】
【風のマジム】
などを観ていた。
この【宝島】は、
これらの下敷きになるみたいな
映画だなと思って観た。
ある意味、戦後から30年経つまでの
市井の人々にとっての沖縄を
全て詰め込んだ印象を受けた。
今に繋がる沖縄を知るなら
観ておいた方がいいと感じた。
ここからは個人的な引っかかったところ。
キャストの演技は良かった。
だが、動きが気になってしまった。
宴会のシーンで
カチャーシーを踊るところで、
ウチナーンチュのはずが、
キャストだけ違和感が出てしまった。
映画の設定上、沖縄生まれ沖縄育ちのはずだから、
カチャーシーは体に染み付いているはずだけれど
周りのリアルなウチナーンチュに囲まれると
リズム感の違いか際立ってしまって、
小っ恥ずかしくなってしまった。
メインキャスト以外でも
沖縄の人とそれ以外の人は
当然混ざっているとは思うけど
動きとテンポ感の違和感はいかんせん拭えず、
それがノイズになって、最後まで取れなかった。
今更だけど
沖縄出身のキャストで固められなかったのかな?
と途中から思ってしまった。
誰も手を抜いていないだけに
そこは残念に思ってしまった。
関西以外の人が
関西弁を駆使するドラマが大変と
よく聞きますが、
それよりも大変なんじゃと
この大作を見て思ってしまった。
I hadn’t read the original novel, but after watching the trailer, I decided to see the film.
As for the historical background—the crash of a U.S. military plane into an elementary school and the Koza riot—I only knew of them superficially as historical facts.
This year (2025), several Okinawa-related films have been released, such as Kanasan-dō, The Army on the Tree, and Kaze no Majimu, all of which I watched.
Against that backdrop, Takarajima felt like a film that could serve as the foundation for those works.
In a sense, it gave me the impression of compressing into one story the lives of ordinary Okinawan people from the postwar years through the thirty years that followed. I felt that if you want to understand Okinawa as it connects to the present, this is a film you should see.
From here on, though, are some personal reservations.
The acting of the cast was good. However, I was distracted by their movements. In the party scene where they danced kachaashii, the actors—though supposed to be Okinawan—stood out awkwardly.
Within the story, they were born and raised in Okinawa, so kachaashii should have been ingrained in their bodies. Yet, when surrounded by real Okinawan locals, the difference in rhythm became obvious, and I couldn’t help but feel a bit embarrassed.
Even beyond the main cast, I assume both Okinawan and non-Okinawan actors were mixed in, but the differences in movement and tempo created a sense of dissonance that never went away, remaining a distraction until the end.
Halfway through, I couldn’t help but wonder: why wasn’t the cast made up entirely of actors from Okinawa?
Because nobody seemed to be cutting corners in their performances, this felt all the more unfortunate.
I’ve often heard that dramas where non-Kansai actors speak in Kansai dialect are difficult—but watching this epic, I couldn’t help but feel that conveying the atmosphere of Okinawa is even harder.
フラストレーションの爆発
原作未読。
今年は終戦80年ということで、多くの反戦映画や戦争絡みの作品が公開されました。私もリバイバル上映、配信等も含め何作か観てきましたが、本作は他の作品には無い魅力とメッセージで溢れていました。
本作も戦後の沖縄の惨状を描くことで反戦的メッセージが込められていたかと思います。しかし、本作の最大の魅力は、沖縄県民の「怒り」であり、現代社会にも通ずる「不屈」の魂の物語であるということ。本作を観た後、自分は何か大事なことを諦めてはいないか?何か行動に移すべきことがあるんじゃないか?と、激しく心を突き動かされました。
俳優陣の演技がとにかく素晴らしく、一人一人のキャラクターに込められた熱意を感じることが出来ました。刑事という立場から見えるグスクのアメリカへの怒り、夢を破壊されたヤマコの無念、不器用な生き方しか出来ないレイの苛立ち、そしてオンの未来を見据えた真っ直ぐな瞳。それらが複雑に絡み合い、怒涛のクライマックスへと雪崩込みます。
このフラストレーションが爆発するクライマックスの凄まじさ。本作エキストラは総勢5000人にもなったそうで、このコザ暴動のシーンではセットも含めかなり大規模な撮影になっており、見応え抜群でした。各々の思いが交錯する中、物語は思いもよらぬ結末へ…。伏線回収には驚かされました。
戦争関連の映画は不謹慎にならないよう、細心の注意が払われるであろうため、エンターテインメントとして撮るのは難しいと思います。しかし、本作においてはエンターテインメントとしても非常に見応えがあり、沖縄で起きたことを知るだけでなく、各キャラクターに感情移入し、胸が熱くなる作品になっていました。
戦後沖縄を物語る意義、物語ることの違和感
まず強く感じたのは、この作品が戦後から沖縄本土復帰までの27年という、あまり共有されていない時間を真正面から描いたことの意義だ。
沖縄戦の悲惨さは、さまざまな映像や物語でかなり共有されていると思う。しかし、その後の復帰までの長い年月、沖縄の人々が米軍統治のもとで、戦後の日本憲法で規定された基本的人権の外に置かれ、無国籍者のように生きざるを得なかった事実は、あまり共有されていないのではないだろうか。
本作はその時代の出来事を史実に基づいて、エンターテイメント作品として描き出した。そこ大きな価値がある作品だと思う。
ただ僕自身はどうしても冷めてしまう部分があった。大きな理由は、この映画のリアリティラインににある気がする。史実をベースにしているから、僕は現実に近い人間の息遣いを期待していた。
ところが実際には、キャラクターとエピソードが象徴的に配置され、役者は物語の段取りどおりに感情を爆発させる。そこに見えるのは現実の人間ではなく、物語の装置としての記号だった。
リアリティラインが僕の期待よりもずっとエンタメ寄りに引かれていた(事実に基づいたエンタメという意味では「Always3丁目の夕日」とか「ゴールデンカムイ」とかに近い)ことが、感情を冷ます原因になったのだと思う。もちろんこれは個人的な勝手な期待とのずれに過ぎないのだけれど。
物語の中心であり、序盤で姿を消し伝説的な人物となるオンを中心に物語が進行する構図は、寓話としては理解できる。
けれど僕には、オンに心を寄せ続ける仲間たちになんとなく納得できなかった。役者の演技も記号的に見えてしまい、広瀬すずや妻夫木聡は「ここで泣く」「ここで叫ぶ」と段取りを踏まされているようで、役者陣が熱演すればするほど、こちらの感情は冷めていった。その中では窪田正孝演じるレイは無表情の抑制が逆に迫力を生んでいて、冷たい怒りを抱え込む姿にだけリアリティを感じた。
終盤のクライマックスでのレイとグスクの対立も同じだ。レイがさまざまに踏みにじられた怒りからテロに傾くのは説得力がある。だが、妻夫木演じるグスクが急に戦後民主主義的な理想を語り出すのは、そこまでの流れから見ても不自然に感じた。物語の段取りとして、論点整理をしているように感じてしまった。
ただし、この映画で描かれた現実の中でも、沖縄の人々がテロに走らず、コザ騒動にとどめたことのほうにこそ、沖縄が誇るべき倫理があるとも感じさせられた。
結局、この映画を観て僕は二重の感情を抱いた。沖縄の戦後を物語として可視化した、という意義を大いに評価したい。
だがもう一方では、象徴的にエンターテイメント作品として描かれたことで、その苦しさのリアリティは消費されてしまったように感じた。
意義と違和感の両方の間で、葛藤しながらの鑑賞となった。
濃厚な3時間
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