宝島のレビュー・感想・評価
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知らなくてはならない現実
沖縄の歴史、日本の歴史として、知らなくてはならない、沖縄の終戦から本土復帰までの道のりを、教えてくれた、絶対に見るべき映画。やはり永山瑛太が出演していた「福田村事件」と同じく目を背けてはいけない現実。
戦果アギヤーの青少年たちの成長と共に語られる沖縄の人々の想いは、その時代を生きていなかったとしても知らなければならない。そして、今も米軍基地を置く土地として、我々は沖縄の犠牲のもとに暮らしていること、それを続けるのかを考え続ける必要がある。
米軍のやりたい放題は当時よりはマシになったかもしれないが今なお続いているし、米国との安全保障条約、集団的自衛権の名の下に我々は兵士として出征するかもしれないことも忘れてはいけない。
理想と言われても武力行使せずに道を見つけようとするのか、テロリストとして力には力で対抗しようとするのか、容易に答えの出ない問いが、妻夫木聡、永山瑛太、窪田正孝という圧倒的存在感のある3人の役者に支えられて、素晴らしい映画になっていた。
ただ、若干冗長な展開もあり、3時間越えにしなくても良かったのでは?とも思ったので、マイナス0.5
原作未読なので、是非読もうと思う。
力作でも映画向けスペックではない
観る価値はあるが…
予想以上にすごく良かった
見に行こうと思いながら口コミや時間などで出遅れたけど、やはり自分で見に行って良かった。
終戦後や本土復帰、暴動など歴史やドラマでしか知らないことが熱気が伝わる大迫力で描かれ、1人のおんちゃんを軸に各登場人物が各々の人生を歩み絡みながら沖縄の歴史を描いていた。もっとこの時代について学びたいと思った。
ただこの映画を見ると当時の人たちが、アメリカ出て行け!という気持ちが痛いほどわかり、暴動などもっともだなとも思ったので、アメリカに対して忖度する人たちは映画を見て欲しくないだろうなとも思った。沖縄にだけ地理的なことがあるとはいえ、人ごとでいいのかとも思いいろいろ考えさせられる映画でした。
ただ沖縄の人の明るさと海の美しさなどが、やけに救いになりました。見るべき良い映画だと思いました。
蹂躙され続けた人達
物語は今後、アメリカに占領され従わされた沖縄で基地から物資を掠め取るグループの登場から始まり、そのリーダーのオンちゃんの消息を探す2人の子分とその彼女の3人の物語です。
今も続く沖縄問題を知る為にも観ておいた方が良い映画でしょう。
戦争時は本土の身代わりに犠牲になり、戦後はアメリカの領土に。
そして日本に返還されても今でも地位協定でアメリカ人を裁けず、アメリカ軍基地の大部分を占める沖縄。
戦争、戦後と本土の代償として蹂躙され続けた沖縄。
今も本土の人と沖縄の人とでは平和の感覚は違います。
多分、アメリカは沖縄を世界戦略のほんの一部としか見ていないでしょう。
トランプ大統領に至っては日米安保条約の経緯すら知らないので、基地の負担の事を言って来るのでしょう。
でも、そこに住んでいる現地人の事をアメリカは考えているとは思えません。
映画自体はそんなにオンちゃんを探すミステリーとしてはそんなにミステリー要素は高くなく、ハラハラドキドキに振り切っている訳でもないので、巨大な製作費からは興行的に成功した方ではないと思いますが、本土の人達と沖縄の人達との平和の温度差を知る為にも観る事をお勧めします。
ドキュメンタリー映画だな
ハゲタカ、白洲次郎、龍馬伝と硬派で映像に迫力があるところが好きだ。
今回は、沖縄の今につながる現実を正面から描いている。私なんかでは理解しようにも仕切れない抑圧されたなかで、人々が懸命に生きている様が迫力の映像とともに伝わってくる。
押し付けられた平和や豊かさなんかクソ喰らえ。貧しくても仲良く助け合って、そして蔑まされないで生活したいとの思いが伝わってくる。
小学校への米軍機墜落事故、祖国復帰運動、コザ暴動など、丁寧に描いている。
ただ、沖縄の思いを余すことなく伝えたいとの思いからか、かなり尺の長い映画になっており、途中でトイレに立つ人、エンドロールが始まるや席を立つ人が多数いた。
内容がある映画だけに、長尺の国宝くらいの反響があってもいいようなものなのだが。
広瀬すずをなめてました
劇場で観れてよかった
公開されてすぐと、しばらくしてからの、二度観ました。平日の午前中もあってか両日とも客入は少なかった。方言など分からない言葉がでてきて、鑑賞後すぐ覚えてる範囲調べました。2度目は内容がわかっているからこそ、開始早々もう感情が揺さぶられました。自分の無知さに改めて気づき、知るきっかけとなり本当に良かった。
沖縄と本土の温度差
ネットニュースなどで、興行収入が…という記事を目にすることがある。
確かに興行収入は厳しそうで、そうなるとこのような大作は、これからなかなか作られることは難しいんじゃないかなぁと思ったりする。
何故このようなことになったのか…あくまで自分の主観ですが、映画にもあったように沖縄と本土との温度差にあると思います。
私は、沖縄に行ったことがなく、どこかハワイのようなリゾート地という感覚があるので、要は敷居が高いし、遠いところと思ってしまう。
ただ、本当に知らなかった。沖縄の方々がこんな苦労を強いられて、厳しい環境にありながら、心を一つにして強敵と闘ってきたことを…。本土の人間は、そのことを知らなすぎるかもしれない。
一つ残念なことは、もう少し深掘りして、人物の細やかな人物描写が欲しかったなと、折角3時間もあるので、そうするともっと感情移入できたかなと思います。
ですが、沖縄の人々や先人達の苦労を知ってもらえる映画を制作された功績は大きい。
個人的に、窪田正孝さん素晴らしかった。
宝であるべき命
野心作!
当時の沖縄を熱く描いた力作
個人的に沖縄が好きでよく行く。
光と影の濃さの半端ない場所である。
そして「南の熱い風」が吹く。
まさにタイフーンの国であり、何もかもが濃密に凝縮され、混ざり合った複雑な、そして猛烈な熱気の中にある。ブワァっと体を吹き付け、圧倒的熱気をぶつけてくる空気が充満し、循環し、炸裂している。
今のコザや国際通りなどを歩いてさえも、そうなのだ。ましてや映画の描かれた、戦後のアメリカ支配下の混乱時代は、その何倍も凄まじかっただろう。
アジアの熱い風が吹きまくっていたはずだ。それは逞しく、激しく、苦しみと抑圧を押し付け続けられているからこそ、その濃い影の分だけ強い。
この映画には、もちろん私はその時代に生まれていないが、その「風」があったのではないだろうか。その混沌、圧倒的なコントラストの光と影が。
それがあるだけである意味「十分観せた」と私には言えた。
主要人物は基本的に、ウチナーヤマトグチ(標準語風の沖縄弁)でしゃべる。シマクトゥバ(沖縄弁)でしゃべられたら、全編にびっしり字幕が必要だろう。時代を考えれば本来はそうであったかもしれないが、それでは映画が成り立たないので、「当時の雰囲気を保ちつつ、観客にわかるであろうギリギリ」を攻めたのだ。コレが見事な塩梅であった。だから、あまり詳しく聞き取らなくても本編に影響のなさそうな、端役の人物たちの言葉は、島言葉だったり、かなり聞き取りづらい訛りのきつい沖縄弁だ。
神経質な人は気になるかもしれないが、沖縄弁が分からないセリフは分からなくて良いところだと思うので、「タイムスリップで当時の沖縄にいるつもり」になってスルーして構わないと思う。
話の主要な柱を支える「オンちゃん」がとても魅力的でかっこよく、他の登場人物がずっと影響を受け続けるのがわかる。魅力がうまく描けている。
主人公もいい。妻夫木聡は素晴らしい仕事をした。「生きているよう」に演じている。本当にいたとしか思えないほど、感情の輪郭がリアルだ。
弟もいい。細かいが、中盤の襲撃シーンで、襲撃者たちが沖縄空手の構えをしているのもいい。
外の人間が言うのもなんだが、沖縄の歴史は困難極まる。薩摩藩の支配下では、村内で人減らしをしないといけないほどのすさまじい税金をかけられ、二次大戦時の沖縄戦では、映画にもあるように県民の四人に一人が殺されたとも言われる。米兵だけでなく日本兵も彼らを殺し、いいように使い、犠牲にした。
慶良間など、島の地形が変わるほど砲撃され、ある計算では県民一人当たり60発もの銃弾が撃ち込まれた。つまり赤ちゃんにもおばあちゃんにも、関係なく30発も60発も撃ち込まれた。
島の地形が変わる砲撃など、漫画「ONE PIECE」に出てくる「バスターコール」のようなものを現実にやったということだ。島ごと殺し尽くされたのだ。
その後は統治の犠牲になり、米兵犯罪と飛行機墜落事故にさらされ続け、事故にあっても補償もされず、犯人も隠ぺいされ……。
そりゃあ「なんくるならんどォ!!」(平気なわけねえだろ)だ。
あの叫び声を主人公から聞きたくてこの映画を見た。
いまでも問題は続いている。いまでも米車両に事故されたら、基地に逃げ込まれたら勝ち目はないので米車両に神経質になっていると、沖縄のタクシー運転手は話した。
基地問題の早い解決を祈る。
面白い、おすすめです。
「国宝」のロングランに割を食ってしまったが、3時間を超す大作である。星4としたのはさすがに3時間は長いよ、終盤のエピソードで20〜30分くらい詰められたのではないか。でもこの作品はきちんと評価されて然るべき作品だと思う。戦中から現在に至るまで、どれだけ理不尽な事が続いてきたことか。終盤のコザ暴動のシーンでは、人々の溜まりに溜まった怒りが爆発する。そりゃそうだよな。それを主人公の妻夫木も役柄の刑事であるにも関わらず抑えきれない気持ちを周りの暴徒と共有してゆく。いろいろと考えさせらる作品はだった。
でもまあ見せたいエピソードはたくさんあると思うけど、もう少し絞り込んだ方が良かったな。それにしても共演の広瀬すずは見直したよ。芝居下手と言われていたけど、そんなこと無い熱演していた。それにこんなに美人だったかなぁ、と改めて容姿の美しさに納得。
<オマケ>
「国宝」も3時間を超す長尺だけど、もう一度どちらを観たいかと尋ねられたら「宝島」だね。
沖縄弁にテロップ入れて下さい。
制作費25億。
上映時間3時間11分。
なのに、あまり評判良ろしくないので
観て来ました。
物凄い超大作だし
役者陣の上手さは観る価値あるのだが…
当時の沖縄の辛さを共有するつもりだったが、
物語が私的には、
“何も共感出来ない執着心を3時間11分”
オンちゃんの名前と思い出と
薄い情報の有無だけで
あそこまで引っ張る執着心が
ついては行けなかったです。
ラストも????だったし。
なので、
異国で何かが起きてます〜くらいな感覚。
そして今、外国人受け入れ反対!
なんていう時期なのもあり
日本人もやべーことやってるよなって
気になって心が沈んだりもしました。
あと大切なところで沖縄弁がわからん!って
シーンが多かったですね。
これは厳しかった…。
大好きな監督なだけに…って感じでした。
観られてないのが、もったいない!!
映画のタイトルが悪いのでしょうか?興行収入ランキングが、初登場7位?!でしかなく、すでに、トップ10圏外になっています。2025年、今年、この時期、話題作・良作が大豊作で、埋もれてしまっているのでは?!という懸念もありますが、トップ10圏外というのは、寂しすぎます!!
映画を観た感想は、トータルで
「色々と、もどかしい映画!!」です。
そういう意味では、100%おすすめ出来るわけではないのですが、たくさんの人に観てもらいたい映画です。
この点も「もどかしい」わけです。
しかし、「もどかしさ」が作品の味わい深さでもあります。
もどかしい=苦しい、悲しい、もやもやする、とネガティブな感情なのですが、
映画が求めている、
「たぎる」という感情と、
ないまぜとなり、
「おもしろい」「力作」「勉強になる」「沖縄のことを知ることが出来る」「戦意が高まる」「沖縄は美しい」「沖縄と本土はこんなに違う」「それでも、沖縄と本土は一体として日本」「日本とアメリカの関係がわかる」「歴史がわかる」「広瀬すずがかわいい」「俳優陣の演技が素晴らしい」「映画の舞台の時代の車両等がかっこいい」
等々のポジティブな感情のスパイスになっているとも言えそうです。
う〜ん、もどかしい!!
だから、だけど、
観てほしい!!
そして、語り合いたいです。
駄作
25億円(ブロックチェーン資金含む)話題の「宝島」は駄作。3時間11分の長尺を大友啓史監督が支えきれず、力量不足が露呈。沖縄訛りはリアルだが聞き取れず、字幕なしで観客を突き放す。戦利品を配るシーンや銃撃がなかなか当たらない展開は、チープでハリウッドの二番煎じ。沖縄問題も、コザ暴動や米兵の理不尽をステレオタイプに描き、胡散臭い。妻夫木聡、広瀬すずら豪華キャストも、浅い脚本で埋没。沖縄の戦後史を全く知らない人には新鮮かもしれないが、砂浜で歌って踊る冗長で類型的な描写にうんざり。巨額予算とスターを揃えたのに陳腐な仕上がりに失望。観客動員数が2週目から大幅にダウンしたのは当然。
フィクションか、ノンフィクションか。
今まで戦後史といえば、焼け野原からの復興や、東京オリンピック、大阪万博といった輝かしい歴史の数々に光が当てられてきた。しかし、この映画は同時期の沖縄県を舞台にしている。沖縄の歴史といえば、戦時中の投降拒否による身投げや、白百合学徒といった非常に悲惨な記録を目にすることはあるが、戦争が終わってからの記録を目にする機会はなかなかない。そんな未知の戦後沖縄を知るための第一歩として、この映画を観る価値がある。観なければならない。この映画はノンフィクションではない。かと言ってフィクションとも言い切れない。映画の中で描かれた数々の事件や事故は実際に当時の沖縄で起きたことである。映画の中で描かれた様々な人々は、確かに登場人物としてはフィクションかもしれないが、間違いなく、当時こういった人々はそこに生きていた。このような歴史を我々は直視しなければならない。また、そこに至った沖縄の歴史を直視しなければならない。
沖縄県はかつて「琉球王国」と呼ばれる独立した国で、中国や日本、東南アジアと貿易をすることで繁栄を遂げた。しかし1609年に薩摩藩が攻め、支配されるようになった。表向きは琉球王国として残されたが、実際には日本の管理下に置かれた。そして明治時代になると、日本政府は国を一つにまとめるために、1879年に琉球王国を正式に廃止して「沖縄県」とした。その後日本は清や朝鮮を攻め、支配することで欧米列強と肩を並べる。しかし太平洋戦争で1945年に日本は連合国軍に降伏し終戦。終戦から7年後の1952年に主権を回復した。沖縄が本土復帰を果たしたのは終戦から27年後の1972年。
では、沖縄にとって最も幸せな道はどのような道だったのか。沖縄は日本に振り回されたといっても過言ではない。しかし日本が支配しなければ他の国や欧米列強に支配されていた。確かに日本は他国を攻め、支配してきた。今の感覚で考えれば到底許されるものではない。しかし歴史を考える上で、当時の情勢と常識を加味することを忘れてはならない。もし仮に、日本がどこの国も支配せずにお山の大将だったとしたら、アジア全体が欧米列強に支配されることは免れなかっただろう。支配せざるを得なかったのだろう。では戦中、戦後の沖縄はどうだろうか。前述したように戦中の沖縄は「捨て石」と呼ばれ、悲惨という言葉で言い表せないほどに悲惨なものだった。戦後もアメリカ軍が今現在に至るまで常に駐留しており、他の都道府県と比べても間違いなく負担が大きい。
ここまで沖縄を中心とした歴史について書いたが、話を映画に戻す。この映画には、戦後の沖縄がどう復興し、発展していったのか。なぜ本土復帰を目指し、米軍を沖縄から追い出そうとしていたのか。ということがよく描かれている。実はこの文章には矛盾がある。この矛盾が、この映画を観たことによって私が「幸せ」について考えるきっかけとなった。
戦後の沖縄、否、日本が復興を遂げられたのには間違いなくアメリカ政府や米軍が深く関わっている。これが復興することができた理由の一つだ。そして沖縄には米軍が駐留し、街に出ていた。これが発展した理由の一つだ。ではなぜ、本土復帰を目指したのか。米軍を沖縄から追い出そうとしたのか。それは米軍や米兵による数々の事件、事故が原因となっている。この映画には、その時代に沖縄で生きていた多種多様な人々の生活が鮮明に描かれている。そこには、米兵に体を売ってお金を稼いで良い思いをしていた人。米兵に酷いことをされて殺されてしまった人。米軍や米兵の事故で死んでしまった人。そして、それらの事件を捜査するも、MPに介入され逮捕できずにいる警察やそれに不満を持つ人々。人の数だけ考えや思想がある。この「人」の単位で幸せについて考えるまた見え方が大きく変化する。では結局、人の幸せとはなんなのか。それは、「今、そこに生きている人が幸せかどうか」が最も大切なことである。確かに戦争からの復興、経済発展を遂げられたのはアメリカ政府や米軍のおかげだったかもしれないが、そのせいで自分たちの暮らしが脅かされては元も子もない。国単位で見るか、人単位で見るかということである。私が矛盾に感じていた理由がそれである。国の視点と人の視点を持ち合わせていなかった私に、新たな視点をもたらしてくれた。そして何より、沖縄が大変な思いをして1番良い思いをするのは米軍ではなく日本本土である。そのことを、決して忘れてはならない。
エンドロールで、実際に撮られた、当時の沖縄の写真が流れる。果たして、フィクションなのか。ノンフィクションなのか。
全623件中、81~100件目を表示
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