宝島のレビュー・感想・評価
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舞台挨拶付先行上映会にて
事前知識無しで行った上映会、3時間上映とも知らず。
戦後とはいえアメリカ統治下の沖縄、もちろん沖縄戦やヒメユリの塔のことは知ってましたが、戦後になっても虐げられ理不尽な扱いを強いられてきた沖縄。知らなかった沖縄を知って胸が痛くなりました。
さて映画は、方言が多く映像や顔も暗く対立構図も分かりにくい、感はありますが、とても見応えのある内容でした。同じ3時間なら私はこちらが観てよかった、と思いました。映像美はあちらが上ですが…
今なお残る米軍基地、米兵による事件・事故。日本に帰属してもなお残る現実を忘れてはいけない、と思いました。
舞台挨拶付き先行上映in新潟にて鑑賞
5では収まらない
平和を考えさせる重厚なテーマと熱い青春群像劇!
宝島は戦後の沖縄を命懸けで駆け抜けた若者達の群像劇
私は主演の妻夫木聡さんと同じ1980年生まれ。
私達が幼少期を過ごした昭和は、現代より荒っぽくガサツで、社会として未成熟な部分があったのも事実でしたが、世知辛くなく義理人情にあふれた時代でもあり、毎日を平和に楽しく笑って生きて来れました。
そんな私達が生まれるほんの数年前の昭和は、こんなにも貧しく、殺伐で混沌としていて暴力的で、日々を生きていくために、平等に扱ってもらうために、平和を勝ち取るために、先人達がどれほど痛み苦しみ葛藤し、理不尽や屈辱に耐え続けていたかに衝撃を受け、怒りと悲しみが込み上げると同時に、現代の平和を築いてくださったことへの感謝の気持ちに改めて気づかせてくれました。
沖縄戦
米軍統治
戦果アギヤー
コザ騒動
これまでの人生で自分が知らなかった沖縄の過去に目を向けることで、未だ世界からは戦争や紛争が無くならない戦後80年のこの節目に、平和の大切さを改めて気づかせてくれる、今観るべき素晴らしい映画だと思いました。
重厚なテーマながら、映画というエンターテイメントに昇華させ、妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さん、永山瑛太さんらの迫真の演技が織り成す青春群像劇としての側面や、単純な勧善懲悪ではない各々の使命感・寛容さ・傲慢さが複雑に入り交じり観る人に考えさせる側面も非常に素晴らしかったです。
また、当時を精巧に再現された映像は、単純に幼い頃を過ごした昭和を思い出しノスタルジックな気分に浸ることができる映画でもありました。
超没入感と登場人物の台詞に気持ちが揺れる超大作!
どの映画でも必ず腕時計を観る私が191分中一回も時間を確かめることがなかった初めての映画です。
沖縄大好きで沖縄病を自らを呼んで、歴史もたくさん勉強したつもりでした。
でも、今更ながら復帰前のことは何も知らなかった事実に気が付き、愕然としました。
知っているつもりで全く知らなかった沖縄の苦難とその中で強く生きる人々の姿に深く感動しました。
当時を忠実に再現した情景、米兵に何をされても無罪になってしまう理不尽さの中で、人々を助けるために危険を冒して自ら基地内に入り食料や薬を盗んで、沖縄の人々に配っていた4人の戦果アギャー。
その中でリーダー的だったオンが行方不明になるところからスタートしましたが、ストーリー展開が早く、そしていろいろな場面で登場する一人一人の台詞に大きく心を揺り動かされ、まるで自分の目の前で全てが起こっているような感覚に陥りました。
しかしながら、助けてくれる米兵の存在も強く出され、決して反米映画にはなっておらず、今もなお繰り返されるどこかの国に支配される人々の現状を考えさせられる映画となっていた点も良かったと思いました。
最後の方にある夜中から始まり、朝に自然に終わり、誰一人死者が出なかったというコザ騒動のシーンはハリウッド映画を越えるようなシーンが繰り広げられて本当に凄いです。
ラストは衝撃的でしたが、どんなことがあっても今を大事に生きていく大切さを感じました。
映画を観た後は誰かと「良い映画だったね!」と話すのではなく、その気持ちを大事に持ち帰りたいと思いました。
そしてこの映画から受けたものをもっと人に知らせたいと感じました。
今回は先行上映でしたが、映画が公開されたらまた観に行きます。
何回も何回もじっくり観たい大好きな映画になりました。
本土の高度成長時代に、米国占領下の沖縄ではこんなことがあったとは…
映画『宝島』が教えてくれた沖縄
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