宝島のレビュー・感想・評価
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「ナンクルない」では終われない―突きつけられる沖縄の現実
映画「宝島」は、真藤順丈の小説『宝島』を原作としています。この小説は第160回直木賞を受賞しており、沖縄戦後の混沌とした時代を背景に、若者たちの成長と葛藤を描いています。
1952年、米軍統治下の沖縄。物資を奪って困窮する住民に分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいました。グスク、ヤマコ、レイの幼なじみ3人は、英雄的存在のリーダー・オンと共に活動していましたが、ある夜の襲撃でオンが“予定外の戦果”を手に入れたまま消息を絶ちます。残された3人は、それぞれの道を歩みながら、オンの行方を追うことになります。
当初は沖縄本土復帰50周年の公開を目指していましたが、コロナ禍による二度の延期を経て、6年がかりでようやく完成しました。総制作費は25億円に膨れ上がったそうです。大友啓史監督ならではの映像美は見どころで、米軍統治下の沖縄の空気をリアルに感じることができます。
上映時間は191分。3時間を超えますが、不思議と冗長さはなく、むしろ物語を描き切るために必要な尺だと感じました。
今をときめく日本映画界の豪華キャストも圧巻です。窪田正孝さんの放つ狂気には目が離せません。ヒロインの広瀬すずさんは、正義感と澄んだ瞳で観客を惹き込み、息をのませます。主演の妻夫木聡さんは、クライマックスでの叫びや、緊迫感あふれるレイとのやりとりに胸を打たれます。そして永山瑛太さんの存在感も忘れてはいけません。誰もが熱演し、作品全体に重厚さを与えていました。
映画「宝島」で描かれているのは、遠い過去の話ではありません。ほんの半世紀前、この国のすぐ隣の小さな島で起きていた現実です。戦後、日本(本土)は東京オリンピック(1964年)や日本万国博覧会(1970年)など高度経済成長に沸きましたが、その陰で沖縄が辿った苦難の歴史をここまで詳しく描いた作品は、これまでになかったかもしれません。
「知らないことは罪深い」
映画を観終えたあと、そう感じる人は多いでしょう。
私もその一人です。知っているつもりで実は知らなかった大切な事実を突きつけられ、胸の奥がざわつきました。それは、語りたかったけれど語れなかった沖縄の人々の心の声を、少しだけ代弁しているように感じられます。熱く、鋭く、ときに優しく、ときに苦しく――その声は私たちの胸に突き刺さります。
そして、その苦悩は「現在」にもなお続いています。歴史の「声なき声」に耳を澄ませるよう、映画は静かに問いかけてくれます。
私たちが知る沖縄は、多くの場合「観光地としての沖縄」です。ソーキそばやゴーヤチャンプルといった食文化、年中温暖な気候、「ナンクルナイサ〜」と踊り明かす陽気な県民性。どこか気ままで陽気な人たちだと、勝手に思い込んでいました。
作中でもその陽気さは描かれています。戦禍の中でも踊りをやめない人々。独特の沖縄弁は、最初は耳に馴染みにくいですが、30分もすると自然と心地よく響きます。長尺だからこそ、この言葉のリズムや響きが当時の世界観を体現する大事な演出になっていました。
観終えて感じる県民性は、観る前より少し哀愁を帯びて映ります。
クライマックスでグスクが叫んだ言葉がすべてを物語っています。
「なんくるないで済むか!!」
「ナンクルならんぞーーー!」
怒りや葛藤を抱えながらも、それでも米国と共存し、生き抜くしかなかった当時の沖縄。そのやるせなさを、この「ナンクルナイサ(なんとかなるさ)」という言葉は含んでいるように思えました。
時は2025年、大阪万国博覧会。
日本は平和に見えますが、平和ボケしている暇はありません。米軍基地の割合は本土返還当時より増えており、日本や東南アジアの防衛のため、沖縄の米軍基地が抑止力として不可欠になっている現実からも目を背けてはいけません。沖縄だけを国際政治の犠牲者にしてはいけないと強く思います。
戦争を知らない若い世代にこそ、ぜひ観てほしい作品です。歴史を知るための重要な映画であり、未来に向けた沖縄からのメッセージでもあります。
自分の目で確かめてほしい作品
2度の延期を乗り越え、6年かけて作り上げた作品からは、何としてでもこの歴史を、メッセージを、現代の私たちに伝えたいという想いで溢れていて、何度も心が熱い想いでたぎった。
確かに3時間は長いと感じる人もいると思う。
歴史物は難しく、時代背景的にも重い内容だから腰が重い人もいると思う。
沖縄の方言がきつくてわかりづらいというレビューもわかる。
けれど、見ないで判断しないでほしい。
見て、知って、感じる想いは100人いれば100通りある。この作品は届けたい想いで溢れているから、それを自分の目と耳と心で受け取った上で判断してほしい。
私は本当に見て良かった。
同じ3時間作品の「国宝」「鬼滅」と比べたら、個人的には圧倒的に最後まで没入して見ることができた3時間11分だった。あっという間だった。
私はこれまでたくさんの戦争を題材にした作品を見てきたけれど、戦後のアメリカ統治下だった沖縄をここまで描いた作品は見たことがない。
だからこそ初めて知ることも多かった。
思えば沖縄は唯一日本で地上戦が行われ、4人に1人が亡くなるという悲劇に見舞われた土地だ。
それなのに、戦後も沖縄だけがこんなにも理不尽な悔しさに耐え続けていた。同じ日本なのに。
特に今回描かれた本土復帰前の沖縄は、ずっと怒りと悔しさとやり場のない思いで渦巻いている。
そんなぐつぐつと煮えたぎる思いが、クライマックスのコザ暴動で爆発する瞬間は圧巻だった。あのシーンは本当に自然と涙が出たし、その後の妻夫木くん演じるグスクと、窪田くん演じるレイの対話は、現代に生きる私たちへのメッセージに思えて胸に響いた。
綺麗事でもいい。私も信じたい。諦めたくない。
暴力に支配される生き物ではなく、トモダチを信じられる人間でいたいと思った。
今の私に何ができるのか。
このたぎる想いを未来に繋げていきたいと思った。
是非多くの方に映画館でこの作品のもつパワーを感じてほしい。
たぎれ、日本!!
沖縄の”感情”に触れる機会をもたらす人間ドラマの力作
戦後沖縄をこれほど一連の感情として見つめた経験はかつてなかった。その意味でこの物語は我々に191分の爆発的な感情体験をもたらしてくれる。私が何より唸ったのは、妻夫木演じる役柄を主役に据えているところ。人間的なスケールで言うと英雄オンちゃんに誰も敵わない。が、本作では彼の失踪によって梯子が外され、行き先や目標をなくした妻夫木はじめ3人こそが舵を握るのだ。実際のところ、戦後沖縄の右も左も分からない状況で悩み、生き抜き、世の中の底力となり得たのは彼らのような人たちだったのかも。傷だらけで葛藤しながらも希望だけは失わない。そんな彼らは、オン以上に共感すべき等身大の「思いをつなぐ」人たちだ。ハードボイルド的なディテクティヴストーリーの体を取りつつ、過去から未来へと貫く躍動と祈りすら感じさせる本作。実際の歴史写真に彩られたエンドクレジットに至るまで、歴史のダイナミズムと次世代への想いが詰まった力作だ。
堂々たる大作
堂々たる大作だった。コザ暴動に至るまでの、沖縄県民たちの怒りのフッテージが高まる必然性が克明に描かれていた。アメリカにも日本の本土にも苦しめられてきた沖縄の歴史、その中で翻弄された人々の生き様が色濃く刻印された作品だった。こういう骨太の社会をえぐるエンターテインメント作品が日本で出てきたことは素晴らしいことだと思う。
本土復帰前の沖縄を再現するためには、25億円かけるのは必然だっただろう。ここが安っぽかったり嘘くさかったりすると、本気度も伝わらないし、沖縄の人々の怒りも薄まってしまっただろうなと思う。
役者陣も本当にいい仕事をしたと思う。沖縄出身の俳優をもっと主要キャストに入れることはできなかったかとか、色々と思うところはあるのだけど、妻夫木聡をはじめ、出演した役者はみないい表情をしていた。特に個人的には窪田正孝の「野良犬」感がすごく良かった。危険な匂いをプンプンさせているんだけど、放ってはおけない感じ。
広瀬すずは、『遠い山なみの光』と本作で子どもを守れなかった小学生の教師の役を演じている。奇妙な接点を持った2作が9月に相次いで公開されているので、合わせて見るといいかも。
沖縄の、日本の未来のために観られるべき超重要作
長く待ち望んでいた、日本現代史における大事件を題材とする社会派の劇映画がようやく登場した。同ジャンルの製作は韓国がここ10年ほど活発で、本邦で公開されるたび「日本はずいぶん遅れをとってしまった」と嘆いていたが、この「宝島」が流れを変えてくれたらと願う。
第二次世界大戦で連合国側に敗戦した日本は1952年発効のサンフランシスコ平和条約で主権を取り戻すも、沖縄県だけは米国の統治下に置かれた。米軍基地から市街に繰り出す米兵らによる若い女性への殺人や暴行などが頻発し、軍用機が墜落事故を起こして大勢が犠牲になるなど理不尽な出来事から県民らの不満が爆発して、1970年のコザ暴動が起きた――という大まかな流れを知ってはいた。それでも、真藤順丈の直木賞受賞作を大友啓史監督が映画化した「宝島」を観ながら、自分が知ったつもりになっていたのはごくうわべだけで、沖縄であの時代を生きた人々の苦しみ、悲しみ、怒りといった感情の部分にまでは思いが至っていなかったことを痛感していた。
ストーリーは「戦果アギヤー」と呼ばれた若者たちを中心に進む。ある夜の襲撃でリーダー格のオン(永山瑛太)が失踪し、時を経てグスク(妻夫木聡)は刑事に、ヤマコ(広瀬すず)は教師に、レイ(窪田正孝)はヤクザになる。オンの不在を内に抱えつつ、60年代の沖縄の現実を生きる3人。だが、度重なる米兵らの犯罪行為に住民たちの怒りがついに爆発し、1970年12月20日未明に米兵と軍属車両を襲撃する暴動が起きる。
観客も主要登場人物らに没入し、占領下の沖縄での出来事を追体験することになる。それによって、うわべの知識にとどまっていた沖縄の人々について、より自分に近づけて感じることができる。個人の自由について、国が独立することについて、より深く考えるきっかけを得られる。「宝島」にみなぎる演者と作り手の熱量が観る者にも伝わるからこそ、それが可能になる。
レビューの冒頭で現代史をベースにした社会派劇映画のジャンルで日本は韓国に遅れていると書いたが、この手の邦画がまったく作られなかったわけではもちろんない。ただ、国家権力、政治家、官僚や大企業などに関わる事件や不祥事を真正面から取り上げ、批判すべきことはしっかり批判して描く作品は、邦画界では避けられがちだ。これは単に作り手側だけの問題ではなく、観客側にもこのタイプの作品を積極的に求めないというマイナス要因があるように思う。一方の韓国では、こうしたジャンルの映画が観客に支持され大ヒットし、それが次の製作を後押しする好循環が続いているようだ。
現代史の不都合な真実、暗い部分に光を当て、きちんと向き合うことは、明日を、未来をより良く変えることにつながる。優れた劇映画にはそれを促す力があると信じるし、「宝島」に続く力作が今後増えることを切に願う。
観る価値はあるが…
予想以上にすごく良かった
見に行こうと思いながら口コミや時間などで出遅れたけど、やはり自分で見に行って良かった。
終戦後や本土復帰、暴動など歴史やドラマでしか知らないことが熱気が伝わる大迫力で描かれ、1人のおんちゃんを軸に各登場人物が各々の人生を歩み絡みながら沖縄の歴史を描いていた。もっとこの時代について学びたいと思った。
ただこの映画を見ると当時の人たちが、アメリカ出て行け!という気持ちが痛いほどわかり、暴動などもっともだなとも思ったので、アメリカに対して忖度する人たちは映画を見て欲しくないだろうなとも思った。沖縄にだけ地理的なことがあるとはいえ、人ごとでいいのかとも思いいろいろ考えさせられる映画でした。
ただ沖縄の人の明るさと海の美しさなどが、やけに救いになりました。見るべき良い映画だと思いました。
蹂躙され続けた人達
物語は今後、アメリカに占領され従わされた沖縄で基地から物資を掠め取るグループの登場から始まり、そのリーダーのオンちゃんの消息を探す2人の子分とその彼女の3人の物語です。
今も続く沖縄問題を知る為にも観ておいた方が良い映画でしょう。
戦争時は本土の身代わりに犠牲になり、戦後はアメリカの領土に。
そして日本に返還されても今でも地位協定でアメリカ人を裁けず、アメリカ軍基地の大部分を占める沖縄。
戦争、戦後と本土の代償として蹂躙され続けた沖縄。
今も本土の人と沖縄の人とでは平和の感覚は違います。
多分、アメリカは沖縄を世界戦略のほんの一部としか見ていないでしょう。
トランプ大統領に至っては日米安保条約の経緯すら知らないので、基地の負担の事を言って来るのでしょう。
でも、そこに住んでいる現地人の事をアメリカは考えているとは思えません。
映画自体はそんなにオンちゃんを探すミステリーとしてはそんなにミステリー要素は高くなく、ハラハラドキドキに振り切っている訳でもないので、巨大な製作費からは興行的に成功した方ではないと思いますが、本土の人達と沖縄の人達との平和の温度差を知る為にも観る事をお勧めします。
ドキュメンタリー映画だな
ハゲタカ、白洲次郎、龍馬伝と硬派で映像に迫力があるところが好きだ。
今回は、沖縄の今につながる現実を正面から描いている。私なんかでは理解しようにも仕切れない抑圧されたなかで、人々が懸命に生きている様が迫力の映像とともに伝わってくる。
押し付けられた平和や豊かさなんかクソ喰らえ。貧しくても仲良く助け合って、そして蔑まされないで生活したいとの思いが伝わってくる。
小学校への米軍機墜落事故、祖国復帰運動、コザ暴動など、丁寧に描いている。
ただ、沖縄の思いを余すことなく伝えたいとの思いからか、かなり尺の長い映画になっており、途中でトイレに立つ人、エンドロールが始まるや席を立つ人が多数いた。
内容がある映画だけに、長尺の国宝くらいの反響があってもいいようなものなのだが。
広瀬すずをなめてました
劇場で観れてよかった
公開されてすぐと、しばらくしてからの、二度観ました。平日の午前中もあってか両日とも客入は少なかった。方言など分からない言葉がでてきて、鑑賞後すぐ覚えてる範囲調べました。2度目は内容がわかっているからこそ、開始早々もう感情が揺さぶられました。自分の無知さに改めて気づき、知るきっかけとなり本当に良かった。
沖縄と本土の温度差
ネットニュースなどで、興行収入が…という記事を目にすることがある。
確かに興行収入は厳しそうで、そうなるとこのような大作は、これからなかなか作られることは難しいんじゃないかなぁと思ったりする。
何故このようなことになったのか…あくまで自分の主観ですが、映画にもあったように沖縄と本土との温度差にあると思います。
私は、沖縄に行ったことがなく、どこかハワイのようなリゾート地という感覚があるので、要は敷居が高いし、遠いところと思ってしまう。
ただ、本当に知らなかった。沖縄の方々がこんな苦労を強いられて、厳しい環境にありながら、心を一つにして強敵と闘ってきたことを…。本土の人間は、そのことを知らなすぎるかもしれない。
一つ残念なことは、もう少し深掘りして、人物の細やかな人物描写が欲しかったなと、折角3時間もあるので、そうするともっと感情移入できたかなと思います。
ですが、沖縄の人々や先人達の苦労を知ってもらえる映画を制作された功績は大きい。
個人的に、窪田正孝さん素晴らしかった。
宝であるべき命
野心作!
当時の沖縄を熱く描いた力作
個人的に沖縄が好きでよく行く。
光と影の濃さの半端ない場所である。
そして「南の熱い風」が吹く。
まさにタイフーンの国であり、何もかもが濃密に凝縮され、混ざり合った複雑な、そして猛烈な熱気の中にある。ブワァっと体を吹き付け、圧倒的熱気をぶつけてくる空気が充満し、循環し、炸裂している。
今のコザや国際通りなどを歩いてさえも、そうなのだ。ましてや映画の描かれた、戦後のアメリカ支配下の混乱時代は、その何倍も凄まじかっただろう。
アジアの熱い風が吹きまくっていたはずだ。それは逞しく、激しく、苦しみと抑圧を押し付け続けられているからこそ、その濃い影の分だけ強い。
この映画には、もちろん私はその時代に生まれていないが、その「風」があったのではないだろうか。その混沌、圧倒的なコントラストの光と影が。
それがあるだけである意味「十分観せた」と私には言えた。
主要人物は基本的に、ウチナーヤマトグチ(標準語風の沖縄弁)でしゃべる。シマクトゥバ(沖縄弁)でしゃべられたら、全編にびっしり字幕が必要だろう。時代を考えれば本来はそうであったかもしれないが、それでは映画が成り立たないので、「当時の雰囲気を保ちつつ、観客にわかるであろうギリギリ」を攻めたのだ。コレが見事な塩梅であった。だから、あまり詳しく聞き取らなくても本編に影響のなさそうな、端役の人物たちの言葉は、島言葉だったり、かなり聞き取りづらい訛りのきつい沖縄弁だ。
神経質な人は気になるかもしれないが、沖縄弁が分からないセリフは分からなくて良いところだと思うので、「タイムスリップで当時の沖縄にいるつもり」になってスルーして構わないと思う。
話の主要な柱を支える「オンちゃん」がとても魅力的でかっこよく、他の登場人物がずっと影響を受け続けるのがわかる。魅力がうまく描けている。
主人公もいい。妻夫木聡は素晴らしい仕事をした。「生きているよう」に演じている。本当にいたとしか思えないほど、感情の輪郭がリアルだ。
弟もいい。細かいが、中盤の襲撃シーンで、襲撃者たちが沖縄空手の構えをしているのもいい。
外の人間が言うのもなんだが、沖縄の歴史は困難極まる。薩摩藩の支配下では、村内で人減らしをしないといけないほどのすさまじい税金をかけられ、二次大戦時の沖縄戦では、映画にもあるように県民の四人に一人が殺されたとも言われる。米兵だけでなく日本兵も彼らを殺し、いいように使い、犠牲にした。
慶良間など、島の地形が変わるほど砲撃され、ある計算では県民一人当たり60発もの銃弾が撃ち込まれた。つまり赤ちゃんにもおばあちゃんにも、関係なく30発も60発も撃ち込まれた。
島の地形が変わる砲撃など、漫画「ONE PIECE」に出てくる「バスターコール」のようなものを現実にやったということだ。島ごと殺し尽くされたのだ。
その後は統治の犠牲になり、米兵犯罪と飛行機墜落事故にさらされ続け、事故にあっても補償もされず、犯人も隠ぺいされ……。
そりゃあ「なんくるならんどォ!!」(平気なわけねえだろ)だ。
あの叫び声を主人公から聞きたくてこの映画を見た。
いまでも問題は続いている。いまでも米車両に事故されたら、基地に逃げ込まれたら勝ち目はないので米車両に神経質になっていると、沖縄のタクシー運転手は話した。
基地問題の早い解決を祈る。
面白い、おすすめです。
「国宝」のロングランに割を食ってしまったが、3時間を超す大作である。星4としたのはさすがに3時間は長いよ、終盤のエピソードで20〜30分くらい詰められたのではないか。でもこの作品はきちんと評価されて然るべき作品だと思う。戦中から現在に至るまで、どれだけ理不尽な事が続いてきたことか。終盤のコザ暴動のシーンでは、人々の溜まりに溜まった怒りが爆発する。そりゃそうだよな。それを主人公の妻夫木も役柄の刑事であるにも関わらず抑えきれない気持ちを周りの暴徒と共有してゆく。いろいろと考えさせらる作品はだった。
でもまあ見せたいエピソードはたくさんあると思うけど、もう少し絞り込んだ方が良かったな。それにしても共演の広瀬すずは見直したよ。芝居下手と言われていたけど、そんなこと無い熱演していた。それにこんなに美人だったかなぁ、と改めて容姿の美しさに納得。
<オマケ>
「国宝」も3時間を超す長尺だけど、もう一度どちらを観たいかと尋ねられたら「宝島」だね。
沖縄弁にテロップ入れて下さい。
制作費25億。
上映時間3時間11分。
なのに、あまり評判良ろしくないので
観て来ました。
物凄い超大作だし
役者陣の上手さは観る価値あるのだが…
当時の沖縄の辛さを共有するつもりだったが、
物語が私的には、
“何も共感出来ない執着心を3時間11分”
オンちゃんの名前と思い出と
薄い情報の有無だけで
あそこまで引っ張る執着心が
ついては行けなかったです。
ラストも????だったし。
なので、
異国で何かが起きてます〜くらいな感覚。
そして今、外国人受け入れ反対!
なんていう時期なのもあり
日本人もやべーことやってるよなって
気になって心が沈んだりもしました。
あと大切なところで沖縄弁がわからん!って
シーンが多かったですね。
これは厳しかった…。
大好きな監督なだけに…って感じでした。
観られてないのが、もったいない!!
映画のタイトルが悪いのでしょうか?興行収入ランキングが、初登場7位?!でしかなく、すでに、トップ10圏外になっています。2025年、今年、この時期、話題作・良作が大豊作で、埋もれてしまっているのでは?!という懸念もありますが、トップ10圏外というのは、寂しすぎます!!
映画を観た感想は、トータルで
「色々と、もどかしい映画!!」です。
そういう意味では、100%おすすめ出来るわけではないのですが、たくさんの人に観てもらいたい映画です。
この点も「もどかしい」わけです。
しかし、「もどかしさ」が作品の味わい深さでもあります。
もどかしい=苦しい、悲しい、もやもやする、とネガティブな感情なのですが、
映画が求めている、
「たぎる」という感情と、
ないまぜとなり、
「おもしろい」「力作」「勉強になる」「沖縄のことを知ることが出来る」「戦意が高まる」「沖縄は美しい」「沖縄と本土はこんなに違う」「それでも、沖縄と本土は一体として日本」「日本とアメリカの関係がわかる」「歴史がわかる」「広瀬すずがかわいい」「俳優陣の演技が素晴らしい」「映画の舞台の時代の車両等がかっこいい」
等々のポジティブな感情のスパイスになっているとも言えそうです。
う〜ん、もどかしい!!
だから、だけど、
観てほしい!!
そして、語り合いたいです。
駄作
25億円(ブロックチェーン資金含む)話題の「宝島」は駄作。3時間11分の長尺を大友啓史監督が支えきれず、力量不足が露呈。沖縄訛りはリアルだが聞き取れず、字幕なしで観客を突き放す。戦利品を配るシーンや銃撃がなかなか当たらない展開は、チープでハリウッドの二番煎じ。沖縄問題も、コザ暴動や米兵の理不尽をステレオタイプに描き、胡散臭い。妻夫木聡、広瀬すずら豪華キャストも、浅い脚本で埋没。沖縄の戦後史を全く知らない人には新鮮かもしれないが、砂浜で歌って踊る冗長で類型的な描写にうんざり。巨額予算とスターを揃えたのに陳腐な仕上がりに失望。観客動員数が2週目から大幅にダウンしたのは当然。
全542件中、1~20件目を表示
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