宝島のレビュー・感想・評価
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戦後沖縄が背負わされた物を描いた作品
終戦後間もない沖縄で米軍基地に忍び込み、物資を盗み出し貧しい人々に分け与える「戦果アギヤー」を行う若者たち。彼らにとってはそれが米軍との「戦い」だった。
だが、ある日米軍の追撃を受け失敗。バラバラに逃げる中でリーダー格のオンちゃんが行方不明となってしまう。
時が流れてそれぞれ刑事、ヤクザ、教師となっていたかつてのメンバーはいまだにオンちゃんの手がかりを探していた――
戦後沖縄が背負わされた在日米軍という大きな負担。
米軍や本土に反感を抱きながらも仲間を探し続ける若者たちの姿を描く。
米兵が起こした事件の犯人逮捕を米軍警察に何度も阻まれ憤る刑事のグスク(妻夫木聡)。
刑務所あがりのヤクザ物となりながら裏社会で情報を探るレイ(窪田正孝)。
教師として子供たちを導きながら米軍への抗議デモに参加するヤマコ(広瀬すず)。
3人はそれぞれに沖縄県民としての誇りを持ちつつ、オンちゃんの消息を探し続ける。
その中で社会背景として米兵による事件とその後の容疑者逮捕の難しさ、
にもかかわらず経済的には米兵相手の夜の店で儲けるヤクザなど
沖縄の在日米軍の抱えるさまざまな問題を描いている。
戦後80年の節目にあたってとても考えさせられる映画だった。
沖縄の心、苦悩、混沌に触れる
製作陣と主演俳優が熱意をもって宣伝したりテレビ等でコメントしたりしてる姿を見て、これは見に行かなくては!と思いました。
本州の日本人(やまとんちゅ)が戦後の高度成長に猛進して行く中で、忘れ去られた沖縄の苦悩が、よく描かれています。私もやまとんちゅ側の出自なので、心を痛めながら、また無関心に生きてきた自分を恥じいりながら観ました。
製作陣と俳優さんたちの熱い気持ちがスクリーンを通じて伝わってくるような映画でした。
圧巻はコザ暴動のシーン。その名前は聞いたことがあったけど、意味はわかってなかった。そこへ至るまでの経緯がとても丁寧に描かれているので、観ている側も一緒になって、コザ暴動に加わわるウチナンチュ側の気持ちに立てる作りは素晴らしいと感じました。
広瀬すずは、まるで吉永小百合の後継みたいですね。彼女がスクリーンに現れると、自然に眼が吸い寄せられるような力があります。そんな美しいヒロインが、この映画では何度もデモに参加し、「アメリカは出て行け!」と叫びます。
「1987、ある闘いの真実」のキム・テリを彷彿とさせる存在感でした。
この映画は米軍統治下の沖縄を背景としつつ、そこに生きる若者たちの青春、恋愛、友情、成長して大人になっていく過程などがドラマとして描かれます。
少し芝居がかったようなエピソードもあって、正直そこまでしなくても…と思うシーンもあったけど、それはそれであの頃の沖縄の混沌、若者たちの葛藤、次の世代へのバトン…などを描こうとしていたのかなと思いました。
沖縄の苦難の歴史
沖縄を知ろうとする思い
在沖縄米軍の抱える問題は、学生の頃に教科書で読んで、文字列として理解していた程度だったのが、俳優さんたちの熱演により、リアルに浮き彫りになった感じがします。
異文化との交流、ときには支配で形成されたウチナーンチュのでっかい包容力に依存して成し得た本土の復興と戦後の繁栄に、そして、その事実を文字列としてしか認識していなかったヤマトンチュの自分に対して、忸怩たる思いを感じながら鑑賞しました。
沖縄の言葉を聞き取り、意味を理解するのにかなり苦戦しましたが、鑑賞中に「分かろう、理解しよう」としたこと、その姿勢をそっくりそのまま、過去から現在に至るまでの沖縄の苦悩を理解する姿勢につなげなければと思いました。
もっと観ていたい
映画「宝島」を観てきました。
公開劇場の縮小、温度の低いレビュー等にどういうこと!と、半ば怒りを持って期待で胸膨らませ臨みました。
先ず、始まりから一気に没入。映像のリアルさ、開高健のアパッチのような、沸る生命力。抑圧された分濃くなる息遣い。
それを体現する、瑛太、妻夫木くん、窪田正孝の極まった演技。
3時間越えは苦になるどころか、もっと観ていたいぐらいの思いでした。
「沈黙」で素晴らしい演技をされた塚本晋也さんが今作でもいい味を出しておられた。
あと、500人だかの現地エキストラ。コザ暴動の迫力。観ている間も、その後も泣きそうなそれでいて高揚している自分がいました。
自分の中で今期最高の映画。そして人生に残る一作でした。
もっと多くの方に観てほしい映画
アメリカ統治下時代の沖縄の史実を交えて表現した作品ということで、昨年から沖縄で年に一回、戦没者慰霊の護摩を焚かせていただいている身でもあるので、抑圧されてきた沖縄の方々が味わったであろう苦悩を少しでも理解したく観てきました。
実際に1970年に起こったコザ暴動のシーンは圧巻でした。
コザ暴動のシーンは、当時の体験談を沖縄で取材し、忠実に再現されているようで、当時の沖縄の人々の様々な想いが集まっているように感じました。
そこには、さすが沖縄だなと感じさせるシーンがありました。
また、このコザ暴動のシーンは、沖縄の方々のこれまでの苦悩が、様々な形で昇華されていく様のように見え、涙腺が緩みました。
私自身は本土の人間で、沖縄の方々の苦難・心情を完全に理解することはできないかもしれませんが、今なおアメリカ基地の大半が沖縄にあり、日本の防衛の要になっていることを思えば、これからいかに沖縄に向き合っていくかを考えさせられる映画だと思うので、多くの方に観てほしい映画です。
また、劇中にもたびたび現れる、沖縄の方々の力強さも見どころだと感じました。
「辛い時ほど、笑う」
沖縄は本当に辛い重い歴史を積み重ねている場所でありますが、歌と踊りなどで明るく乗り越えて行こうとする強さがあるのだと感じます。
改めて、沖縄戦のこと、歴史のことをもっと知り、沖縄を訪れ、戦没者の慰霊をし、綺麗な自然を楽しみたいと思います。
素晴らしい内容に反して、いろんな要因が重なり、出だしの興行成績が不調で、上映回数が減っていてこのままだと上映が早期に終わってしまうので、お早めに劇場へ!
もちろん、これからの巻き返しに期待。
2回目観てきます。
沖縄本島の現代史を知りたい方は必見
米軍施政時代の沖縄本島(特に中部)の、特にコザ騒動前後の時期を生きてきた人たちの群像劇である。
当時の雰囲気が窺える演出・セット・道具類・音楽があふれる世界観で、1950〜70年台の音楽が好きな方だとより楽しめそう。
妻夫木聡さんをはじめとする俳優の皆さんのウチナーグチは必聴。
沖縄出身の方※の折り紙つきのハイレベルなウチナーグチである。
※本作をラブエフエム(福岡市)の週末夕方の音楽番組で紹介してくださった、沖縄出身のDJさん
本作では、『コザ騒動』(1970)につながる宮森小米軍機墜落事故や糸満市での女性轢死事件もストーリーに盛り込まれており、現代史を描く人間ドラマとして傑作の『タクシー運転手(韓国:光州5・18民主化運動がテーマ)』に通じるものを感じた。
日本発の映画で現代史の中の重要な出来事をテーマとした映画が2020年代に日の目を見ることになり、感慨深いものがある。
なんくるないですむか!なんくるならんぞ!
3時間なんて気にもせず、期待して観た。沖縄で、電動自転車で那覇から嘉手納基地、普天間基地をめぐり、翌日にも平和祈念公園、ひめゆりの塔まで自転車を駆って現地の空気を感じた者として。佐喜眞美術館で壁一面の「沖縄戦の図」に圧倒され、屋上から眺める基地に苦い思いをした者として。
妻夫木聡の計り知れぬ熱量には心揺さぶられるものがあったけど、どうしても、気分が物語に入り込めない自分がいた。言葉が聞き取れないのも理由だと思う。だけどじゃあ本土の標準語で喋ればいいかといえばそれは違うので、そこをどう(字幕とか)観客に伝えるのかは課題でもあったろう。アメリカとヤマトに何もかも奪われ続けたうちなんちゅーの思いがスクリーンから溢れてこなければ意味がないのだから。その意味では、広瀬すずの演技は残念だった。全然、うちなんちゅーになり切れてない(映画に出過ぎのせいか)。 コザの街並みの"映画のセット感"も残念だった。舞台の大道具かと思った。暴動シーンのエキストラの無気力ぶりにも冷めてしまった。潜入した基地内に、あたかも予定調和のように主要人物が揃うのも嘘くさかった。そして、おんちゃんの消えた理由も僕には馴染めなかった。これは、映画というよりも舞台でこそちょうどいい、そう思えたことにガッカリした。
バッシングされるには理由がある
セピアな色彩と暗闇がとても好きです
コザの暴動に絡んだストーリーで豪華キャストに脇も個性的な俳優さんが並んでいて、色彩感やら、沖縄方言やら、暗闇のシーンやら、メイクやら映像は良かったものの、肝心の暴動シーンは少しチープに見え、史実のシーンが少なかった様な…3時間以上の長さでありながら、途中でどこに向かうのかがわからなくなる気がしました。
このテーマで3時間は長い
いいところと不満なところがどっちもあり
良いところはやはり戦後のアメリカ占領下の沖縄の描写に力を入れていたところ。アメリカからも本土からも見下される理不尽さ、苦しみ、憎しみ、それが今も尾を引いてる事がすごく考えさせられた。
あと物語の軸のオンちゃんの謎も泣けた。
不満点は展開詰め込みすぎててごちゃごちゃしてた事。それに伴い話の展開が早すぎてあっさりしてたこと。無駄に暴力シーンが多かったこと。米兵が悪いのはそうなんだけど主人公サイドも割とDQNじゃね?って思う箇所が多々あったこと。主人公のモノローグが多すぎた事。結局なんにも片付かないままオンちゃんのいい感じのナレで終わってしまったこと。
メッセージ性としては素晴らしいけど、娯楽作品としてはうーん…って感じ。
ただ観て損はなく、一度は見る価値はあると思う
沖縄がまだアメリカに支配〜本土復帰までの壮絶な20年
多くの人に観て欲しい
レビューに投稿するのは初めてです。
1人でも多くの人に見て欲しくて投稿しました。日本人として、特に沖縄以外の人にも観て欲しいです。
私は東京で育ち、沖縄のことは何も知らずに観光だけを楽しんでました。
沖縄で何があったのか知るべきでした。
そして、忘れちゃいけない。
中学校とか義務教育の中で、子供達が鑑賞すると良いと思いました。日本人として、この先の世代の人達も忘れないように。
とにかく、観て良かったです。
聞き取れない
2回見に行きました 1回目は評判が悪いのか…位で見に行きました 2...
2回見に行きました
1回目は評判が悪いのか…位で見に行きました
2回目は字幕付で見に行きました
文庫本も買って2回目の前に読みました。感想としては、SNSなどで宝島の沖縄の方言の解説など色々出ているので見ておいた方がいいです。小説を読んでから見に行くと、また違った感想になるかな。字幕付で見られる機会があったら是非おすすめです。
コザ暴動のシーンが良かった
原作を読んだ時に映像で観てみたいなぁと感じましたが、実際に映画で見てみると迫力がありました。特にコザ暴動のシーンがリアルでした。妻夫木さんは熱演でした。年を取って演技に厚みのあるいい役者になりましたね。ただ終盤の演出で少し気になった部分(不自然に全員集合、都合よく車が駐車など・・)もありました。私も含め沖縄県民ではない人は
沖縄について情報が不足していたり、いろいろ誤解していることが多かったと思います。私はこの映画を観て改めて沖縄のことを考え直すキッカケになりましたので、そういう意味でもいい映画だったと思います。
全764件中、161~180件目を表示
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