宝島のレビュー・感想・評価
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沖縄県民の絆の強さ。
沖縄が大好きで、時間があれば沖縄に行く。沖縄には大好きな友達もいる。ただずっと昔から思っていたこと..どれだけ沖縄が好きだろうが、何度沖縄に行こうが、「めんそーれ!」と快く迎え入れてくれる沖縄の人との間に見えない壁を感じる。
壁というか、沖縄の人と関われば関わるほど沖縄の絆が深い事に感銘を受ける反面、なんだかもどかしさが拭えない。私もこんなに沖縄が好きなのに、完全には沖縄の人たちの輪に入れない感覚。
それがこの映画、宝島を見て納得できた。
沖縄は好きだけど、沖縄の歴史まできちんと調べたことはなかったし、沖縄の友達と歴史について語ることはなかった。まあ、簡単に語れる話でもない。
今の時代を生きている友達だけど、きっとおじーおばーから戦争の話、戦争後の話を聞いているだろう。沖縄の踊りや民謡が継がれているように、歴史の話もきっと語り継がれているわけであって。
劇中、「わーは、うちなんちゅ」と言う叫びに心がギュッとなった。寂しいけれども結局私は、内地の人なのだ。内地の人がこの沖縄の強い絆の輪に簡単に入れるものか。
ちょっと視点が違うかもしれないがモヤモヤしていた感情がスッと解けて、ひどく納得した。
観るべし
観てきました。何故本作品に否定的な意見があるのか、わからない。非常に観応えのある評価に値する「大作」だと思う。原作を読んでいた事もあり、3時間を超える作品にも関らず、飽きることなく観了できた。
何の先入観もなく「沖縄って好き!」と言っている方々にも、沖縄の別の一面をわかってもらえるのではいかと・・・
コザ暴動までの、個々の登場人物の背景と沖縄の歴史の描写、それに絡めたウタの生い立ちとオンちゃんの生涯、なかなかよい構成だと思いました。
人身御供として米国(アメリカー)に沖縄(ウチナー)を差し出した日本(ヤマトゥ)。植民地として沖縄を支配する米国と利権を求めて入り込む日本、言葉だけの本土復帰。戦後の沖縄ってこんなだったんだ・・・じゃなくて現在でも根深く、これらも問題は沖縄に根付いている、今もです。
三線を通して、沖縄の歴史文化に触れる事も多く、また勉強もしていますが、改めて考えさせられる作品でした。一人でも多くの人たちに見て戴きたい大作です。
分からないなら調べよ! 追記
①基地を窃盗していた若者グループがあった
②県民による大規模な暴動があった
(コザ暴動)
③小学校に飛行機が墜落した
④悪石島(口之島)での武器密輸団かあった。…戦後空爆されたことはネットでは確認できなかった。
①〜④まで、この映画での描写はほぼ全て史実であるようだ。
ただ、これらの背景をきちんと説明しつつ、観客に何が起きたのかを納得させるのは、3時間の映画では無理があったと思わざるを得ない。
10回シリーズのドキュメンタリーのようなメディアか、あるいはやはり小説の仕事なのだろう。
しかし、それでも私はこの映画はもっと高く評価されるべきだと考える。
この映画は説明不足であるとは多くのレビューで指摘されている。
その通りだと思う。
①〜④までのどれかに絞って、残りは捨象して丁寧に描くというやり方もあったかもしれない。
しかし、製作者には、それは忍び難きものだった。
確かに説明不足だ、わからなければ、自分で調べよ!
なのだろう。
グスク(妻夫木聡)の「こづかいさえ与えておけば何をしてもよいというのか」的なセリフは重い。
占領した側はその理屈をよく使う。
私たちも使ってきた。
この映画で示されたのは、沖縄が蹂躙されてきた事実の開示とルサンチマンの巨大さだ。
それには成功しているとおもう。
この映画は私たちが見たくないもので満ちている。
なるほど流行らないであろう。
だからこその必見の映画だと思う。
追記
例えば、レイ(窪田正孝)は逮捕されない。
悪石島に戦後、犯罪者に対してとはいえ、民間人に対して空爆がなされる。
説明が欲しいというわけだ。
確かに見ていてモヤモヤする。
しかし、このモヤモヤこそ、この映画の重要なテーマであるように思える。
あなたたちはこれを知らないであろう!
私たちもこれを知らされていないのだ!
という叫び。
「宝島」は膨大な事実と時間と心情にあふれ、それらの総体が消化しきれないこと、そこに価値を見いだすべき映画である。
戦後沖縄の闇
3回は観たい
映画を観る前には評価を見ることが多いです。4以上の評価が付いているものは、たいてい面白いので鑑賞された方のレビューはいつも参考にさせていただいています。この作品は賛否両論で、上演時間も長いので少し躊躇したのですが、アメリカ占領下の沖縄...という設定が珍しくて(沖縄戦を題材にした映画はたくさんあるけど)、観ることにしました。
1度目の鑑賞では、人間関係(特にヤクザ関連)
とか、ストーリー展開に不明な部分がありながら
も、コザ騒動からのグスクとレイが対峙するシーン(ここがクライマックスと思いますが)では、泣き崩れてしまいました。ほろほろと涙が頬を伝う...と
か、そんなレベルじゃないです。慟哭です。人目もはばからず泣く叫びたい衝動にかられました... 。同
じ沖縄人同士で対立しなければならないという哀し
さ...。役者さんの演技も真に迫るものがありました。
このシーンだけで十分な価値がある映画なのですが、いくつか不明な点があったため、原作を読むことにしました。原作が本当に素晴らしくて! まるで歌っているような文体が沖縄という土地柄にマッチしていて、テーマは骨太。直木賞作品の中でも抜きんでた作品じゃないかと思いました。この映画を観なければ、手に取ることもなかった本だと思うので、それだけでもこの映画を創っていただいたことに感謝したいです。
本を読んで色んな疑問が氷解しました。オンちゃんはすごく清らかな英雄で、レイやヤマコとも特別な結びつきがあったんだなぁと、映画では省略されているエピソードを読んで理解しました。
本を読んだ上での2回目の鑑賞は、スムーズにストーリーが頭に入りました。嘉手納アギヤーがオンちゃん独自の計画じゃないことがこんな序盤に明かされてたんだなとか。セリフが方言等の事情で分かりにくいことに起因すると思います。2回観ても、辺土名の殺害シーンは分かりにくいと思いました。
戦争映画のような戦闘シーンがあるわけじゃないので、見やすい映画だと私は思いますが、公安の拷問シーンは長すぎると感じました。
1度目の鑑賞の時も、3時間超えという長さは感じなかったのですが、2回目の鑑賞は、もっとあっという間でした。やはりコザ騒動のシーンにカタルシスがありますねぇ。妻夫木さんの「なんくるならんぞ」にはしびれました。このシーンだけでももう一度は観たいと思うような、圧巻のシーンです。
1回目の鑑賞で号泣した、グスクとレイが対峙するシーンでは、やはり涙がこぼれました。原作を読んだせいか、レイに肩入れして観てしまいました。
この作品は、後説(ウタの出生の秘密とオンちゃんの真相を明かす)なので、クライマックス後のシーンが少し長いので、ここと、暴力シーンを少し省略してでも、オンちゃんとレイ、グスク、ヤマコとのエピソードを厚くしたら、もっと誰もが感情移入できる作品になったのではと感じましたが、こういうところが小説を映像化する時に難しいところなのでしょう。
残念ながらすでに上映スケジュールが1日1回になっているので、3度目を観るなら早いうちに行かないとと思ってます。戦争映画のように悲しくて惨めなだけの映画じゃないから、多くの人に観てほしいなと思います。圧巻のコザ騒動のシーンは映画館のスクリーンで観ないと!!
我らの島
原作はつまらんが映画は頑張った
ほとんどの場合、原作が面白くて実写化でつまらなくなるもんだけど、これはつまらない原作をどうにかこうにか観れる映画にした稀有な作品と言いたい。
原作は、増長だったり無駄な表現やエピソードが多く、テンポも悪くてエンタメとしては全く面白くない。しかしながら、ノンフィクション風の沖縄現代史として知識を得るという点ではよい小説かもしれない。
これほどつまらない原作をどうにかすっきり見せるために脚本はとても頑張っている。演者もとてもいい演技をしている。映像もとても綺麗。原作がもっとスリリングなミステリーアクション活劇で爽快感があって笑えて泣けるような話なら大ヒットしたかもしれない。
追記・含むネタバレ
小説で、最初の基地に盗みに入るシーンで、レイが基地の航空機をぶんどって逃げようって言ってオンやグスクにたしなめられるシーンがある。このセリフをいれるのであれば、最後の暴動のシーン等でレイが本当に航空機をぶんどって逃げるシーンが必要。そうでなければ全くの無駄。そもそもオンちゃんの記述が足りなすぎる。「英雄と呼ばれている」っていう記述ではなく、読者がオンちゃんの言動を通じて、なるほどこいつは沖縄を代表する英雄だったんだなっていうエピソードが必要。医療品かっぱらって重病人を助けるとか、とんでもない機転をきかせて米軍を煙に巻くような、爽快かつ感情移入しやすい英雄譚。「英雄とよばれている」っていう説明だけではどんな英雄なのかさっぱりわからないからそもそもオンちゃんの周囲のキャラクターもぼやける。第1章で失敗して逃亡、失踪するところからはじめるのではなく、第0章でそういう英雄譚が必要だった。映画では学校をたてたいってヤマコに言うシーンとかばあさんに医療品あげたりっていうシーンをはさんで、涙ぐましく補っていたがまったくたりない。グスクが実は英語を喋れるっていうシーンをラストにもってきて、アービンとの友情シーンを描いた映画はよかった。小説だといつの間にか英語がしゃべれてる。前後するけどオバアやらヤマコが感じる霊的な話なんて、フィクションなんだからもっと効果的に使ってほしかった。読者はいつヤマコの超能力が発動するんだろうってずっとまってたのに。
映画化の検討段階でもわかるようなことなのに、25億かけて4億の興行収入っていう結果が出るまで突き進むところは皮肉にも当時の大日本帝国のようだ。
息子を返せ
というプラカードの意味を初めてきちんと考えた。その意味でこの映画を見てよかった。
よくできた映画だったが、劇的すぎてほとんど感情移入できなかった。そのため、心を動かされる場面もほぼなかった。
数年前、沖縄に行った時、辺野古の埋め立ての砂利(?)を乗せたダンプが出入りするところにおじいちゃんおばあちゃんがいっぱいいて、デモ(?)みたいなことをしていた。その事を地元の人に話したら、「外から青春をしに来る人が沢山いるんだよね」と冷ややかに話していた。実際にそのうちどれくらいの割合の老人が県外から来た人なのかは定かではないが、沖縄の問題は単純ではないことがわかった。
沖縄の方々にとって、この映画が、その老人たちの姿と重ならないとよいのだが。
せめて、原作者と監督が沖縄出身の人であることを祈る。
熱量高めの社会派映画
楽しみな制作陣と俳優陣でもあったので鑑賞。
はからずも戦後モノの映画が時期が固まっているが、なんららかの時流があるのだろうか。
うまく説明できないが、今のタイミングで見るべき映画の1つだろうなと思った。
というのも、自分は戦後の沖縄の歴史にうとく、現在の基地問題に繋がる心情的な部分では、まるで理解していなかったのだなと思わされた。フィクションはあれど、市井の人たちの暮らしぶりフラストレーションは映画に描かれたとおりなのだろう。
考えさせられた映画でもあった。
映画としての難点は方言がよくわからなかったというのが1つ。字幕をつけてくれてもよかったのに。
もう1つはテーマが重厚だっただけに、ドラマやシリーズ化してもよかったのにとも思った。日曜ドラマにありそうな展開でもあったし。1つ映画に詰め込むにはやや消化不良。
俺たちの戦争 〜 豊かさとは
直木賞受賞作「 宝島 」( 真藤順丈さん著 )を元に映画化された作品。
アメリカ統治下の沖縄に生きる若者達の1人、主人公グスクを妻夫木聡さんが熱演。
春に公開された映画「 国宝 」で主演された吉沢亮さんにも日本アカデミー賞主演男優賞最優秀賞を差し上げたいと思っていたが、本作主演の妻夫木聡さんにも日本アカデミー賞主演男優賞最優秀賞を差し上げたいと感じた。
『 戦果アギヤー 』(アメリカ統治下時代の沖縄で米軍基地倉庫から窃盗行為を行う者達のこと ー Wikiによる )のリーダー・オンを永山瑛太さん 、オンの弟レイを窪田正孝さん、オンの恋人ヤマコを広瀬すずさん、米軍高官の通訳・小松を中村蒼さんが演じる。映画監督の塚本晋也さんもグスクの同僚刑事役として出演。
妻夫木聡さん演じるグスクが語る『 人間ではない 』との言葉が切なく胸に刺さる。
早くも上映回数が少なくなっているようですが、多くの若い世代の方々にこそ観て頂きたい作品。
ー 腐った林檎
ー 祖国復帰
ー コザ暴動
7割程埋まった劇場での鑑賞
リアルな史実だからこそ多くの人に伝えたい映画
見てきた。そして、やっぱり見てほしい。
内容が難しいと言う人もいるけど、そもそもの沖縄の戦後史が難しい。
高度経済成長が日本の戦後史と思って来た日本人にとっては、混沌とした出来事がフィクションに見える。だから余計に理解ができない。想像が追いつかない。
でも、私が知る限り、登場人物のストーリーこそフィクションだけど、出来事や出てくる人の感情はほぼノンフィクション。
小学校に軍機は落ちたし、米軍関係のひき逃げも婦女暴行の殺人もいくつもあった、そして米軍の犯罪者は簡単に逃げられる。
日本復帰の運動もあったし、それに反対する声もあった。どちらも沖縄の人間としての思いや蓄積した怒りがあった。
そして、怒りが爆発してコザ暴動が起きた。
でもそこには、怒りだけではないお祭り騒ぎ感もある。
カチャーシーを踊る人もいる(これも事実だという)。
喜びも悲しみもかき混ぜるという意味のあるカチャーシーをあの場で踊るのは、現実を受け止める沖縄の人ならではの感情なのだろう。
そして、コザ暴動に死人はいない。あれだけのことがあって死人が出なかったのも沖縄ならではの心のありようなのだと思う。そういう意味でも、沖縄の人達の心の強さを感じる。
おそらく、その状況も心の動きも、当時を生きた人がまだ現役で生きている限り、映画の中で嘘はつけない。監督はその思いで作ったと言っていた。
方言札やAサイン他背景の細部に至るまで、細かく再現されている。
だから超リアルなんだと思う。そして今の沖縄がその史実の地続きにある。
楽園の沖縄しか知らない人にとっては
それを受け止めるのは、かなり難しいこともわかる。
目を向けてこなかった事実に、申し訳なさや自分の無知を隠したくて拒みたくもなるのかもしれない。
だけど、だからこそ、一度見てほしい。
翻弄されてほしい。
受け止めた上でも、やっぱり沖縄って素敵で魅力溢れる島という思いは変わらないから。
ちなみに大阪梅田ハービスENTで、宝島の展示やプレゼントあったよ。映画前後にぜひ遊びに行ってみてね。
昭和の滾り
描かれる史実がぼんやりとしか知らないことが多く、これ本当にあったこと?こんなことが本当に起きていたの?と驚き戸惑いながらみた。
190分の上映時間の長さも気にならなかったし、たしかに方言はわからないところも多かったけど『いとみち』と同じで何となく言いたいことは読みとれたし、あの時代たぎっていた沖縄をとんでもない熱量でていねいにみせてくれる、とても意味のある作品だとおもう。たしかに終盤、ストーリーとしてはちょっと失速した感じはあったけれど。
広瀬すずさんの強さと弱さ、少女からおとなの女性になっていく時間の流れはとてもよかった(ウタくんの子どもから青年への成長も)。でもそのぶん、男性陣の「どうみても最初から40歳前後」な感じが目立ってしまい、それは少し残念でした。ダークネス窪田さんはとてもよかったけど、いくらなんでも17歳は無理があった・・・
『罪の声』で梶芽衣子さんも「たぎっていた」と過去を顧みていたけれど、事実敗戦後から1970年代ごろまで日本はふつふつとたぎっていたのだろう。
そのたぎりを私は知らないし、たぎって生きていきたいともあまり思わない。でもそのとてつもない熱量を、なぜだか少しうらやましく思うことはある。
オンちゃんが得た「別の成果」
オンちゃんが得た「別の成果」は、「武器を奪う」戦果ではなく、「命そのものを守る」戦果。
なんだろうけど、言葉も聞き取りにくいし分かりにくかったです。
観て良かった
戦時中から本土復帰まで沖縄の思いを考えさせられる映画。
3時間超えを一度は躊躇したけど観て良かった。
ニイニイが「10年後20年後は変わってるかもしれない」といってたのに何も変わっていない現実がある。やるせないなあと思う。沖縄で起こったこと起こっていること、計り知れないけど忘れないようにしようと思う。
今も解決してる訳ではないから感動したーでは済まない感想だけど、日本人として知っておくべき事実を広瀬すずや妻夫木聡、窪田正孝で見れて良かった。
広瀬すず、凄いんだから!
息子の修学旅行の予習を兼ねて親子で鑑賞
沖縄返還当時13歳…
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