宝島のレビュー・感想・評価
全764件中、61~80件目を表示
「コザ暴動を描いた衝撃作、だけど方言が観客を突き放す!!」
映画『宝島』は、戦後沖縄の歴史と若者たちの友情を交錯させた重厚な人間ドラマ。
単なる「青春群像劇」ではなく、実際の事件や社会背景を織り込みながら、今も続く「基地と沖縄」の問題を観客に問いかける。
ただ正直に言うと、作品に没入しきれない部分もあった。監督や脚本家のこだわりなのか、沖縄方言がかなり強く、俳優たちの台詞が聞き取りづらい場面が多かった。
そのため、大切なセリフが理解できていないのでは?という不安を抱えてしまい、せっかくの重厚な物語のに、ここは非常にもったいない。
正直、日本語字幕を付けてほしい!東映さん! と強く思う。
一方で、役者陣の演技は圧巻。瑛太、妻夫木聡、窪田正孝、広瀬すずといったメインキャストに加え、塚本晋也、ピエール瀧、瀧内公美ら個性派俳優が存在感を放った。特に「コザ暴動」のシーンは、鬼気迫る群衆の熱量と緊迫感が画面から溢れ、歴史的事件の重さを見事に再現し、大作感は十分にあった。
自分の世代にとっては、沖縄返還(1972年)によるドルから円への切り替え、パスポート廃止、国際電話から国内電話への移行などはニュースでよく聞いた出来事。その後の沖縄海洋博(1975年)や、私自身の初めての沖縄旅行(1981年)といった記憶も重なり、本作を観ながら様々な思いが去来した。
逆に、教科書でしか沖縄の戦後史を知らない世代には、ぜひ観てほしい作品だと思う。
総合的に見ると、テーマ、題材、撮影、演技は素晴らしい。しかし、方言による聞き取りづらさが致命的な欠点。興行成績が、その結果を反映していると感じる。
評価は……惜しいが3.0評価。
※あとがき
アイドルグループ「フィンガーファイブ」も沖縄返還と共にデビューしたなぁ~♬(Are you ready? Yeah
Hey, hey, hey, hey, hey(Hey, hey, hey, hey, hey)
以上
宝島 沖縄県民の悲痛な魂の叫び
知っておくべき歴史
今につながる物語
3時間の映画だが観てて長くは感じなかった。もっとも僕はつまらなければ1時間半でも長く感じ、面白ければ4時間でも長く感じない人間なので当てにはならないが。正直言って前半は原作を省略したっぽいところと琉球方言のためにちょっと理解しづらいところがあり、これはいまいちかなと思ったんだが後半になるとようやくエンジンがかかって面白くなった。まあ後半でも琉球方言がところどころわかりにくくて字幕が欲しかったが、映像作品では初めてと思われるコザ暴動のシーンをあれだけのスペクタクルで描いただけでも価値のある映画だろう。他にも米軍機の小学校墜落事故も宮森小学校事件という実際に1959年に起きた事件らしい。この映画で描かれてる問題は今現在と地続きであり、実はあの頃と何も変わっていないということを思わせてくれる。そんな映画でした。なかなかの力作です。
映画化は愚策やないんけ
真藤順丈原作、大友啓史監督、トーキョードリフトのGO言うてた奴主演の大作邦画。
25億の製作費がポシャりかけている現状、色々レビューを見かける内に気になったので実際見に行ってみました。
その結果としては……まあ……そうですね、映画化はちょっとムズかったんやないかと思います。
まず、当時の沖縄の心情や背景を割と追体験出来た所はマジで良かったと思います。
コザ暴動の場面も割と臨場感があり、今まで耐え兼ねて来た怒りを爆発させたカタルシスがありました。
……が、本筋のオンちゃんを探すミステリーがどうも微妙な印象です。
沖縄の怒りとオンちゃん探しの繋がりが、なんかこう、絡み合ってはいるけど、噛み合わせが悪く感じたんですよね。密接に絡み合って無いといいますか。
そんでもって20年間の中で様々なキャラクターのドラマを余すことなく見せつけようとした結果、拭えないダイジェスト感が生まれ、一つ一つのシーンの噛み合わせの悪さも発生している訳です。
特にグスクとアーヴィンの下りはダイジェスト感の影響をモロにくらっておりまして、二人の複雑な関係性も中々伝わりませんでした。
正直これより前に見た「国宝」の方がまだ取捨選択が上手いと思います。
あと、冒頭のカーチェイスのカメラワークのしょぼさや、一部ラノベチックな描き方のキャラがいたのも気になります。面白かった所と不安な所が50:50ですわ。
個人的なアイデアですが、これはNETFLIXでドラマとして作った方がもっと出来が良かった気がします。
東映よりも潤沢な予算で作れたかもしれません。もっとじっくりとした尺で作れたかもしれません。
そんでもってNETFLIXなりに大々的にマーケティングを行って、もっと当時の沖縄の心情を広く伝えることが出来たかもしれないんです。
あとアーヴィン役ももっと有名な俳優を呼べたかもしれません。(デリック・ドーバーさんの演技も中々良かったですが)
兎にも角にも全てを過不足無く映そうとしたのならば、映画では無くドラマでやった方が良かった気がします。
返還前の沖縄の熱を擬似体験できる
原作未読ですが大友監督の『3月のライオン』2部作が良かったので観に行きました。
監督の指示のもと、俳優陣も全員キャラになりきっていた名作だと思いますが、2本に分けたのと漫画原作にしては長かったせいかヒットしませんでしたが…
『るろうに剣心』は何作かテレビ放映しているのを途中から観たことありますが、戦闘シーンのダークさに個性とこだわりのある監督だなという印象を持ってました。
本作はそのダークさが活かされて返還前の沖縄の亜熱帯亜細亜的な猥雑さがよく再現されていたと思います。
ほとんど生まれる前のことなので当時の沖縄を知りませんが…
当時の熱のようなものを感じられただけでも観に行った甲斐があるというものですが、おそらく元の原作のほう、特にラスト、話の結末が私の好みでないというか、期待倒れの感が強かったので辛めの採点としました。
日本人なら見るべき作品
沖縄が米国に占領されていた時のことを知っている日本人は現在どれくらいの割合なのだろう。原爆は語り継がなければならない過去の事実、でも沖縄の苦痛はずっと続いていて、人々の苦しみはまだ終わっていない。歴史として知っていても実際の状態や人々の日常や熱量は分からない。日本中が戦後復興に向けて動いている時、戦場だった場所にはまだ遺骨が散らばっていた沖縄。身近で米国兵との接近戦があり、その後も米軍基地に占領されていた地域、そこで暮らし育った人達の怒りや苦しみはとても計り知れない。また、基地が近くにない那覇とコザでは主張も違っていたという事を初めて知った。
当時の人達の暮らし、そこに生きる人達がしっかりスクリーンに描かれていて、温度が伝わってくる。複雑な物語は人々の心情がしっかりと描かれていて、役を生きる役者達のアンサンブルが素晴らしい。特に広瀬すずは女優として更に大きくなったように見える。年上で演技派の役者達を相手に堂々と存在感を示していて素晴らしいかった。この大作は日本人なら見るべき作品、見ておくべき作品だと感じた。理解していなければ簡単に語るべきではない、そう考えさせる作品。
もっとヒットしてもいい映画
昨日観てきました。私的には長く感じず最後までストレス無く観れました。
国宝も観ましたが国宝の方が長く感じた映画でした。
私的には国宝と上映時期がかぶってなければ、もっと話題になった映画だと思います。
俳優さんの演技が素晴らしかったと思います。オススメの映画です。
沖縄クロニクル
昔いた会社の上司が沖縄出身で今だと70近い年齢の人だけど、飲み会の昔話で子供の頃は米ドル使ってたとか、子供が車の運転をしてたとか言っていて歴史を感じる話だなぁと感心したが、その米軍統治下沖縄のクロニクル。瑛太の引っ張り方は疑問だが実力十分な作品。ライティングが特徴的ですが、沖縄の青々とした雰囲気を考えればこれもとても面白い。ネットニュースで爆死したとか、監督がsnsで否定的な意見に突っかかったりしたとか変な扱いになってるが沖縄の歴史を真正面から捉えるような作品なのでゆっくりでも評価は広がると思う。東京では既に夜の上映は制作の東映だけなので、ロングランでもジワジワ広がっていってほしい。ちゃんと宣伝で米軍統治下の沖縄を描いたクロニクルだって書いてほしい。みんな沖縄ということは分かってるけど、よくわかわんねぇなと思ってしまっている。多分、説教臭くしたくないんだろうけど。。
変に小刻みな時間軸の折り返しをするのでそこが少し見づらい。
沖縄の痛みと怒り
長く感じなかった
映像化されて理解できる事
大統領行政命令、沖縄教育連合会、学生運動、アメラジアンの悲哀、軍雇用員の横流しなどは、復帰した後もしばらくは、大きく変わらなかったと私は感じています。
戦後から73年のオイルショックまで続いた日本の経済成長のような恩恵はなく、逆に朝鮮戦争を期に基地は拡張され、負担は増大したまま本土復帰を迎えました。ベトナム戦争後は引き上げて来た大砲や戦車が基地内に溢れていたのを思い出します。
75年に海洋博が失敗した頃、失業率は全国平均の3倍近い状態で、多くの若者は高校を卒業すると本州へ集団就職していました。給料日の夜には繁華街で米兵が大喧嘩、近所の川に遺体が浮いていた事もありました。事故や犯罪を犯した米軍人や軍属はフェンスの中に逃げればセーフなんて、普通に続いていました。
映画に出て来た「あんな事」や「こんな事」は、過去というより最近の話の延長にあったように思います。そんな風景が、フラッシュバックする映画でした。きっと、映画を観た多くの方々が、文字の限界を超えて幾らか「一緒に体験」されたと思います。この先、放送やオンデマンドを通して、また観たいと思います。そして、沖縄の様々なタイミングで話題になり、沖縄の新しい世代や、本土の多くの方に観て頂きたいと思いました。
spd
3時間惹き込まれました
なんくるならない沖縄
直木賞作品の実写化。3時間超えの描写は過去から現在に至る理不尽な立場に置かれたままの「沖縄」を再認識させる。私は大和の人間だけどウチナーに親族がおり肌で感ずる疎外感。明治時代の琉球処分から大戦での戦禍、現在でも民意に反し進められる辺野古基地建設や自衛隊南西シフト等常に日本の防衛戦略のフロントラインとして翻弄される沖縄。この映画、評価は割れているようですが政治的なメッセージが色濃く当然です。むしろその覚悟で臨んだ監督、俳優、スタッフに感嘆します。基地負担の少ない大和の人達に葛藤、怒りを分かって欲しいと伝わって来ます。「オンチャンの予定外の戦果」がストーリーの骨格ですが、ウタのような不遇な子は決して少なくないはず。元職の首相が「日米地位協定見直し」を高らかに謳ったものの辞任により言いっぱなしで終わる、これが今の日本。大事なのは我々大和の人間が決して忘れずに思いを寄せる事では。素晴らしい映画有難う。
観ておくべき爆死映画
ゴザ暴動を扱った サスペンス映画?
原作未読、”大作ポイ”予告編に釣られて、観ました。
ただただ編集・脚本が下手なので、時間だけが間延びした感があり
この映画を通して「何を言いたいのか?」という筋目が無い為に、
脚本も編集も撮影もまとまっておらず、ダラダラとストーリーだけがすすみます。
この原作は未読ですが、行くえ不明になった"村の兄貴"を探す目的の「冒険ミステリー」ではない筈
よって、原作が言いたかっただろう"題名の意味"が不明で、消化しきれていない映画でした。
監督も原作を読み切っていないと思われます。
永遠と長い"締めの種明かし"があるから、物語の点と点が結ばれて
とりあえずは、筋が通るのだが、それでも 内容が薄べったい映画でした。
沖縄を知りたいならば「テンペスト (原作:池上永一、2012年)を観るといいと思います。
全764件中、61~80件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。





