宝島のレビュー・感想・評価
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沖縄の
戦争中、戦後の沖縄の厳しい立場と人の苦しみを再認識した。現地の人にしたら、望まない戦争に一方的に巻き込まれたわけで、たまったもんじゃないだろう。簡単に理解できるものではないだろうが、戦争の残酷さと虚しさは相当なものだろうと。「アメリカとヤマトと二つの国から奪われて」というセリフが突き刺さる。
ストーリーは退屈な場面はなかったが、さすがに長くて終盤疲れたかな。
妻夫木聡も瑛太もベテランの域に達して演技もかなり熟練していて、落ち着いて感情移入出来ました。今後も楽しみ。日本語ペラペラの外人の役の人が何人かいたが、あれだけ流暢だと他の作品にも需要はありそう。
新聞や戦後生まれの人から聞いてた信実
新聞や戦後生まれの人から聞いてた歴史に残る事件が映像に先ずはスケールと引きこ混れる立体感があり宝島に没入出来た。戦後日本が日本にあるために真実を信実に正義取り戻すために唯一無二事件のことだと感じる!もう一回時間をおいてパンフレットや二子玉川の衣装展示を観返してまた違う映画館でみたいと思いました!!
沖縄の苦しみ
…沖縄は
終戦から1972年までアメリカの統治下
にあり理不尽なことで反発をもっていた
戦争が終わっても
沖縄の戦いは終わってなかった
終盤に妻夫木と窪田との対峙する所は
…感動する
レイ(窪田)の米軍には負けないと
戦いに挑む感情が凄い
それに対しグスク(妻夫木)
二十年、三十年後には幸せな時代に
なると泣きながらの演技
デモの風景とラストの暴動
の様子はスゴいと驚いたけど
エンドロールの写真の映像が
それ以上の人達でビックリした
…戦後八十年
確かにグスクが言ったように
沖縄も自由に幸せな時代になった
(米軍基地は残ったが)
でも世界情勢は戦争があちこちで起きて
レイの言葉が蘇ってくる
…妻夫木さんは
塚本晋也さんとのコンビはよかったです
でも"品"(上品さ)が邪魔したかなという印象
95点/☆4.5
本作は、直木賞受賞作・真藤順丈の小説を原作に、終戦から80年という節目の年に公開された歴史大作。
総制作費25億円、延期も含め6年の歳月をかけて描かれるのは、米軍統治下の沖縄。
物語は、米軍基地に忍び込み義賊として貧しい人々を助けていたリーダー・オン(永山瑛太)の失踪から始まる。
民の希望であったオンの行方を追う刑事グスク(妻夫木聡)兄を探しながら自分なりの正義を模索する弟レイ(窪田正孝)そしてオンの語った夢を信じ教師として生きる恋人ヤマコ(広瀬すず)
彼ら三人の運命が交錯しながら、1970年のコザ暴動へと至る過程が描かれる。
決して気軽なエンタメ映画ではない。
だが、この作品は沖縄の歴史と現在を知り、平和や命の意味を考えるための契機となる。挑戦的な構成でありながら、誠実な姿勢と力強いメッセージが観る者の心に深く響く。
返還前の沖縄で懸命に生きた若者たちの魂を、不滅の物語として刻み込む。
率直に言えば『国宝』のような娯楽性や親しみやすさはない。
3時間を超える長尺と歴史書のような重厚さは観客を圧倒し、ときに疲弊させるだろう。
それでも、この作品が持つ意義は計り知れない。
本土に住む人々にとって、沖縄といえば青い海や観光地のイメージが先行する。
だが、その地には唯一の地上戦が行われ、県民の4分の1が命を落とした苛烈な歴史がある。
教科書で触れるだけの事実を、本作は生々しく、しかし敬意を持って描き出す。
沖縄に生まれなければ理解しにくい複雑な感情、日本のようでありながらどこか異なる距離感。そして今も続く基地問題。
私たちはそれをどれほど真剣に考えてきただろうか。
確かに、人物の掘り下げが十分でない場面や、物語の方向性が一瞬曖昧になる箇所もある。歴史の全貌を網羅するのは不可能だったかもしれない。
それでも、本作は伝えるべき核心を明確に示し、その道筋を誠実に描ききっている。
終盤の「一度も平和なんて見たことない!」という叫びは、全編を通じた内なる声の凝縮。
沖縄には今も米軍基地が残り、戦闘機の轟音が響き、米兵による事件は今も後を絶たない。
「何をされても黙るのか、武器を取って耳を傾けさせるんだ」と叫ぶレイ。
「諦めずに対話を続け、信じるしかない」と応えるグスク。
正しい答えは存在しない。ただ一つ確かなのは、誰もが平和を望み、無駄な血が流れないことを願っている。
抑圧され、奪われ、声を封じられた人々の怒りが、やがてコザ暴動となって爆発する。
壊された故郷の景色。たわいもない歌や踊りに溢れていた日常。戻らない哀しみと行き場のない怒りを、沖縄は背負い続けてきた。
本作は、悲しみや苦しみを描きつつも希望を見失わない。
沖縄の美しい海を背景に、目の前の命を守ろうとする英雄の姿がある。
民は、懸命に生き抜くことで未来をつなぐ。どんなに不条理な現実でも、命がなければ何も始まらない。
主人公たちの生き様は沖縄の魂そのもの。
移民政策や外国人との軋轢など、現代日本が抱える課題は、沖縄が長年背負ってきた不条理と重なり合う。
私たちはどうすれば平和に生きられるのか。
簡単な答えはない。
だが希望を捨てず、目の前の命を大切に今を生きることの尊さを、この作品は確かに伝えている。
武器を持つことだけが戦うということではない。
英雄たちの志は、未来へと受け継がれていく。
役者さんの熱量は「国宝」に勝るとも劣らず
エキストラの皆さんも含め、妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さん、永山瑛太さん、瀧内公美と、役者さん達のもの凄いエネルギーを感じた作品。
正直、3時間超えという上映時間にビビりながらの鑑賞だったが、その役者さんたちの熱量のおかげであっという間に感じた。
終盤に差し掛かるまでは5点を付けたい!と思っていたのだが、ラストのまとめ方で少々トーンダウンしてしまったので0.5点減。
さらに、沖縄の言葉が恐らく原作に忠実だったんだろうとは思うのだけれど、ほぼほぼ聞き取れず、映像からきっとこういうことを言ってるんだろうな...という予想で進んで行ってしまう場面も割とあったので0.5点減。(若干分かりやすい言葉にするか、もしくはどうやっても理解不能な言葉のところではせめて字幕を付けて欲しかった)
ただ、終戦当時からの沖縄の方々が味わってきた辛さの何割かでも肌で感じることが出来たのは観る価値があったと思う。
ピエール瀧さんが出てこられたあたりで映画「凶悪」感を感じ、窪田正孝さん(やる方)・妻夫木聡さん(やられる方)の暴力シーンでは映画「孤狼の血」感を、永山瑛太さんには映画「福田村事件」で演じられた沼部新助感を感じてしまった。
にしても、皆さん、凄い役者魂を感じられる演技で素晴らしかった。
いろいろ書いたけれど、観る価値は十分にある作品だと思う。
(細部確認の為、原作読みます)
俳優陣による圧巻の演技を堪能
戦争と日本、戦争と沖縄、沖縄と米軍基地、
これがストーリーの背景にあるため、
非常に重厚なつくりあがりとなっている。
主人公グスク(妻夫木聡)が行方不明になった
英雄的存在のオン(永山瑛太)を探すために
刑事となり米軍と接触するなど、
さまざまな手を尽くすのが基本線。
グスクのみならず、
オンの恋人ヤマコ(広瀬すず)は学校の先生に、
仲間のレイ(窪田正孝)はヤクザになり、
それそれがオンへの想いを忘れずに彼を探す。
オンの徳尚(塚本晋也)とのバディ感が実に良いし、
オンの熱いキャラクターもグッときた。
ヤマコが沖縄返還運動に身を投じたり、
レイが過激になっていくところも、実に熱い。
特に広瀬すずの演技は今まで見たことのない表情が見れて
さらに一皮むけた感がある。
最後の30分はオンが辿った道のりが明かされるが
これまたジンワリ心に沁みるラストだった。
大友啓史監督とあって、
画面のザラついた感じや、敢えてヨゴシた人物の身なり、
スピード感と痛さを感じるアクションシーン、
どれも期待通りであった。
やはり圧巻は長回しの暴動シーンだろう。
このシーンのグスクの「なんくるならんぞー!」は
この作品で最も響いたセリフ。
笑うグスクも記憶に残る名シーン。
戦後80年、今なお解決しない基地問題。
沖縄だけに押し付けていいのか?をあらためて問うている
作品だと思う。
期待値まではいかなかったけど、作り手の魂がこもった渾身の作品、間違いなく邦画史に残る作品だと思う
全体的にすごく「おしい!」っていう印象
『国宝』に続き邦画の本気度がひしひしと伝わってくる力作、戦後から本土返還までを舞台にアメリカ統治に耐え忍び爆発するまでの怒れる沖縄を描く大河ドラマ
大友啓史監督の拘りとエネルギッシュな演出にグイグイ引き込まれ、あっという間の191分が体感1時間ぐらい、さすがです
“戦果アギヤー”が米軍基地に潜入・強奪するスリリングなオープニングから、小学校に米軍機が墜落し子供を含めた多くの死傷者を出した事件、膨大なエキストラで再現されたデモや暴動シーンなど、とにかく圧巻の映像が素晴らしい
そして今まで全く知らなかった戦後 沖縄の驚愕の歴史、すごく勉強になりました
能天気に綺麗な海や美味しい沖縄メシを楽しみに沖縄に行きたいなんて軽々しく言ってはいけないな、と思いました
そんな歴史を描く骨太の超大作、1つ不満で釈然としなかった所を挙げると、
沖縄の悲痛な歴史の中にも力強く生きた民衆の生き様を主軸に描いていて、とても見応えのある作品だけど、永山瑛太さん演じるオンちゃんの行方とその真相はいかに?というメインストーリーは要るかな?と思ってしまいました
妻夫木聡さんの演技は凄まじく、メチャクチャかっこよくもなっていて、素晴らしい役者さんになったなと感心しました
そして、それ以上に素晴らしかったのは窪田正孝さん、ヤクザの出で立ちがすごくキマっていてメチャクチャかっこいい、キレまくり演技も迫力があって素晴らしかったですね
ストーリーとキャラの性格上、バイオレンス描写も多いけど、それがまたすごくリアルで圧倒されました
沖縄言葉もあるとは思うけど、所々セリフが聴き取りにくいシーンがあって、昔の角川映画みたいだった(笑)
間違いなく2025年を代表する名作だと思います
力作だとは思うけれど
191分、大作だし力作だし、役者さん達は熱演しているし、言いたいこともしっかり伝わるのだけれども…
面白いか面白くないかと聞かれたら、面白いとは言い難い。
ところどころ冗長に思える部分もあるし、セリフが聞き取り難いところが多々あるし、若い人達はともかく年輩の方々の沖縄の言葉には字幕をつけて欲しかったなどとも思う。
飽きはしないけれども前のめりにもなれない。
惜しい!という感じ。
島んちゅぬ宝
難しい映画ではないが見方が難しい映画
終戦後から沖縄返還くらいまでの期間を、沖縄の史実をふんだんに織り込みつつ、行方不明になったリーダーとその彼が手にした「戦果」とは何だったのかを追うミステリー仕立てになっているのだが、史実があまりにも暗く重くシリアスなため、ミステリーをミステリーとして純粋に楽しむことができず、心をどこに置いて見たらよいのか迷う、見方が難しい映画だった。
とは言え、心配してた沖縄弁も恐らくマイルド沖縄弁になっていて聴き取りやすかったし、映画のセットやエキストラの数も圧巻で、オールディーズと沖縄民謡が並行して流れ、当時の沖縄の雰囲気や熱量を十分に感じることのできる映画だった。演者の演技も凄まじく、特に窪田正孝の演技がもっとも心に響いた。一方で、ちょっと荒いなあと感じる映像も特に終盤に所々あり、原作の小説を超えることの難しさもやはり感じてしまった。
戦後80年、沖縄の基地問題が根本的に何も変わっていない未来を知っている我々に、主人公たちが語る明るい未来が心に刺さった。
3時間超えの上映時間にまず驚かされるが、鑑賞した感じではもう少しコ...
伝わるだろうか···
沖縄返還は、私が小学生の時の事だ。
ベトナム戦争は、どこか遠い話だったけれど、それまで普通に日本だと思っていた沖縄が返還されるというニュースは「えっ!沖縄って日本じゃなかったのかぁ」と無知な小学生には記憶に残る出来事だった。
歳を重ね、少しはわかった気になっていた沖縄の事だが、当時の人々の犠牲や傷みを簡単に知った気になってはいけないなと、あらためて思い知らされた。
あまり使いたくない言葉だが、「今の若者」にどれだけのリアリティを持って伝わるだろうかとも感じた。
「今もそこにあるもの」なのに。
観る前には泣くかも知れないと心の準備をして臨んだが、泣くことは無かった。
主演俳優たちの熱量は、ものすごく感じられたが、少し重たかった気もする。そのせいか、塚本晋也がとても良かった。自然な感じにホッとした。と言いつつ、私は今回のような窪田正孝も嫌いじゃないが。
ただ、とにかくオンの失踪の伏線回収までが少し長い気がした。
全体的な長さもそうだが、それぞれの役にスポットライトをあてている時間が長過ぎて、時折チョット嘘くさい画になってしまっている時があったように感じた。
たくさんの人に観てもらい、この作品についてのお喋りをしてもらうことが、大切な一歩のように感じる。
凄まじい思いのこもった映画
邦画は大作慣れできていない
制作費25億円という邦画では破格の予算規模で3時間越えという超大作なのでかなり期待して初日に観てきました。
率直に言うと、期待を越えるどころか肌に合わない作品でした。
どこかのレビューでは、オープニングシーンにて登場人物の歯が汚くて服がボロボロでリアルさを感じ、掴みからこの作品への安心感を感じすぐ没入できた…と言っている人がいたが、自分はその見せ方が過剰で演劇のような演出に見えて逆に入り込めなかったポイントでした。(終盤のあるシーンでスローモーションになるのですが、今どきこんな古い演出するの!?って心の中でツッコんでしまいました…)
物語としては、50年代から60年代後半頃までの沖縄の歴史を背景に、主要人物たちから姿を消したキーとなる人物を探し求めるドラマが描かれていく訳ですが、その人物を長年探し求める動機がイマイチ弱く感じ、終始登場人物の熱量ある演技を冷静に俯瞰している自分がいました。
また、映像面での残念ポイントが多く、かなり予算をかけている割には、よくある民放ドラマを映画化したような感じで、街や風景描写や人物などが、寄りの映像が多く、スケール感の大きさや沖縄の空気感を感じ取ることができませんでした。
総じて痛感したことが、日本はハリウッド作品はおろか、ハリウッド以外の洋画や韓国映画などにも遅れをとっていると思います。
日本の俳優や制作スタッフは民放ドラマが主戦場であり、その規模感やノウハウを映画にスケールアップさせる手法が、良くも悪くも今日の邦画市場の土台になってしまっていると感じます。
最近では、低予算だが個性的で尖ったインディペンデント系邦画が注目されたりする機会が多くなったような気がしますが、限られた予算で面白いものをつくることを美徳とする国民性を感じ、映画産業においてはマイナスに働いていると考えてしまいます。
この邦画市場の硬直的な性質が、海外の大作と比較して映画のポテンシャルやダイナミズムをイマイチ引き出せていない一因になっているのではないかと思いました。
金は掛かってる
もう我慢の限界だ!!
物語の辻褄やオープンセットの狭苦しさ、妻夫木の歯が白すぎるなど気になる所もなくもないが、
香港のノワールの様な質感。3時間を飽きさせない中だるみのない話運び。沖縄本土返還50周年のNHKの肝煎り企画『ちむどんどん』では一切描かれなかった(描けなかった)米軍の存在。字幕が欲しくなる程の徹底した方言の生むリアリティ。『国宝』に引き続きマンガ原作でないエンタメ作品として十分楽しめる、世界に出しても恥ずかしくない作品が出来た事がとても嬉しい。
オープニングタイトルで日本語と英語が併記されていたので海外を多分に意識しているのでしょうが、少しやり過ぎな気がしたかな。
役の重要度からしてアーヴィンの役はハリウッドのある程度名のある人がやっていたら作品に箔がついたのでは。
などと無い物ねだりもしたくなる。
沖縄の話だし、戦後の沖縄の切実さも分かるので同じ目線で語るのはおこがましいとは思うが、
現代日本の特に現政権に対する庶民の怒りや無力感に通じるものを感じた。暴力でも振るわなければ話を聞いてももらえない、よしんば話を聞いてもらえても権力に潰されてしまうという話。山上の安倍暗殺事件を思い出さずにいられない。
そんなわけで暴動が始まった時のカタルシスが物凄くて、エキストラの手抜きのない演技も相まって思わず落涙してしまった。
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