宝島のレビュー・感想・評価
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作られ方が気になった
総論としては良いと思うのだけれど、
ここにも書かれているのも見ると、勢いを大切に
やり直しなしでやろうみたいなのかな
と思った。いろいろ考えた結果。
俳優さんは熱量あるので、あれを何度もやっては現場では厳しいでしょうし。
ただ、やっぱり言葉が聞き取れないので、
感情が付いていけずに、
すごい冷静に見ちゃってて、残念かなという印象。
年号をバンと見せちゃう感じなら
基本の言葉説明は別途あってよかったかなあという印象。
展開が急でよく分からないというのもあったなあ。
邪推すると
この映画は証券化で作られて
電通なんかも入っているから
ビジネス的にスケジュールが切られて
追われる感じで
クリエイティブが二の次になったんではと
想像してました。
なんだかもったいない。
そういうことを言いたい映画ですね。
題材は良いのにみたいな。
最近の映画のレベルが高くて
そう思っちゃうんですねえ。
自分の目で確かめて良かった。
迷いを強いられて
いつの頃からか、沖縄の基地負担、基地移設による環境破壊等、沖縄に関するニュースが気になりはじめ、チェックするよう心がけてきました。
しかし、この作品を通じて、「本土」に暮らす人間として、それだけで十分なのかという迷いを強くすることになりました。
後半のグスクとレイの禅問答かのような想いのぶつけ合いが全てを表現していました。当然、「想い」は口にすることなくして協議にはならないものの、口にすることの虚しさを染み付かせてしまった歴史が間違いなく沖縄には存在していたんですよね。そして、多くの方がどちらが正しいのかと迷いを強いられているのかと想像しました。
そんな歴史をダイナミックな映像で、ほんの少し垣間見ることができた気がします。
一方で、沖縄の空気感、丁寧な表現ということだったかもしれませんが、全体を通して若干間延びした感じを受けました。
これまでの作品でも、「遠い山なみの光」でもそうでしたが、広瀬すずさんの迷い、葛藤と戦う演技が本作でも光っていましたね。
「いつになったら笑える日が来るんだろ」、ヤマコの言葉を沖縄の方たちはどう聞いたんだろうと気になりました。
理想を信じるか現実をねじ伏せるか
本土に見捨てられたあの時代の沖縄の怒りと咆哮を見た気がするよ
良い悪いは知らないけれど
この怒りと咆哮はまだ終わってない
なにげに興味深かったのが
本土復帰に反対してた人もいたって所
まぁ今も基地の建設に賛成してる
地元民もいるもんな
雇用とドルの利益ってのは確かにあるんだし
ジャンル的にはハードボイルドになるのかな?
想像してたよもかなり地味な作品だった
盛り上がりも確かにあるけど
全体的にはかなり地味
でもセットや各種小道具のクオリティは抜群に良かったと思う
暴動の描写はかなり良かった
しかし
恐らく原作ではしっかり描かれたであろう
各勢力のドラマがかなり端折られてる気がする部分はちょっと減点
愛憎部分の描写はもう少し削ってもよかったんじゃないかな?
それとウチナーグチが達者過ぎて
なに言ってるかわからない場面が結構あって困った
字幕付けるのもなんか違う気がするしなぁ
難しい所だ
三時間以上あったけど
国宝よりはよっぽど物語に入り込めたからそこまで長くは感じなかったな
まぁある意味
真相を暴くミステリでもあるから
退屈しないで観てられただけかも知れないけど
俳優陣の演技力が爆発
大友啓史監督の映画は好きなのですが戦後の沖縄をリアルに表現する為の沖縄の言葉が分からず…
最後にやっと「あーそうゆう事が⁈」と理解出来た感じでした(笑)
字幕が欲しかったです。
永山瑛太さんがもう役にハマり過ぎてカッコよかったです。
窪田くんはカメレオン俳優ですね!凄い迫力でした。
すずちゃん、妻夫木くんも相変わらず表現が上手くて…
言葉が何言ってるのか分からない場面でも俳優陣の表情でなんとなく分かりました(笑)
いつの時代でも子供は未来の宝ですね。
未来の宝に希望の持てる日々を生きてもらいたいと思うのは昔から今も変わらないなと思いました。
まだまだ現代でもニュースに上がってくるような事がある沖縄ですが日本国全体の問題だと考えさせられました。
前に進みたくても進めない状況をどう生きるか…
感情、環境、経済…いろんな表現のある作品でした。
何を訴えたいのか
なんか盛り上がりに欠ける映画。単調。何を訴えたいのかよくわからない。
もう少し緩急付けたりしてくれないと。3時間は長いし、途中で早く終わらないかな?って思いました。
俳優の無駄使い。
オンちゃんを探す理由も薄い。
色々盛り込みたかったのかもだが、欲張り過ぎて、逆に発散して、まとめられてない感じ。
個人的には最後もイマイチ。
テレビでやるのを待って、録画したら倍速再生で2時間弱に短縮して見ても、、、時間の無駄かな。
今のインバウンドの外国人も含め、排除したい気分になってくる。外国人って基本的に自分勝手だよね。そんな輩に親切にする必要ないし、そもそも来て欲しくない。
ただ、今の日本人も外国人に似てきて、自分勝手な輩が多い。
映画館で観てても、斜め後ろに座っていたジジイの独り言がウザいし。ビニールっぽいものをゴソゴソと。
どなたかのコメントにありますが、妻夫木の歯の白さは気持ち悪さを感じた。
あと、ハッピーマンデーで安く観れて良かった。正規の値段だったらかなり後悔した。
戦後沖縄で理不尽と向き合った人々の物語
191分という長尺にも関わらず、スクリーンに釘付けになった作品でした。舞台は戦後の沖縄。理不尽な苦しみが日常にあった人々の姿が生々しく描かれ、登場人物たちがオンに寄せるリスペクトや、オン自身のリーダーシップの基になる人間性や行動には心を打たれました。それゆえにアメリカから危険な首謀者として長い間追われ続けるストーリーにも、物語の重みを増しています。
広瀬すず演じるヤマコの演技が特に印象的で、戦闘機墜落後のオンと回想シーンやグスク・レイとのやり取りを通して、なぜオンを想うのかが強く伝わってきました。彼女の芯の強さと揺るがない想いは、セリフ以上に表情や立ち振る舞いで感じられ、物語に深みを加えています。
演出は視点が人物ごとに切り替わるため、それぞれの行動や心理の意味を想像しながら観る必要があります。191分間、頭フル回転で見ていました。伏線の張り方や心理描写が巧みに練られているので、原作読後や2回目の鑑賞だとまた見方が変わるのかもしれません。
映像面では、当時の沖縄の街並みや暴動の場面の緊張感がリアルで、制作費の高さやスタッフのこだわりを感じました。音楽はアメリカンポップ調で、戦後の重いテーマとのコントラストが独特の異質感を生み出していました。
全体を通して、理不尽や苦しみに直面したときの行動の選び方、人それぞれの正義や信念の形、そして他者の想いに想像力を働かせることの大切さを改めて考えさせられました。英雄とは何か、現代におけるリーダーシップに置き換えて考えてみたいと思います。理解が追いつかない箇所もありましたが、それすらも考察の余地として楽しめる映画です。歴史や人間ドラマ、社会の理不尽と向き合う力を感じたい方にぜひ観てほしい一作です。
沖縄県の受けたキズ!怒り!差別!を観ろ
俳優陣の気迫に乾杯
【傑作】万人受けはしないが、超絶に見るのをお勧めする
終われない物語が終わるとき
沖縄の歴史が圧倒的な熱量で映像化されている。
それだけでも見るに値する映画だと思う。
だが、この映画の良さはやぱり登場人物それぞれの持つ物語だと思う。
戦後というのは大人が子供に後ろめたい思いを持ち続け、大人が子供に明るい未来を託し続けた時代のように思える。
そんな時代に一緒に過ごした少年少女たちの、それぞれの物語。
彼らは若かったころの物語をどうしても終わらせることができず、大人になったのにどこかで成長しきれていない。
が、オンの失踪の真相を知った時に、あの頃の物語がようやく終わる。
英雄とは。
子供という存在に未来と希望を見て、それに賭けていくような姿こそが英雄であり、大人の姿なのだ、と思えた。
もう一つの日本戦後史
自分は、全編アメリカ占領下の沖縄を舞台にした映画を、始めて観た。
戦果アギャーの存在も始めて知った。
戦後20年目に産まれた自分でも、沖縄のこの時代の事は殆ど知らない。
だから、もう一つの日本戦後史として、当時から現在まで続く、理不尽さによる沖縄の人達の苦悩を知る意味でも、観る価値があると思う。
そして、ラスト近くの場面、向こうが武器を持つなら、こっちも持たないと話など聞かないと叫ぶ、テロを企図したレイの疑念に、それでも理想を言い続ければ、いつかは変わる、それを信じると説得するグスク。
最近、核武装を言い始めた一部政治家に対し、そんなものは本当の平和じゃないと否定する、多くの日本人の姿に重なって見えた。
最後、個人的な事を言えば、ヒロインの広瀬すずは幼過ぎた。木竜麻生か石橋静河なら、成長した後の苦悩を上手く演じられたかもという印象。
全てのポイントはスタッフ・キャストに
原作未読、沖縄返還を覚えている還暦のマタゾウすらうろ覚えの沖縄戦後史と、それらを背景として主人公たち数名の十数年にわたる物語をつづる、3時間越えの大作。まずは全編にわたる美しい映像は、スタッフの努力が忍ばれ、見ていて嬉しい。またそもそも沖縄の戦後史について一つのエンタメ作品として広く留めることの意義は評価されるべきであり、近過去をきっちりエンタメ化してきている韓国映画にも比する価値がある。役者陣は窪田正孝が最近こんな役が続いていて可哀そうな気がするが、妻夫木聡、広瀬すずも含め皆安心して見られた。ポイント3点は絵作りにかかわった皆さんに。
一方で脚本・演出は残念だったと言わざるを得ない。冒頭の基地内での銃撃戦、トラックにジープが追い付かずバンバン座席を銃撃するのには興覚めだったが、その後約2時間は「アイリッシュ・マン」のように(言い過ぎですが)遷移する物語を楽しむことができた。
問題は暴動後の基地内から海岸にかけて。とにかく現実味がない無理筋が連発で、これまで積み上げた骨太っぽい物語がガラガラと崩れる。映像や演技が勿体ない。突然でてきた妊婦話に驚いていると、その子供がウタで、近くにいるみんなが探しまくってるオンの消息をバリバリ知っていると…。君ら刑事になったりヤクザになったりして何年も探してたんじゃないのか?第一あんなオープンなところに死体が何年も放置されてたら白骨化の前に台風で散逸してしまうよ!ネックレスだけが爺さんのところに流れてったの?(なお当方、前半でオンちゃんのネックレスに気づいていなかったので個人的には伏線回収されず。失礼)
繰り返しになるが、あまりに重い史実を踏まえた暴動までの展開には満足が行っていたのに、しめくくりの30分で台無しになったというのがマタゾウの率直な感想である。
ヒットした「るろ剣」はドラマ部とアクション部の乖離が激しかった。評価されたのは「ドラマを背負ったアクション」だと思っている。「レジェンド&バタフライ」は木村拓哉と綾瀬はるかという豪華すぎるキャストが活かせず間延びしていた。そういうわけで大友監督はまだ信頼できていない。今作が3時間越えと聞いてまた間延びを危惧していたが、その点は問題なく、長期間にわたるドラマを飽きることなくつないでいた。それだけにスジの練り不足が残念だ。(追記:大友監督、時間的制約があるTVドラマの方が向いているのでは?)
なお当方が確認した多摩から埼玉の劇場はどこも最大キャパのスクリーンではなく中小スクリーン、しかもかなり余裕がある状況。当方はミニツーリング込みでイオンシネマ大井へ、17時からの回で観覧者は7-8人でした。
字幕欲しい
今年ナンバーワンの超大作映画!
戦後の米軍統治下に置かれた沖縄という「日本」でありながらも「日本」とは異なる政治的立場に置かれた、その複雑さと孤独感が、作品全体に流れる静かな怒りや悲しみと相まって、強く印象に残りました。歴史を知識としてではなく、「感じる」「考えさせられる」機会を与えてくれた映画だったと思います。
舞台セット、映像美や音楽も素晴らしく、重いテーマを扱いながらもエンターメント性として最高の作品だと感じました。特に、ラストシーンは涙なしでは見られませんでした。あの瞬間に込められた祈りや決意は、観る者の心にしっかりと残るはずです。また、その製作者のメッセージに共感を覚えました。
大好きな沖縄の歴史や戦争の記憶に向き合うだけでなく、「人がどう生きるか」を真正面から問いかけてくる作品です。観終わったあと、自分自身の在り方や、今の社会の中で私たちが見落としているものについて、じっくりと考えさせられました。
まだ観ていない方には、ぜひ一度足を運んでいただきたい映画です。心に残る一本でした。
沖縄については特に戦後の状況やら米軍基地の件から結構本を読んでいた...
沖縄、日本の歴史、戦争というものがよく分かる素晴らしい映画!
大好きな沖縄の歴史を知らなさ過ぎて、申し訳なくなった…。あの美しい沖縄の海や自然に魅せられ毎年のように行っているが、日本人として、今まで沖縄の辛い歴史を知らなかったことを恥ずかしく、心が苦しくなった。
『戦争』というものの現実と国の政策に翻弄される生活者の心の叫び、とにかく、日本の歴史を知る上で1972年に日本に返還されるまでの沖縄、日本の歴史が良く分かり、現在の世界の状況を踏まえ、考えさせられる映画で、キャストの演技力、その時代に生きた人々の想いがそのまま伝わってくるような本当に素晴らしい映画でした!
3時間30分という長い映画ですが、あっという間です。
戦後80年に相応しい、日本人全員に観てもらいたいと思う映画でした。このような映画を制作してくださった大友監督に感謝感謝です。
沖縄は今もまだ「戦後」なのかも知れない
‟遠い山なみの光”に続く広瀬すず出演作。“遠い・・・”と本作、全く同じ1952年に始まり、方や長崎、方や沖縄というどちらも戦争で大きな傷を背負った地が舞台、さらにはそれぞれ30年と20年という長い時の流れが描かれる。すずファンにとってはこんなにも共通点の多い作品が同時に上映中という偶然に不思議な感慨を覚えながら、観賞を楽しみにしていた。
【物語】
物語は1952年から始まる。終戦後もアメリカの統治下にあった沖縄、住民は戦後も大きな精神的抑圧を受け続けていた。そんな生活の中でアメリカ軍嘉手納基地などから物資を奪い、生活困窮者らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれた若者たちがいた。その中心に居たオン(永山瑛太)、グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)は幼なじみで、オンはこの地の若者の英雄的リーダーだった。しかし、ある夜いつものように嘉手納基地に侵入して物資を持ち帰ろうとしていた彼らは、アメリカ軍に追われて散り散りに命からがら逃げる羽目になる。仲間を先に逃がしたオンは彼らの下に帰って来なかった。
数年の時が流れ、グスクは警察官、ヤマコは小学校教師、レイはヤクザになっていたが、彼らはそれぞれオンを探し続けていた。一方、依然としてアメリカ軍に支配され続ける住民の不満はくすぶり、鬱憤は溜まり続けていた。
【感想】
知らなかったわけではないが、沖縄は戦後27年にも亘ってアメリカ統治だったことを改めて見せられると・・・
本土が復興を経て、高度成長・東京オリンピックに湧いていた頃、沖縄はまだまだアメリカで、札幌オリンピックの頃にやっと祖国復帰と聞き、「言われてみれば確かにそうだった」とそのことが忘却の彼方にあったことに気付かされた。 劇中島民の会話に「本土に見捨てられた」とあるが、「本土から忘れ去られていた」というのがより正しい表現なのかも知れない。本土の人間も戦後しばらくは生きるのに必死だったはずで、他地域の人のことを考える余裕は無かったのは当然だろうが、高度成長で意気揚々としていた頃には大半の国民は沖縄住民の苦渋は意識の彼方に追いやっていたのでないだろうか。
そして1972年の返還で沖縄の長かった「戦後」は終わったと思いがちだが、劇中のセリフで「基地はそのままなのか!」で、基地がある限り彼らが背負って来た荷はまだ下ろされていなかったことを知った。
そういうことに(今更ながら)気づかされ、思い出しただけでも本作を観た価値はあった。
また、過去のこととしてではなく、考えさせられ、刺さることシーンも有った。
終盤、俺にとってはクライマックスと言える基地の中でのグスクとレイの口論、いや思いを吐き出す咆哮の応酬。武力で対抗しようしなくとも、いつか人は今の理不尽さに気付き真の平和が訪れる日が来ると「人間」を信じようとするグスク、武力のバランスでしか対等な平和は実現しない、「それが人間だ」と主張するレイ。グスクの考えに賛同したいが、50年後の世界情勢を見ればレイの考えが正しかったように思えてしまう、残念だが。
その一方で、レイの考えに基づいて現在の世界情勢を考えれば、米軍を追い出したかったレイの希望とは真逆の結論になると思う。沖縄の米軍基地は日米安保的に考えれば、日本にとっての最大の軍事脅威である中国、ロシアに対する軍事拠点として非常に重要なはずで、米軍基地は存続必須になると思うからだ。なんとも皮肉な話だが。
もし、日米安保を放棄し、独力で国を守ろうとすれば今の何倍もの国防費等々国民の負担増加は計り知れない。 ただ、国家的に考えればそうだとしても、過去も現在も沖縄県民の負担と犠牲が圧倒的に大きいということを本土に住む人間は認識し、理解することが必要なんだと思う。 例えば辺野古基地問題で、沖縄県知事等が強硬な態度をとるニュースを見ると、俺自身「我がままではないか。国家的視点で考えれば我慢すべきではないか」とついつい思ってしまいがちだが、沖縄県民からすれば「今までどれだけ我慢してきたと思っているのか。未来永劫沖縄だけに我慢を強いるのか!」ということになるのだろう。恥ずかしながら本作を観てやっと実感。 沖縄の声を理解し、国家として必要な負担・我慢は本土も含めて平等を目指すように配慮することが必要なのだと思う。
そんなことを日本国民に伝えようとする監督、キャスト他、制作者サイドのとてつもなく熱い思いがビシビシと伝わって来る作品だった。また、それだけでなく妻夫木、広瀬、窪田の熱演も光り、人間ドラマとしても楽しむことができた。
ただ、「25億円の製作費」を感じることが出来たかと言うと若干疑問符がつくかも知れない。なんでかなと考えて気づいたことが一つ。一番金が掛かっているのはコザ騒動シーンと思われる。 おそらく大友監督が本作で一番描きたかったのは沖縄の人が強いられた“我慢”であり、コザ騒動は鬱積した不満の大きさを示すシーンとして、監督的にはクライマックスなのだと思う。ものすごい数のエキストラの動員で確かに迫力が有った。しかし、コザ騒動はストーリーの軸であるオン・グスク・ヤマコ・レイ、4人の物語と直接関係が無い(彼らが意図したものでも望んだものでもない)。つまりストーリー的なクライマックスではないのだ。ストーリー的クライマックスは前出のグスクとレイの対峙だと思う。 さらに、言えば宣伝文句の「消えた英雄の謎」を解くミステリーのクライマックスはまた別にある。 つまりクライマックスが分散してしまった感は否めない。観客はやっぱりクライマックスで一気に高揚する気分を味わいたい。その点、製作費ほど盛り上がり切れなかったところがあったかも知れない。
鑑賞前、本作を応援したい俺としては「25億円の制作費」と聞いて興行的にも成功することを期待していたが、初動を見る限りどうやら興行的には失敗(大幅赤字確実)が見えてしまった。初動は出来の良し悪しにはあまり関係せず、作品イメージとかプロモーションに依存するわけだが、本作しかり、“遠い山なみの光”しかり、「戦後」を描いた作品は「重いテーマ」を想像させ、現代の映画ビジネスでは厳しいのかも。本作は若者にこそ観て欲しい作品だが、自分の周囲を見回す限り鑑賞者の年齢層はかなり高く、若者に興味を持たれていないことは明らかだったのは残念。
不満も書いたが、25億円の制作費に応じてチケットが高額なわけではないので、沖縄県民の負担を理解し、平和の維持について考える機会を持つことができることに加えてエンタメ性も兼ね備えている本作は十分観る価値がある作品だと思う。若い世代にも是非観て欲しいと願う。
受け止め方はそれぞれでも、それぞれの心に一石を投じる
行方不明になった反骨の男を中心に、それぞれの立場で回り続けるコマのように止まれない若者たち。
(窪田正孝にこんなに骨太な血まみれが似合うとは!)
沖縄の歴史の暗さと沖縄人の苦渋は、戦後生まれで、島人じゃない私には想像し尽くせないに違いない。(本州人じゃないけどね。沖縄の人は本州を本土と呼び、北海道の人は本州を内地と呼びます。)
何度も行ったあのきれいな海の底には、抑圧と戦った沖縄人の生血と、理不尽に耐えた沖縄人の胆汁が沈んでいるのかと、初めて気づいた気がする。
「沖縄」を知ったのはまだ子どもの時、本土復帰のニュースに釘づけになっていた両親の後ろ姿を覚えている。テレビでは車の車線が右側から左側に変わったと現地レポしていた。
2度目の「沖縄」は友達との旅行。鉄道がないことをその時知った。そして幹線道路に沿って延々と続く金網の威圧感に驚いた。
その後、仕事で1泊2日で行くこともあった身近な沖縄だけど、明るさと爽やかさが私が持つイメージの全てで、だから、この重い映画が沖縄を代表してるとは思わない。
不屈の明るさが沖縄にはあると思う。
映画の中には沖縄風土や習慣を丁寧に描写するシーンもあって、この映画に関わった人がどんなに沖縄を大事にしているかもわかる。
特に葬送のシーンなどは細やかに描かれていて感心する。
全736件中、441~460件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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