宝島のレビュー・感想・評価
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幻想の…
面白くなくはないんだけど、あまりにも皆がいつまでもオンにこだわり続けるところ、当のオンの奇想天外とでも言うべき運命、大規模ながらセットにしか見えないコザ暴動シーン、そしてあまりにも黄色い画面作りのお陰で、史実に基づいているにもかかわらず「幻想の戦後沖縄史」とでも言わざるを得ない映画になっている。
大友啓史監督の代表作「るろうに剣心」が「幻想の幕末明治史」であったように。
あまりにも長い上映時間のかなりの部分が叙情をかき立てるために使われているのもそういう印象をもたらす原因にもなっている。
本作は戦後(台詞においては『戦中から』にも言及しているが)沖縄の置かれた状況と課題に切り込む、大友啓史監督初の社会派作品かも、と思われただけにそういう方向に振ってしまったのは勿体ないと思った。
芸達者ばかりが集められた役者陣は、ちょっとディレクション不足なのか広瀬すずを除いてややぼんやりした印象。
ただそんな中、本作でも瀧内公美がやっぱり持ってった。最近ちょっと劇薬過ぎる気がしてきたけれど…
長かったけど、集中できた
公開順から、ブラックショーマンを先に観たかったが、今日のランチの関係で宝島を先にした。
ブラックショーマンもこちらも、映画COMでの点数はあまり高くない。
大友監督もあまり相性は良くない。
監督作品の秘密に至っては、たぶん最初で最後の1点をつけた。
一抹の不安はあったが、
結果的には良い作品だったとは思う。
ただ心に残るかと言われれば、
あまり刺さらなかった。
テーマも重く後世に伝えたい内容だとは思う。
長尺の割には、それほど中だるみもなかった。
なぜ刺さらないのだろうと自分なりに考えてみたが、脇から支える俳優さんがいないからではないかと思った。
国宝の渡辺謙さんや田中泯さんなど、重厚な役どころの俳優さんがいなかったからではないかと思った。
今回、うた君役がとても良かった。
青年役の方はメンズノンノの専属モデルみたい。これから期待。
幼少役の子も良かった。
うた君の最期が…
そろそろ
賛否両論かなぁ🤔
史実と創作の絶妙なアンサンブル
ここ1世紀のあいだに、ヤマトンチュはウチナンチュを三度裏切ったと言われる。
第一の裏切りは、アジア太平洋戦争末期の1945年。敗色濃厚の中で軍部が掲げた「一億総玉砕」を、沖縄は文字通り実行した結果、住民の4分の1を失う大惨禍を経験した。だが沖縄戦が終結した6月23日からわずか二カ月足らずの後、2回の原爆投下とソ連参戦に屈し、大日本帝国は「一億総玉砕」どころか白旗を掲げて降伏した。
第二の裏切りは1952年。日本は占領を終え、”形式的に”独立を回復したものの、戦場とされた沖縄は切り捨てられ、米軍施政下に置かれたままだった。
第三の裏切りは1972年。沖縄は念願の“祖国復帰”を果たしたものの、県民を蹂躙した米軍の駐留はそのまま温存された。
まさに裏切りの連続である!
本作は、第二の裏切りである1952年を起点に、祖国復帰目前の1970年に勃発したコザ暴動を最大のクライマックスに据え、沖縄の復帰までを描いた作品でした。と同時に、その時代を生き抜いた若者たちの青春群像劇でもありました。
まず心を奪われたのは、当時の街並みの再現でした。米兵向けに「特飲街」と呼ばれた繁華街は、空気感を含めて圧倒的なリアリティを放っていました。ホステスやアメリカ兵、地回りが入り乱れる雑踏は、まさにその場にタイムスリップしたかのようでした。
また、創作でありながら史実を巧みに織り込んだ展開も印象的でした。ヒロイン・ヤマコ(広瀬すず)が勤める小学校に米軍機が墜落する事故は、1959年の宮森小学校米軍機墜落事故を下敷きにしたと思われます。さらに物語終盤を左右する毒ガスの存在も、1969年に実際に嘉手納基地内でサリン漏出事故が発生したことが報じられており、そこから着想を得たものでしょう。米軍基地にサリンやVXガスが保管されていた事実を踏まえれば、沖縄で反基地運動が高まったのも当然です。
そしてヤマトンチュや米国に対するウチナンチュの複雑な感情表現も秀逸でした。裏切られ、蹂躙された相手に好意を抱けるはずはありません。しかし現実には米軍関連産業で働く住民が数多く存在したのも事実。特飲街のバーに「返還反対」のビラが貼られていたのは象徴的でした。米軍を糧とする人々が多い一方で、本作の見せ場であるコザ暴動では、バーで働くホステスのチバナ(瀧内公美)までもが鬱憤を爆発させ、観客に強烈なカタルシスを与えていました。
俳優陣の熱演も光りました。主人公グスクを演じた妻夫木聡は、かつて米軍から食糧を奪い配給する“戦果アギヤー”の一員で、リーダーのオンちゃん(永山瑛太)の行方を追うため警官となりました。彼がウチナンチュ代表として、米軍高官アーヴィン・マーシャル(デリック・ドーバー)や、通訳の小松(中村蒼)らとの駆け引きには凛々しさが漂い、抑制的な立場であった彼ですら、コザ暴動では激情を爆発させて胸のすく場面を生みました。
一方、同じ“戦果アギヤー”からヤクザの道に進んだレイを演じる窪田正孝も圧巻。優しさと怒りを同居させた人物像を見事に体現していました。やがて二人は対決するものの、共にオンのもとで働いた仲間であり、オンの恋人ヤマコを交えた青春の記憶は彼らの絆そのものでした。ついにオンの行方が判明する場面は、物語全体のハイライトであり、観客に深い衝撃を与えました。
以上、物語、俳優、演出、映像、音楽どれをとっても非常に高いレベルの作品でした。
そんな訳で、本作の評価は、「国宝」に続いての今年2作目の★5.0とします。
字幕版希望
「20年目の秘密」って?
まずは、自分が沖縄について知らなさすぎること。これで映画の面白さがかなり削られたのだと思う。
それは予告編(出演者コメント付き)で言っていた「20年目の秘密」というものにイマイチピンと来なかった理由であるとも思う。
映画「室町無頼」と似た感じに見えたのは、虐げられた人達の我慢しきれないところでの行動ということだろうか。
アメリカ占領期の沖縄を描いた力作ですが……
戦後の沖縄史を民衆の側から捉えた作品をビッグバジェットの映画として製作されたことはすごいことだと思います。その意味で多くの人に見て欲しい作品でしたが、残念ながら一本の映画としては満足のいく出来栄えではなかったです。
3時間超の長尺でありながら、描くべき主要登場人物やそれに絡むサブキャラクターが多く、エピソードも多彩であるため、それぞれの印象が薄いというのが全体の感想。
物語を引っ張るべき、オンちゃんの英雄っぷりが今一つ理解できないため、残された3人がなぜそれほどまでに彼を探し、待ち焦がれるのかも、ややピンとこないのです。映画内の時間経過とともに、いくつもの伏線のようなものが描写されますが、中途半端に回収されていくだけで、物語が奇麗に収まる気配を見せません。
コザ暴動も丁寧に描こうと思ったのでしょうが、スケールの大きさや絵的な派手さはあったものの、物語の本筋とは微妙にずれているため、民衆の怒りの表出が途中でブツっと切られて、主要キャラたちによるラストの展開になるのですが……、ここから「え? 何その茶番?」「そんな結末になるの?」「それはあり得ないだろ!」という、最後の最後でツッコミどころと落胆が凝縮された数十分間に……。
序盤こそ面白く見れましたが、中盤やや退屈になり、トンデモ展開のラストで終わってしまい、力作ではあるのでしょうが、鑑賞後に満足感はありませんでした。
広瀬すずさん
タイトルなし(ネタバレ)
1952年、米統治下の沖縄、米軍基地から物資を盗み出して住民に分け与える「戦果アギヤー」の若者たち。
嘉手納基地潜入の際、失敗により首領格の青年オン(永山瑛太)が姿を消す・・・
といったところからはじまる物語。
物語は、弟分グスク(妻夫木聡)の語りで進められるが、オンの実弟レイ(窪田正孝)の物語も等分で進められる。
そのため、どちらを主眼にして観進めるか迷ってしまう。
刑事になるグスクの物語も興味深いが、ヤクザになるレイの物語の方がシンプルな分、観客に届きやすいから厄介。
オン、グスク、レイの3人から愛される女性ヤマコ(広瀬すず)も登場するが、三人の愛の物語には収斂せず。
物語の決着は、途中から登場する米兵との混血児ウタ(栄莉弥)に委ねられるが、ウタの立ち位置がミステリー要素を醸す役割しか与えられていないように見える。
原因としては、脚本の整理が出来ていないという感じ。
「観客が知っていること」と「登場人物が知っていること」の整理ができておらず、「登場人物が知らないこと」を安易に回想シーンとして描いていたりしている。
まぁ、テレビドラマの手法か。
脚本は、高田亮をはじめとして、計3人クレジットされているが、高田亮の原脚本に対して、撮影や予算の制約から大友監督と大浦光太が手を入れたのではないかと思料。
終盤の取って付けたようなミステリー的要素や、その前のあまり伏線がないようにみえる『太陽を盗んだ男』的展開、さらには回想シーンの多用など、終幕近くの底の浅い不味いエンターテイメント味になっている。
贅沢なコース料理のデザートが不味かったみたいな印象が強いな、と。
なれど、グスクが何度も放つ沖縄の扱いに対する憤り、痛いほど胸を穿つ。
また、憤り・鬱屈の噴出としてのコザ暴動が、感情の熱気を巧みに表現していて、胸が熱くなったのも確か。
戦後80年の今年、社会派エンターテインメントの力作。
観るべき作品である。
個人的には国宝よりこちら推し
いやぁ~叩かれまくってますねぇ~
ここの点数も日を追うごとに下がって来ていて、東映もソニーもがっかりですかね。
ただ、個人的には役者の演技もカネのかけどころも大ヒットの国宝より遥かにこちら推しですね。
あちらは架空の歌舞伎家元を舞台にした大河ドラマ、こちらは史実をベースにしたミステリーという違いもあり、題材がより自分好み(どちらも原作は未読ですが・・・)ということもあるかもしれませんし、過去の鑑賞経験から自分は李相日監督作品より大友監督作品が好みなのかも知れません。
最近流行りの尺長め、かつ、時系列を前後させまくる作りなので、これはちょっと受け付けない人がいるのではと思いましたし、自分自身もどうも話がとっ散らかってるなと感じてたんですが、後半怒涛の展開&タネ明かしが行われ、鑑賞後は大いに満足感を得られました。
ただ、リアリティを追求したためだと思われる沖縄方言がわからない部分が多々あったことと、(上映環境のせいかも知れませんが・・・)カネをかけた割にはフォーカスも解像度も甘い画質がずっと気になったこと、そして東映作品にまま見られる大人の事情的&意味不明な端役キャスティングはなんとかならないかとも感じました。
興行成績に関しては、配給元の違いでここまで差がてるものかとちょっと驚愕していますし、ネガティブなニュースもちらほらですが、変な先入観を排除して多くの人に観てほしい良作だと思います。
後半からの追い込みがすごい
国宝を先週見たばっかで長いと感じていたためこの映画はかなり身構えていたがそこまで苦ではないほど長くは感じなかった。ところどころよく分からないシーンとか方言がキツすぎるシーンがあるし前半は特に印象的なところがない。ミリオタとしてはもうちょい航空機映して欲しかったなぁ。B52の話してるのに出てくるのがc130はがっかりした。まあ予算的にCGとかが難しかったんだろうけど。
でも後半の抑揚とかがすごく沖縄県民の怒りが色々な形で表現されていたのがとても良かった。結構結末とかどうせこうなるでしょって読めるタイプなのに全く分からず伏線回収に驚きとてもすっきりした笑。沖縄出身の祖父と重なるシーンがかなりあり沖縄を知る上でとても良い作品だった。
かなり難しい映画だし国宝とか面白くないと感じる人は無理かもね。
映画館で観てよかった
広瀬すずの演技力は変わらず凄かった。
オンちゃんが失踪した理由が理解できず。
またなぜそこに行くのかそこあったのかも必然性がわからず。
失踪後の情報もなぜそうなるのかが理解できなかった。
セリフが聞き取れないところが多かった。
ナレーションをもっと入れて説明してもよかったと思う。
思い切ってヤマコの要素を削り、刑事になったグスクとヤクザになったレイの2人に焦点を絞ると良かったかもしれない。
史実に基づく重いテーマだか、そこにエンタメ要素を入れてこその商業映画であり傑作になるはずだし重いテーマも多くの人に届くと思う。
最大のエンタメ要素である謎解きが理解できず自分の理解力を残念に思う。
時間の長さは気にならなかった。
映画館で観てよかった。
「こんな状態がいつまでも続くなんてもう人間じゃない。」
松岡茉優主演の『フェンス』というドラマで,沖縄のいまを知らな過ぎた,知らされなかったことに気が付いたことと,『遠い山なみの光』での広瀬すずの一皮むけた演技に感心したことをきっかけに,この映画も観てみようと思いました.
『国宝』級の長時間の映画でしたが,広瀬すずはもとより,妻夫木聡や窪田正孝らの演技も素晴らしく,また,中半から目を離せない展開になり,それほど長時間であることを感じさせない映画でした.
1952年から1970年のゴザ騒乱までを取り扱っていますが,「戦果アギャー」の存在から「ゴザ騒乱」そのものまで,いままで知らなかったことが恥ずかしいです.
セリフがところどころ聞きとれないところがあったり,暴力シーンが多いのがちょっといやでしたけれど,「こんな状態がいつまでも続くなんてもう人間じゃない。」というグスクの言葉が深く耳の奥に残りました.
心を揺さぶられた。最高に面白かった。
最初観たときすごく面白くて、役者が素晴らしくて、内容の濃さに圧倒された。
観終わってから宝島のことばかり考えてしまい、2回目を観てきた。こんなことは初めて。
1回目より倍以上面白かった。
一度観たことで少し落ち着いて観られて、役者の凄さをさらに味わえた。
とにかく妻夫木聡、窪田正孝が素晴らしい。瑛太もカリスマ性があってすごく良い。広瀬すずがこんなに上手いとは知らなかった。4人とも素晴らしく良かった。
役者たちの演技を観るだけでまず価値があった。
「はい、ここで泣いて」というような分かりやすさや媚びがなく、こんなに意識の高いまま作られ、この映画が公開まで行ってること感動した。儲け主義じゃないと言うか。
どこまでもテーマに対して真摯に本気で向き合っていることを感じた。それをこの規模の映画でやりきるって、日本の映画で他にあるのだろうか。
初めて映画に対して、他の人にも観て欲しいと思った。なので初の口コミ。拙くて申し訳ない。
素晴らしかったです。3回目も観ます。
大作ではあるけれど‥
その熱量に圧倒される。
とにかく凄かった。凄まじい物を見た。
それが見終わってすぐの印象。
3時間越えの大作ながら全く無駄なシーンはなく、むしろこれだけの内容なら2部作にしてもいいのでは?と思えるくらいに"濃い"作品でした。
脚本演出等、全てが完璧な作品だとは言いません。
でも、そんな事気にしてられないくらいに圧倒的な没入感と熱量を感じられた3時間でした。
スクリーンで見て心から良かったと思える大作でした。
まずは見て。
戦後の沖縄の実情を登場人物達と追体験し、その上で何を感じ。何を考え。これからどう生きるのか?
それを問われるような作品でした。
エンタメ作品ではありますが史実に根付いた重厚なテーマが奥には横たわっており。
一種のドキュメンタリー映画的な側面もあり、そこも非常に切実な作りに感じさせられました。
この映画そのものが、沖縄県民が今まで言いたくても言えなかった声なき声の代弁者になっているのではないか?
そう考えると胸が痛みます。
今年の邦画だと"国宝"と並ぶくらいの作品だと思います。私個人としては日本人のアイデンティティーを問われる本作の方が、国宝よりも更に高いポテンシャルを持っているようにさえ感じました。
アメリカ占領下の沖縄という、これだけセンシティブな話題に深く切り込んでくれた情熱に感謝。
今の沖縄と、これからの沖縄に目を向けていきたいと思いました。
史実に基づいているからか重たい、政治的思想に偏りを感じた
妻夫木聡、広瀬すずはじめ、俳優人は素晴らしい演技力の方ばかりでした。
大友啓史監督なので、観てみましたが、政治的思想に偏りを感じました。
私の考えとは明らかに違いますので、なんでこれを観なきゃいけないの?とまで思い、途中3度も時間を確認して、まだ終わらないの?いつ終わるの?早く終わって、長過ぎるよと心の叫び…
大友啓史監督ってこんな感じだったのかぁ…なんか、残念でした。
史実に基づいているのかもしれないが、取り上げたところに偏りがある、世界平和を願う気持ちはわからなくはないですが、
捉え方は人それぞれ、
私は、同感は出来ませんでした。
国宝は美しくあっという間に時間が過ぎましたし、また観たいと思わせてくれる作品でしたので、比べてしまうと宝島は、面白くはない映画でしたね。
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