宝島のレビュー・感想・評価
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沖縄の方言は難しい…
予告から気になってた映画で鑑賞しました!
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク、ヤマコ、レイの3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオンだった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。
やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。
消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
というのがあらすじ!
戦後の沖縄の話でなんとなく知ってたぐらいでした
悲惨な事件や事故が起こっても日本の法律で裁けなかったりこんなにも酷いことがあってたなんて知らなかったです
コザ暴動が起きたのも納得!
ほんとに不満が溜まりに溜まって我慢の限界がきたんだと思いました…
オンはなんとなく生きてないんだろうなとは思ってましたけどやっぱり亡くなってましたね
序盤の女性の叫び声は出産のときの声で予想外の戦果は子どもだったんですね
それがウタだった!
でも亡くなるとは思わなかったです
オンが守ったウタが亡くなったのは思い結末でした
気になったのがそこまで取り乱して泣くほどグスクとヤマコとレイはウタと関係性や絆が深かった?
付き合いがあったぐらいでそこまで絆が深かった描写がなかったような気がして🤔
みなさんの気迫が伝わってたし演技はとてもよかったです!!
飛行機が墜落してヤマコが泣くシーンとかすごかった…
でも沖縄の方言が何言ってるのかわからないことが多々あった…笑
英語もあるし海外の作品かと思っちゃいました笑
原作があるらしいので読んでみようかなと思います!
いい映画をありがとうございました😊
ちょっと私には難しかったようです😅
期待度○鑑賞後の満足度△ 最後まで飽きずに観れた点は評価するが成功作とは言えない。焦点が分散していて、未読だが多分長い原作を時間内に納めた所謂ダイジェスト版の謗りは免れず。俳優陣が熱演だけに惜しい。
①“沖縄”の痛みや苦しみ、怒りが殆んど皮膚感覚で感じられない。
第二次世界大戦後に冷戦がはじまり中国が共産主義国となった20世紀後半の世界情勢からすれば“沖縄”に基地を置くことは地政学的・戦略的に意味があるというか仕方がなかったことは頭ではわかるとはいえ、心情的には私たちヤマトンチューに「沖縄の米軍基地の半分でも本土に移してやらなくては」と思わせるくらいの劇的インパクトが欲しかった。
その辺りのユルさは『福田村なんとやら』という映画と共通している気がする。上部(うわべ)だけをなぞっているというか、そういう型に嵌め込んでいるだけというか、没入感とまでは言わなくとも一体感がないのだ。
②「コザ騒動」がクライマックスかと思ったらそうではなかったし(でももっと迫力があっても良いとは思ったー予算とか考えたらこの辺りが現代の日本映画の限界かも知れないけども)、その後の嘉手納基地内の一幕は却って「コザ騒動」のインパクトを薄めたしまった。(ただ、窪田正孝の演技は素晴らしかったし、ここでの彼の台詞がほぼ唯一“沖縄”の痛み・怒りを語っていた。)
③つまるところ、行方不明になった兄貴分の消息探しの話と、戦中から始まり現代まで続いている“沖縄”の苦難の歴史とが有機的に結び付いていなくて、どっち付かずの中途半端な印象が強い。
④例えば、グスクとマーシャルとの友情の描き方も台詞とショットとで説明するだけで、クライマックスの嘉手納基地のシーンでグスクがマーシャルに向かって“トモダチ”と呼び掛けるシーンは取って付けたようで白々しい。
たとえ短時間であっても2人の心が触れ合ったことが印象に残るシーンを一つでも入れておけば良い伏線になったのに...(そういうシーンがある映画は枚挙に暇はない)。
➄窪田正孝の好演は上記の通り。
広瀬すずも『遠い山なみの光』でも好演だったけれど、本作も好演。特にラストのオンの遺骨を納骨した後に浜辺でグスクと砂浜に座って話し、その後立ち去るシーンで、“なに言ってるの、この人”みたいな表情(私にはそう思えた)が、昭和の名女優(高峰秀子や田中絹枝、三宅邦子たち)の表情を彷彿とさせてビックリした。
妻夫木聡は、(これまでも何本も主演映画はあるが)本作の様な大作の主演を背負って全く危うさのない俳優によく成長したものだ、と感慨を抱かせる円熟味を見せる。
しかし皮肉なことに、グスク役の妻夫木聡がカリスマ性や存在感を放つほどグスクが兄貴と慕い憧れるオン役の永山瑛太にそれほどのカリスマ性が無いのが際立ってしまう。瑛大は若い頃は良い俳優だとご贔屓だったが中年期に入ってやや伸び悩んでいるようで寂しい…
現時点でのご贔屓である瀧内公美は大した見せ処のない役でつまらない。
⑥嘉手納基地でのレイとの遣り取り、またラストの浜辺でのヤマコとの会話の中で、グスクが「いつかは良い状況に変わっていく」みたいな未来志向というか希望を持たせるような如何にも万人向けの娯楽映画を締めそうな台詞を吐くが、現代に至っても基地の島“沖縄”を巡る状況は当時と殆んど変わっていないのが分かっているだけに実に白々しく響く。
いや、「いつかは“沖縄”が本当の意味で“沖縄”の人達の元に還りますから」なんて何も出来ないヤマトンチューの口からはとても言えませんから。
もっと暗い(救いのない)終わり方をした方がこの映画の劇的インパクトは高まったと思う。
⑦大友啓史はNHKにいた頃は『ハゲタカ』も『龍馬伝』も全話観ていたしTVドラマとしてはなかなか力量もあり面白い演出をする監督だと思っていたけれども、本作では特に巧いとか唸らされる様な演出は一つも無かった。
星三つで良いと思ったけれども俳優陣の熱演・好演に⭐半分オマケ。
考えされられる…
テーマがテーマなだけに映像全体が暗く、全編沖縄の方言のため聞きのがしや意味がわからない場面はありました。
最後の30分で回収できるので、戦果がなんなのか、オンちゃんが何を成し得たのか、全部見えて、途中わからなくてもなんとかなりました。
ただ、この映画は意見が二極化しそう。
3時間の長編であり、記述の通りなので周りに眠っている人もいましたし、上映後に「あれってどういう意味?」など内容を確認し合うお客さんがいました。
私は素直に面白かったです。3時間とは感じないくらいでした。
グスク、ヤマコ、レイが終始目をかけていたウタがある意味オンちゃんの忘形見とは…
全てわかった時に、海辺でウタがヤマコの傍に座り寄り添うシーンが蘇り切なくなりました。
それにしても、この方達こんなに素晴らしい役者だったとは…わかっていたけど遥かに上回る演技力でした。
この作品を見るまで今年のマイアカデミー賞は国宝でしたが、私的にはこの作品もかなりいいところまで来てます。
次に沖縄行くときは少し気持ちの持ち方が変わるかも。
戦果の正体
アメリカ統治下の戦後沖縄。米軍人による理不尽な扱い、本土に見捨てられた絶望感、そして貧困に苦しむ人々。
米軍基地に忍び込み物資を盗み、人々に還元する若者たち「戦果アギヤー」の20年を描いた物語。
戦果アギヤーのリーダー、アンちゃんの失踪。彼を追うために刑事になったグスク(妻夫木聡)の目線で語られていく物語。グスクは刑事として真っ当な正義感で平和を願うのだが、、。
中盤は暴力描写が多く観ていて辛かったですが、沖縄の人々の苦しみを表現するためのものと捉えました。
見どころは、当時の人々の暮らしや事件が史実に基づいて描かれていることと、失踪したアンちゃんの戦果の正体。「宝」とは。最後の、米軍と対峙したシーンで、この作品の意義を感じました。
3時間と長いですが、見応えのある作品と思いました。
近年、稀に観る駄作
結論は、監督の自己満足作品。
日本独特な意味不明のオンパレード。
要は、具体的な部分は映像化したら批判をくらうから、察してねとばかりに事件の結果ばかりを観せてるだけ。更に反米感情を抱かせないようにアメリカ人の卑劣な行動や言動はひた隠しにしている。
だから、観客が感情移入も一切できない。このシーンは何を伝えたいのかを常に考えないといけない。こんなのが3時間も続く訳で。方向性も支離滅裂で一体どこに向かうのかが見えてこない。世界仰天ニュースのように要所要所で解説が入っていたなら、このシーンはそういうことね、と繋がりも見えてくるのだが。それがないので話が全く繋がらない。せめて妻夫木がこういうことだよと伝えてくれていたならねー。
やたらと暴力シーンは多いけれど、単に痛々しいだけで、何のための暴力シーンかも分からない。アメ車をたくさん、みんなでひっくり返して動かすのばかり。アメリカに対しての暴動なんだろうが、アメリカ人の卑劣さが全くシーンにないので、爽快感も一体感も生まれない。妻夫木がやたらと滑稽に高笑いして笑い倒してるのが不気味でしかない。呆れてる場面なんだろうが、何に対してのメッセージか伝わらない。
本当に筋書きを書いて作ってるの?と思えるくらい、あちこちに話が飛んでまとまらない。
結局は、監督がただ作りたいだけで作った作品。もっと観客目線で、気持ちの揺さぶりを考えて作っていたら、こんな駄作にはならなかっただろう。
周囲の観客も途中からスマホを取り出して時間を調べたり、LINEをしたり。退屈している様子。宝島というタイトルをつけるなら、もっと沖縄の素晴らしい場所や音楽を
もりこんだら良かったのに。綺麗な南国の海、首里城、沖縄民謡、沖縄料理。だからこそ、この宝物の島を守らないとねってメッセージ性を込めていたら印象も変わったのに。海のシーンなんて、大砲を撃ち込まれるシーンくらいしかない。
上映が終わって、出口に向かうおばちゃん2人の会話。「長かったなー。お尻痛いわ」「わけわからんかったわ。何を伝えたかったんやろ?」
この会話にこの映画の全てが集約されてます。
戦後の沖縄返還の映画を真剣に作るのであれば、アメリカから反発を招くのを承知で作って欲しい。その覚悟がないのであれば、沖縄返還の映画を作る資格はない。こんな中途半端な作品にするなら作らない方が良い。沖縄の人にかえって失礼になる。自分たちがされた酷いことを示して欲しいはず。アメリカ人に拉致、監禁、無理性交のシーンや暴行されたシーンを見せることで反米感情が湧き、それを握り潰されることで憎しみが湧く。そして、反撃をする人たちを一緒に応援することで気持ちの一体感を生んで、映画に感動するのに。18禁で年齢制限して。この映画はモヤモヤした映画だった。韓国映画なら思いっきり発散させて、楽しめただろうなー。
今の日本の現状
今回も又、素晴らしい俳優人だが…
大友啓史監督またやってしまいました。
前作「レジェンド&バタフライ」も、木村拓哉、綾瀬はるかと渾身の演技でしたが演出、脚本がダメダメで、まったく面白く無かったです
今作も 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝と熱演でしたが、あまりにも長い上映時間、後半に向かうにつれ中身が間延びしてダラダラ。寝落ち寸前。
ラスト伏線回収も理解出来ず
原作「宝島」。真藤 順丈氏の意図するところを理解してるのか疑ってしまいます
三度目は残念ながらありません。
戦後の沖縄を舞台に時代に抗う若者たちの姿を描き、第160回直木賞を...
戦後の沖縄を舞台に時代に抗う若者たちの姿を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説「宝島」を映画化。妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら豪華キャストが共演。「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督がメガホンをとった。
悪くはないけど
[追記]
タイトルと内容を不快に思われる方がいたので、変えました。
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お金と時間を膨大にかけたであろうこの作品、けっして退屈はしませんでした。
しかし、社会問題を扱ったのか娯楽大作として作ったのか中途半端な感じがします。
「お金かけて撮ったんだからカットするのはもったいない、あれもこれも詰め込んじゃえ」と考えたとは思いませんが、もう少し何を描きたいのか整理して2時間半くらいにはできたんじゃないでしょうか。
国宝が口コミで観客動員を増やしたけど、この作品は難しいかなという印象です。
どんな映画か聞かれても説明しにくいし。
せっかく日本映画もお金をかけて大作を作る環境ができてきたのかと思ってただけに、もう少し自分が描きたいものより客を呼べるものを作ってほしかった。
辛口でごめんなさい。
期待ハズレ。中身がないし、長過ぎ。
オンちゃんが本当に望んだ事は...
公開3日目に鑑賞しました。初見直後は正直、期待が高かった分拍子抜けしたのですが、その夜に眠れずに本作のプロットを反芻している内に、味わい深いメッセージが込められている事に気付きました。それを語るには、種明かし後の内容に触れないわけにいかないので、これ以降は全力でネタバレします。
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1. 不確かなオンちゃん像
初見で感じたのは、「島の英雄」と称されるオンちゃんの人物像の不確かさでした。宣伝文句や映画序盤ては、テロリズムも辞さない「英雄」像のようにが煽られていた。しかし、本編で友や恋人が語るオンちゃんは、周りを気遣う優しい人。特に悪石島以降は、監督者に逆らわず使役に準じ、貴重な食料を与えてまで拾った子の世話に終始していました。戦果アギヤーで高まった「運動家」「革命児」のイメージと、拾った子を守る為、理不尽な使役に耐える男の実像には大きな乖離があるのです。鑑賞直後はこの乖離がしっくり来ず、オンちゃんを必死に探すに主人公の気持ちにもあまり寄り添えていませんでした。しかしその夜、眠れず寝床で映画の内容を反芻していて、本作が描きたかったのは、正にその乖離にあったと気付き、合点がいった。
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2. オンちゃんの志とは?
オンちゃんが行方をくらました以降、弟レイは反社として米軍に抗っていました。恋人のヤマコもデモ等を通じて米軍に抵抗していました。その根底には、オンちゃんの「志」があった筈。もし今彼が此処に居たら、行うであろう行動を慮れば、手段こそ違っても、米軍による支配を放置しがたい気持ちになったでしょう。しかも、レイに至っては化学兵を誘拐しVFXガス攻撃まで企てていました。しかし、それって本当にオンちゃんも望んでいた戦い方だったのでしょうか?
浮浪児ウタが重症を負い、連れて行けと懇願された海岸でオンちゃんの最期の日々を思い知ると、彼がそこまで攻撃的な人間だったか疑問が湧きます。1952年、偶然生まれたばかりの乳児を託されたオンちゃんは、組織の人間に悪石島に送られます。ヤンチャなオンちゃん一人なら、逃亡する機会も狙えなくもない気もするのですが、彼がそうしなかったのは、託された他人の子を見捨てられなかったからに違いありません。そう彼は常に無鉄砲に暴れまわる人間ではなく、困った人を見捨てられない人間なのです。そもそも戦果アギヤーだって、儲けようとした理由でなく、住民に物資を分配する為でした。
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3. 不在が歪めるリーダーへの忖度
オンちゃんのリーダーシップは、彼が実在した1952年までは周りの者にとって間違いなく希望でした。しかし、彼が不在になった後は、寧ろ「虚像」が呪いを生んだのかもしれません。オンちゃんがいたらどうする? オンちゃんがいない分、自分が頑張れねば! その力みが、VFXガスを準備するまでの歪みを生み、オンちゃんが命懸けで救ったウタまで死に至らしめたのです。現存しないリーダーの意思を勝手に慮り、活動を先鋭化するのはとても危険なことなのだろう。
期待しすぎましたかね
キャスティングに頼り過ぎ。
音楽に頼り過ぎ。
そんな気がします。
面白かったけど期待したほどではなかった、、正直そんな風に思いました。
「たぎる」
演者が宣伝でよく語っている言葉。
確かにたぎっている。
でも、泣けるわけでもない、怒るわけでもない、怖いわけでもない、笑えるわけでもない。
つまり、たぎっているだけ。
広瀬すずの演技の幅がこの映画を大作未満にしていると思います。
日本の女優ってこういう人が多い。。。
そういうところが作り物感を増幅させるんですよね。
沖縄の問題。
日本の問題。
数十年前の様々な戦後の問題を題材にしつつ、大友監督が伝えたかったことはなんとなく分かる気がしますが映画でなければ伝わらないことが特にないような気がします。
ストーリー的に解せないところもありました。
長いのはしょうがないかな、と思います。
が、トイレに立つ人がいるのは気が散る。
もっと覚悟のある演者で覚悟のある作品を期待します。
観て損はないそれなりの作品だけど沢山の得や徳があるかと言われると、う〜ん。
平和とは
戦後の沖縄を史実をもとにしながら描かれた作品で、本土とはちがう状況での人々の暮らしがすごく胸を打ってきた。
今のタイミングだからこそ、色んな人に見てほしい作品だった。
おんちゃんという英雄を追い求めるために、それぞれが違った道に進んでいくところが辛くもあった。何が正しいのかをすごく考えさせられ、最後の最後に別々の道を歩む三人がおんちゃんが遺したものに気づいたところで安心できた。
平和とは何か、やり返すことは本当にいいことなのか、今の世界が抱える問題にも通じるものを感じることができた。
本土復帰するまでのコザの25年間
「アキサミヨー」戦後すぐ、コザで住民や自分たちが生き延びるために悪ガキたちが基地泥棒を繰り返していた頃の英雄譚。映画では裸足と汗や日焼けにはこだわっていたらしい。
SONY、東映、電通。
真藤順丈さんの原作(講談社刊)もaudibleで松本健太氏の朗読で拝聴しました(合計18時間超)。
沖縄の史実を踏まえたアクション活劇。主要登場人物たちはいずれも原作から。
(VXガスとヤクザとフェンス越しの基地が原作の裏テーマとも言えるのだけど三時間かけた映画なのに説明描写がもの足りなかったように思う。)VXガスが、そもそもわかりにくいのだから、怖さが伝わりにくいのでは? 仮に毒物が「サリン」だとしても、小説上ならともかく、映画では緊張感は出しにくい。缶に何が入ってるかわからないのだから。登場シーンの少ないレイをいきなり出してきて、ほいよ、VXガスを作った、これから基地で脅すために使うよ、という唐突な計画説明は、脅迫相手(グスクや米軍のお偉いさんたち)に信用性が低い。これは原作でもそうだったと思うが、映画でも唐突にやってしまったためにせっかくのクライマックスが不自然な展開に。
米軍側に、毒ガス技術者が誘拐されているので焦りがあるとかを、あらかじめもっとちゃんと見せないと(バーの黒人が英語で語ってはいたが)。あとリアルには、あの程度のマスクでどうにかなるものではないだろう(レイの自爆テロだったとしても)。レイの「計画」の信憑性が低すぎるので、そのあとの白骨死体のある洞窟でのウタによるオンちゃん逃亡生活の長い語りも信憑性が薄まっていた。残念。
コザ騒動(「コザ暴動」とも。言い方でぜんぜん変わる)は、1970年のクリスマス直前に、コザで起きた現実の事件であるが、対アメリカ軍相手の騒動であったにも関わらず、死亡者はゼロだったという(負傷者、逮捕者あり)。
とは言え映画で再現していたような混乱は起きていたらしい。ただ、映画の直後の基地内の出来事は小説のフィクションなので、もし本当に死んでいたら死者一名ということになってしまう。
いま、これを主題にした映画製作が可能だったことが単純にすごいとは思う。やりすぎないように、史実を踏まえて再現したのだろうけれど、迫力はあった。仕方ないのだろうが、基地内の描写が非常に少なかった。
基地に侵入できた時代があったのは確かだろうから。
クライマックスの1970年というと、大阪万博があった年で、有名人でいうと阿部サダヲさんとか岡村隆史さんが生まれはった年で、比較的近年なのである。
であるけれど、皆忘れている(生まれてない方も多かろう)。アメリカはベトナム戦争をやっていた最中である。ベトナムでは「地獄の黙示録」や「プラトーン」のようなことがあった。
アメリカ軍も狂気に満ちた戦争にはまっていたのだと思う。ただ犯罪容疑兵士たちの処分は甘く、基地の町の人々の人権はとても軽んじられていた。
そもそも沖縄は、明治維新で日本に組み込まれたあと、昭和になって米軍の沖縄上陸戦で、地上攻撃や自害を強要されたなどの悲惨な目に会い、戦後も基地の島として米軍統治下での混乱状態がながーく続いたということなのだと思う。
若い人たちにこそ、見るべき映画だと思う。昭和のオキナワ史をここから学ぶのもありだろう。コザ騒動と本質は違うのかもしれないが、本土、東京では1969年には東大安田講堂攻防戦もあった。東京のど真ん中の事件なので有名だが。
グスクだけを主人公にするなら、リュウケイ(琉球警察)の雰囲気とか、原作通り中盤で警察やめて「探偵」になっていたりした方がコミカルで妻夫木聡の雰囲気にも合う。
原作と比べると、瀬長亀次郎氏に関する言及とか、語り手の主観みたいなところはことごとく取り除かれていた気がします。それでもラスト近くの基地内でのVXガスのやり取りなど原作とは少し異なる形ではありますが、なんとかおさまっているのにこの映画の運命を見ました。(役者陣に苦労のあとが見えました。)
あの日突然消えた「オンちゃん」が、どこまで行って死んだのか(まだ生きているのか)の謎をずっと探っていたのが弟のレイと、刑事になったグスク。それを体現しているのがウタと呼ばれるハーフの子供(劇中の数年で若者に育つ)。ウタを主人公にしてウタと義父オンの生涯を知ることがたぶんこの原作の隠しテーマだろう。でももっとフロントにだすべきだったのかも。(最後に飛び出して射殺されるという悲しい結末)
御嶽(のような場所?)で生まれた赤ん坊のためにずっとこの物語が語られてたのだから。(そもそもの着想がどこで湧いたのか気になりますが)どうせやるなら、ハーフの子どもたちをほかにもたくさん出すべきだった。現代に作る意味はそこにあるのに。(すこし違うが「スワロウテイル」みたく)
映画版では、PG12にはなっていたけれど、そこまで残酷な場面はありませんでした。もちろん人によるのだが。たとえば、小説版(朗読版)では戦果アギヤーたちは武器を収奪し、それを使用しながら逃走するのだけれど、映画版では武器は一切奪っていないことになっている(なっていたと思うが、彼らは撃たれていた)。
コザの歓楽街がわりとメインででてくる(つまり嘉手納基地の恩恵を一番受けているということ)のだが、原作ではヤクザ、不良、政治の話がてんこ盛りなのに対してその辺はスパッとカット。
映画「宝島 HIRO'S ILAND」
映画を観た後では、オンちゃんは、永山瑛太、ヤマコは、広瀬すず、グスクは妻夫木聡、レイは窪田正孝を想起させるようになりました。
かなり駆け足で物語に入ってゆくものの、ずっとそのまま駆け足で終わってしまった感あり。三時間超はそれほど長くは感じられないものの、半日はまるまる潰れるのだから、大作には大作なりの責任がある。
映画と原作は異なることも踏まえてはいますが、音楽も良かったし、美術や衣装さんも頑張っていたことがとてもわかるのですが、世界中の子どもたちにみせたいのなら、原作で一番弱点の部分、「ハーフの孤児のウタの生涯」「なぜオンが英雄なのか」「少年時代に泥棒だったグスクが警察に入って苦労したり得したエピソード」「リーダーの女だったヤマコが独身を貫いて教師になりさらに強い女になってゆくエピソード」「兄をさがすために悪石島まで渡って兄が生きた痕跡を見つけたけど首飾りをもらって愕然としたエピソード」などをしっかり書いてほしかった。原作を映画でやればそれぞれが三時間ずつやってもいいくらいの分量があると思う。
九月公開の理由がなぜだかわからないが、沖縄戦終結の六月にするか、全国が終戦に向かう八月にしとけばよかったのかも。あとは思い切って冬にするか。とにかく尺も公開も伸ばしすぎだった。コロナ等での延期につぐ、延期があったらしいけど。
迫力だけはある‼️❓
グスクとレイの対峙シーンでの言葉に魂を揺さぶられた。 人間としての...
沖縄の負の遺産をテーマにしたことは良いけれど
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