「映画化は愚策やないんけ」宝島 yujin23duoさんの映画レビュー(感想・評価)
映画化は愚策やないんけ
真藤順丈原作、大友啓史監督、トーキョードリフトのGO言うてた奴主演の大作邦画。
25億の製作費がポシャりかけている現状、色々レビューを見かける内に気になったので実際見に行ってみました。
その結果としては……まあ……そうですね、映画化はちょっとムズかったんやないかと思います。
まず、当時の沖縄の心情や背景を割と追体験出来た所はマジで良かったと思います。
コザ暴動の場面も割と臨場感があり、今まで耐え兼ねて来た怒りを爆発させたカタルシスがありました。
……が、本筋のオンちゃんを探すミステリーがどうも微妙な印象です。
沖縄の怒りとオンちゃん探しの繋がりが、なんかこう、絡み合ってはいるけど、噛み合わせが悪く感じたんですよね。密接に絡み合って無いといいますか。
そんでもって20年間の中で様々なキャラクターのドラマを余すことなく見せつけようとした結果、拭えないダイジェスト感が生まれ、一つ一つのシーンの噛み合わせの悪さも発生している訳です。
特にグスクとアーヴィンの下りはダイジェスト感の影響をモロにくらっておりまして、二人の複雑な関係性も中々伝わりませんでした。
正直これより前に見た「国宝」の方がまだ取捨選択が上手いと思います。
あと、冒頭のカーチェイスのカメラワークのしょぼさや、一部ラノベチックな描き方のキャラがいたのも気になります。面白かった所と不安な所が50:50ですわ。
個人的なアイデアですが、これはNETFLIXでドラマとして作った方がもっと出来が良かった気がします。
東映よりも潤沢な予算で作れたかもしれません。もっとじっくりとした尺で作れたかもしれません。
そんでもってNETFLIXなりに大々的にマーケティングを行って、もっと当時の沖縄の心情を広く伝えることが出来たかもしれないんです。
あとアーヴィン役ももっと有名な俳優を呼べたかもしれません。(デリック・ドーバーさんの演技も中々良かったですが)
兎にも角にも全てを過不足無く映そうとしたのならば、映画では無くドラマでやった方が良かった気がします。
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