劇場公開日 2025年9月19日

「ミルク給食の時間」宝島 giantstepsさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 ミルク給食の時間

2025年10月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

とても良い作品でした。
私には、教師になったヤマコ(広瀬すず)が素朴な子どもたちにミルクを注ぐ穏やかな時間からの窓辺に集まる児童たちのざわつき、それに続く惨状が強烈に心に刻まれました。
帰宅して「沖縄 小学校 戦闘機」で検索し、宮森小学校米軍機墜落事故のことを知りました。証言動画も見てこんな悲惨な事故があったのかと心が痛みました。
アメリカからは、死者は4500ドル、重傷者は障害に応じて2300 - 5900ドルの補償金が支払われましたが、この額は被害者側の要求の1割程度に過ぎないという。4500ドルは360ドル/円換算で162万円、当時の物価は現在の約6倍(消費者物価指数 : 1959年17.2、2024年110.0)を考慮しても1千万円程度に過ぎない。

過去のことではなく2017年12月13日には、米軍ヘリCH53が重さ7キロの窓枠を小学校の校庭に落下させ、その日以来、校庭は子どもたちが自由に遊んだり、学んだりできる場所ではなくなってしまった。

コザ暴動のことは知ってはいましたが、私が生まれる一年前に起きたこの事故のことは、今まで知らないまま生きてきました。それを知っただけでも充分価値のある映画でした。

そのほかの感想です。
・沖縄の方言が鑑賞の妨げにはなりませんでした。
・『Once Upon a Time in America』の悪ガキ時代の描写ほどでなくても、少しだけ子ども時代の孤児同士のつながり描写はあった方がより没入しやすくなると思いました
・グスク(妻夫木聡)が拷問されたCIAの男(木幡 竜)を、「こいつは、アメリカ軍の手先だ」と言って興奮するコザ暴動の群衆に引き渡したのは、痛快でした。

giantsteps
ノーキッキングさんのコメント
2025年10月9日

ミルク給食、良いシーンでした。沖縄弁で宮沢賢治(東北弁)を教えているヤマコが印象的でした。

ノーキッキング
マコちゃんさんのコメント
2025年10月9日

とても素敵なレビューでした。ありがとう。この作品を弱者が、大きな力に潰されていく目線で観る事はとても大事だと思います。最近も無差別に年配の方が襲われる事件がありました。いつの時代も弱者は無差別に巻き込まれる事件に心が痛みます。
沖縄のオジィ、オバァや子供達はみんな人懐こく温かい。そんな人達を無差別に襲う軍人達‥それを見て見ぬふりする日本政府‥ホントに2025年なのか?って驚く人は僕だけでは無いはずです。

マコちゃん
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