劇場公開日 2025年9月19日

「リアルな史実だからこそ多くの人に伝えたい映画」宝島 mossanmiikoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 リアルな史実だからこそ多くの人に伝えたい映画

2025年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

驚く

見てきた。そして、やっぱり見てほしい。
内容が難しいと言う人もいるけど、そもそもの沖縄の戦後史が難しい。
 高度経済成長が日本の戦後史と思って来た日本人にとっては、混沌とした出来事がフィクションに見える。だから余計に理解ができない。想像が追いつかない。
でも、私が知る限り、登場人物のストーリーこそフィクションだけど、出来事や出てくる人の感情はほぼノンフィクション。
小学校に軍機は落ちたし、米軍関係のひき逃げも婦女暴行の殺人もいくつもあった、そして米軍の犯罪者は簡単に逃げられる。
日本復帰の運動もあったし、それに反対する声もあった。どちらも沖縄の人間としての思いや蓄積した怒りがあった。
そして、怒りが爆発してコザ暴動が起きた。
でもそこには、怒りだけではないお祭り騒ぎ感もある。
カチャーシーを踊る人もいる(これも事実だという)。
喜びも悲しみもかき混ぜるという意味のあるカチャーシーをあの場で踊るのは、現実を受け止める沖縄の人ならではの感情なのだろう。
そして、コザ暴動に死人はいない。あれだけのことがあって死人が出なかったのも沖縄ならではの心のありようなのだと思う。そういう意味でも、沖縄の人達の心の強さを感じる。

おそらく、その状況も心の動きも、当時を生きた人がまだ現役で生きている限り、映画の中で嘘はつけない。監督はその思いで作ったと言っていた。
方言札やAサイン他背景の細部に至るまで、細かく再現されている。
だから超リアルなんだと思う。そして今の沖縄がその史実の地続きにある。

楽園の沖縄しか知らない人にとっては
それを受け止めるのは、かなり難しいこともわかる。
目を向けてこなかった事実に、申し訳なさや自分の無知を隠したくて拒みたくもなるのかもしれない。
だけど、だからこそ、一度見てほしい。
翻弄されてほしい。

受け止めた上でも、やっぱり沖縄って素敵で魅力溢れる島という思いは変わらないから。

ちなみに大阪梅田ハービスENTで、宝島の展示やプレゼントあったよ。映画前後にぜひ遊びに行ってみてね。

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mossanmiiko
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