「なんくるならんさ」宝島 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
なんくるならんさ
めちゃめちゃ時間とお金を費やしたんだろうな〜と思ったら宣伝でガッツリ数字を載せていたのでおいおいと思いながらも鑑賞。
面白いには面白かったんですが流石に長かったです。
確実に比較対象に挙がるであろう「国宝」はあまり長さを感じなかったんですが、今作では巻けるところ、省けるところはいくつもあったはずなのに全部やってしまっていて、その上不用意な展開もあったりとで流石に疲れてしまいました。
戦後の沖縄が舞台で、沖縄が本土に戻る前の話というところはかなり宣伝が難しかったんじゃないかなと思いました。
戦後80年というタイムリーな年ではあるけれど、その戦争から20年近く経った時代が舞台というところにうまいこと乗れていけなかったなとは思いました。
コザの暴動がメインで描かれる中で、行方不明になった仲間を探すために、友人や恋人たちが奮起する物語ではあるんですがこれが中々に分かりづらかったです。
年代の移り変わりがヌルッとしてますし、主人公が語り手として進んでいくのもややこしさに拍車をかけているようでした。
全体的に画面にいる人の密集率は今年観た作品でも間違いなくトップクラスで、アメリカに不満を持つ現地の人々が反感を買って反抗していくシーンの数の圧力は圧倒的でした。
この人数を捌きながらの撮影はめっちゃ大変だったんだろうなというのが伝わってきました。
登場人物と観客である自分とのオンちゃんとの距離感が離れすぎていて、人望のある人物なんだろうなというのは伝わってくるんですが、どうしてもそんなに崇める人か?と思ってしまって登場人物たちに共感できなかったのは痛いなと思いました。
1人の影響でここまで暴動が連鎖してしまうのは怖いんですが、そこまでのカリスマ性があったかと聞かれると個人的にはNOでした。
終盤の基地へと乗り込むシーンは全体的にかなり無理があったなと思いました。
乗り込んでからのすったもんだはアホらしいですし、ヤマコどうやって入ってきたねんという疑問点もありますし、お偉いさんとのトモダチなやり取りも薄かったですし、そこから広げられるオンちゃんエピソードもグダグダしていましたし、散々広げた話がそこまで感動させられるものではなかったのが残念でした。
怪我人は病院か診療所に連れて行かなきゃでは?という疑問点は特大でした。
オチもなんだか前を向くって感じで終わっていきましたが、あの感じで色々と解決したんだ…と置いてけぼりにされた感が否めなかったです。
俳優陣は皆々様素晴らしかったです。
沖縄の方言はかなり強烈でありながら、見事に喋りこなしていましたし、窪田さんの10代のギラついた感じと20代でのやさぐれた感じの演じ分けが抜群で年齢が全く気にならなかったのがすごかったです。
映像も素晴らしく、沖縄の自然の美しさや爆破による被害、大量の人々の圧巻すぎるまでの暴動ととにかく力が入っていました。
ここまで力の入った作品なのでヒットはしてほしいなと思いましたが、興行面ではかなり苦戦中…。
「国宝」みたいに口コミで広がってくれればなと思います。
鑑賞日 9/24
鑑賞時間 11:15〜14:30
ガス缶を持っての追いかけっことかトモダチ解決とか?缶が転がった時大惨事?!とちょっと思ってしまいました。
瀕死の浜辺行きは、途中もう駄目だ・・と頷き合っていたのでそんな違和感無かったですね。
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