「残念ながら熱量伝わらず」宝島 aliasさんの映画レビュー(感想・評価)
残念ながら熱量伝わらず
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本作は、主要キャストたちの熱意のこもった演技や当時の街並みの再現度などから、作り手の強い熱量が伝わってきます。内容についても、どこまで史実に基づいているのかは分かりませんが、似たような出来事が実際にあったことは事実であり、日本人として知っておくべき題材だと感じます。
しかしながら、作り手の熱量とは裏腹に、レビューサイトでの評価はそれほど高くなく、興行成績も振るわないようです。以下は、その原因についての私なりの考察です。
・低評価について
本作をつまらなくしている最大の要因は、「オン」の存在だと思います。
作中ではヒーロー的な扱いをされていますが、観客にとってはその人物像がまったく伝えられず、なぜそれほどまでに多くの人々が彼を探しているのか納得できません。さらに、ラストで描かれるオンちゃんのその後についても、取って付けたような印象があり、それまで積み上げてきた熱量を一気に冷ましてしまっています。
原作は未読なので断言はできませんが、少なくとも映画においてはオンちゃんの存在は不要だったのではないかと感じます。
・興行成績について
本作で描かれている時代は、今から50年以上前の出来事です。現在の50歳以下の方々は、かつて沖縄がアメリカの占領統治下にあったことすら知らない人も多いでしょう。そのため、題材としてピンとこない観客が少なくなかったのかもしれません。
また、これは不運としか言いようがありませんが、「国宝」や『鬼滅の刃』のロングラン上映、さらには『チェンソーマン』の公開時期と重なってしまったことも、興行成績が伸び悩んでいる一因だと思います。
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