「沖縄のちむぐくるに感動した! なんくるないで済むかぁ!なんくるならんどぉ!!」宝島 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
沖縄のちむぐくるに感動した! なんくるないで済むかぁ!なんくるならんどぉ!!
この作品は長い、とにかく長かった!! 堂々の191分
3時間まわっとるやないか~い 上映する劇場側も必死の覚悟。
予告トレ-ラの時点で半泣きするぐらい引込まれてた私。
今日は期待していた「宝島」の鑑賞です。
原作:真藤順丈氏
監督:大友啓史氏
---------熱い演技が光る俳優陣-------
グスク(オンの親友、元アギヤ):妻夫木聡さん
ヤマコ(オンの元恋人、学校教師):広瀬すずさん
オン(戦果アギヤーのリーダ格で島英雄、失踪):永山瑛太さん
レイ(オンの弟、ヤクザ):窪田正孝さん
小松(米側通訳):中村蒼さん
ウタ(コザの孤児):栄莉弥さん
タイラ(反米闘争の労働者):尚玄さん
チバナ(夜飲街のホステス):瀧内公美さん
徳尚(グスクの相方刑事):塚本晋也さん
アーヴィン・マーシャル(米側調査員):デリック・ドーバーさん
他、多くの役者の方々
-------------------
(時代背景と 話展開)
舞台は1952年の沖縄、沖縄戦直後から始まった米軍統治下時代。
沖縄が日本に1972年復帰するまでの島民に揺れ動く心の熱い願いを描いてます。
何故、沖縄なのか。第二次世界大戦の沖縄地上戦(1945年3月26日から始まり、6月23日まで)で米軍と戦って負けた日本軍。本土から遠く離れたこの島はアメリカ軍に占領されたのです。そして終戦降伏は1945年8月15日。
この事を 念頭に置いて観て頂きたいです。
1945年以降も沖縄は米軍が占領したまま統治下時代となり島民や孤児たちはいつもアメリカ軍の無謀な暴力に耐えて怯えて暮らしていました。アメリカの制裁を受けながら、日本本土からも見放されて。その深い悲しみがこの作品の根底に描かれています。
日本からも見放された沖縄島民が頼るのは米軍基地しかなくて。
その沖縄米軍基地(嘉手納)に忍び込んで物資を奪う”戦果アギヤー”として活躍していた孤児たち4人のそれぞれの生き様を、米統治下に暮らす島民の心と絡めながら話展開して行きます。
或る日、戦果アギヤーとして米軍の倉庫に忍び込んだ彼等。何処から情報が漏れたのかいつもは無視する米軍が一斉に追いかけてきます。
理由はいつもは薬屋や食料だけを盗むのに、その日は誰かが誰かに頼まれて武器を盗んでしまったからでした。訳が分からず逃げまどうが、仲間の何人かは米軍に撃たれます。その場で必死に逃げバラバラに別れたアギヤー達。
その日以来、リ-ダ-格のオンの消息が分からなくなる。
やがて 刑事になったグスク。彼は刑事の立場(情報)を使いオンの消えた足取りを追うのであった。そんな中、理不尽なアメリカ軍の制裁に耐えきれない島民は沖縄を本土復帰のデモを一丸となって起こす。
果たして消えたオン探しと、沖縄本土復帰と、都民の心の叫び願いは叶うのか・・・
--------------------
(ちょっと やな-点)
・何と言っても上映時間は迫力あったけども長いと感じた。そして終わった後疲れた。100分で一旦休憩タイム入れても良かったかと(”沈まぬ太陽”みたいに)
・沖縄弁がわからん。メインキャストのセリフはまだ訛りがましだが、沖縄系俳優?のネイティブ沖縄弁はアクセント含め本物リアル。聞き取り理解が難しい点が在った。しかしその熱意ある台詞吐きに情が込められていて大体は分かった。
・訛りによって大事な所がうまく伝わらず、モドカシイ点が見られた。
特に反米闘争グル-プの武器を盗むよう指示したとか、レイの成り下がって行く辺りの流れが分かり辛さを少々感じた。
・グスクと米側との会話、私達 ”トモダチ” ・・・うーん 中々素直に受け取れない心情かなと感じた。
・大きく成ったウタの銃撃受けて瀕死の場面。なぜ 車で一緒に基地から逃げてあの場所へ直ぐ行けたのか。ちょっと都合良すぎ。そして 探してた問題の彼との対面だけど有り得ないと思う。
ここは 沖縄の怒りの頂点 初暴動が炸裂してメッチャテンション爆上がりしたのに 一気にあの出産場面で静まり返ってしまった。
ここの 流れ展開は正直恨みますね。構成を見直すべきで良くないと感じました。
(い-むん点)
・クラシックカ-を数台も走らせ当時を再現。沢山のエキストラ含めた圧巻の初暴動場面。本土復帰デモ行進場面といい、今でも島民に宿っている怒りや悲しみ、地上戦にされた場所ガマ、米軍基地滑走路の場面等々、それら総てを丁寧に描けている所は非常に素晴らしいと思います。 深い想いにとても感動しました。そして撮影も凄く大変だったと思うのですが、色合いも非常に上手く表現出来ていて良かったと感じます。
・ウタの尋ねる”僕のお父さんは何処ね、誰か教えてよ” 戦後混乱で孤児と成って育った彼がいう 虚しさや、どうして自分がこんな人生を歩まなくては成らなかったのか、そこの問いに現われていたと思います。
とても悲しい心の訴えで有ったと感じます。
・そして一番は暴動最中のグスクの吐き捨てる言葉!
”なんくるないで済むかぁ!なんくるならんどぉ!!”
ここは一番熱い思いが島民と一緒に込み上げてきて
素晴らしい感動の所でしたですね。
これ程のシーンをお目にする邦画作品はチョット無いかなと思いますね。
・賛否両論が湧き起るのは仕方がない事ですが、この映画を通じて 今も残る米軍基地と沖縄島民(ウチナーンチュ)への理解が本土国民の皆さんへもっと届ければと願うばかりです。
------
邦画にしては巨額製作費(25億円)。かかちゃいましたけども
皆さんの思いひとつで何とかなると感じます。
どうか、是非
ご家族、ご夫婦、ご友人、
お揃いに成って
劇場へお越し下さいませ!!
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。