「巨匠大友啓史によるお金をかけた壮大な自己満映画」宝島 デッキブラシと飛行船さんの映画レビュー(感想・評価)
巨匠大友啓史によるお金をかけた壮大な自己満映画
おんちゃんが沖縄の希望の象徴ならば物語の冒頭におんちゃんが何をやろうとして何が出来なかったのかを具体的に見せるべきだった。
コソ泥の様を描いてこれからは島の英雄になるって宣言しただけでは何がしたかったのか分からない。
だから主要キャスト3人がなぜおんちゃんにこだわって探し続けるのか、観客に全く伝わらない。
グスクの視点に立ってみると、刑事になったのはおんちゃんを探すため。ではなぜおんちゃんを探したいのか、根源的な動機が見えない。
例えばグスクは山子が好きだけど、山子はおんちゃんと付き合ってる。
そのおんちゃんが行方不明になって落ち込む山子。そんな山子を励ますためにグスクは必死でおんちゃんを探し続ける。
これならキャラクターの感情動作として分かりやすい。
でもこの映画ではそういう描き方をしていない。だからグスクの心理が分かりにくい。グスクだけでなく山子もレイも20年に渡っておんちゃんにこだわり続ける理由がよく分からない。
山子は3人の中で唯一おんちゃんと付き合ってたという強い動機付けを持ってるが、割とサクサク自分の人生を切り開いて行ってるのでおんちゃんがいなくても別に困らない。さっさと新しい出会い見つければいいのにぐらい思ってしまう。
主要キャスト3人の間に、戦後長い間踏みにじられてきた沖縄の人権を取り戻したいという強い気持ちがあるのは理解できる。
でもその事とおんちゃんを探す事とは直接関わりが無い。だからこの物語の主軸がどこにあるのか、一体何を描きたかったのか、3時間を通して何を伝えようとしていたのか、結局最後まではっきりしなかった。
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