「やるせない気持ちだけが残った。」宝島 ひろちゃん千葉さんの映画レビュー(感想・評価)
やるせない気持ちだけが残った。
子供時代に沖縄返還されたけど当時は正直よく分からなかったな。何故沖縄が占領されっぱなしなのか、日本なのに日本じゃなかったのか、何で返還してくれたのかなどなど。まだ歴史とか習って無かったし戦争に負けたから沖縄が取られたって位の認識。
3時間映画ですがもっと削れる所あったんじゃ?もうちょい構成を変えればコンパクトになるんじゃ?って思わせられた。
確かにセットなどにお金が掛かっており演者も良い芝居をしていたし当時の沖縄の雰囲気も良く出ていたけど、どこか冗長に感じた。
ポイントは行方不明になったオンちゃんなんだろうな。物語全体としてはオンちゃんに関するミステリー的な探偵物っぽい所もある。
オンちゃんは何を見つけてやらかしたのか?
その間に占領下の沖縄の諸問題を散りばめた感じ。
終戦から本土復帰までの沖縄の様子を少し理解する事ができたのは良かったけどやるせない気持ちだけが残った。
物語は主人公のグスク視点で話が進む。
終戦後沖縄は米国の占領下にあり日本とは別の国扱いで沖縄に行くにはパスポート(沖縄から本土に行くにも)が必要だった時代の話。
若者のリーダー格のオンちゃんは兄貴風で面倒見も良くてリーダーシップもあり若者の憧れだった。
オンちゃんは若い男衆を引き連れて米軍基地の倉庫から缶詰などの食料品や家庭薬の様な医薬品を盗んで商売したり分け与えたりしていた。
ある日の襲撃はそれなりに大規模で普段は取らない銃器など武器もかっぱらった。しかし米軍もいつまでも取られっぱなしでいるはずもなく大規模な逆撃を受けて散り散りに逃げる事に。何人か死亡、何人か逮捕、何人か逃亡となったがオンちゃん1人だけ消息不明に。
一緒に襲撃したものの離れ離れになったオンちゃんを探すために情報収集には警察が1番と刑事になった親友のグスク。襲撃時に逮捕され刑務所行きになったオンちゃんの弟レイは出所後ヤクザの下っ端チンピラに。オンちゃんの恋人ヤマコは教師になった。それぞれ行方不明になったオンちゃんを探していたが一向に消息は分からず。
米兵の犯罪や沖縄のヤクザの抗争、本土復帰デモ、本土の経済関係者など色々な問題を抱えながら地道に解決していくグスクは敏腕刑事として活躍し米軍からも一目置かれる存在に。そして色々な情報からどうやら襲撃したあの日に米軍側に何かがあったらしい事、オンちゃんは色々あって別の島にいるらしい事、オンちゃんを探しているのは他にもいる事など断片的な情報。
果たしてオンちゃんはどこにいるのか?
米軍の知られると不味い事とは?
沖縄はどうなっていくのか?(ここは映画に無いけど)
演技はともかくもうちょっと年齢が経った風貌にして欲しかったな。青年時代から20年以上経っても見た目がそんなに変わらないと言うか加齢が少ないな。
日本の映画にありがち。もっとシワを増やすとか白髪を増やすとか着ているものを工夫するとか。
