「多くの疑問だけが残る物語」宝島 リリさんの映画レビュー(感想・評価)
多くの疑問だけが残る物語
沖縄の戦後史という重いテーマと、主人公たちの個人的な感情部分が乖離しすぎていて、どちらに焦点を合わせて見れば良いのか最後までわからなかった。
恐らく沖縄の戦後史の部分がメインなのであろうが、オンが居なくなったことで主役たちの感情が出すぎていてメインのテーマを薄めてしまっている気がする。
オンが何をしたかったのかを捜すのなら意味があれど、ただオンを見つけたいだけとか。
そんなの書くなら皆一緒に居る中で理不尽を味わってそれに対しての反抗の方が余っ程感情移入出来たのだが…オンが居なくなったのなんて理不尽でもなんでも無く当たり前な理由だしね。
主人公のグスクは、ただそこに居るだけで特に何かを成すわけでもなく、周りの状況がめまぐるしく変わっていくのに流されているだけの印象だった。
自分自身の理解不足なのかも知れないが、そもそもオンは何をしたかったのか解らない。
小説版ではウタの存在に意味があるのかな?
高官の子供だとして、へその緒を残した母親の遺体があっても産まれたところも見てないし、その後も探されている感じはしなかったのだが。
情報統制する理由自体はあるとして、ロケットペンダントの写真と子供の関連性なんてせめて母親本人居なけりゃ証明できないんじゃないかな。
そもそもDNA検査とかもない時代だよね?
母親の遺体は基地内で処理されてるわけだし、もう一度言うとオンは何をしたかったの?
重要な場面で方言が多用されるのは雰囲気があって良いが、字幕がないので何を言っているのか理解できないことが多々ある。「戦果アギヤー」という重要な言葉に至っては、上映後に調べて初めて認識できたが、その意味までは調べないとわからない。まぁ、その点は仕方ないのかも知れない。
3時間という長尺の割には、物語の重要な部分を端折っていると感じる場面が多く感じ、もう少し丁寧に描くべき点が別のところにあったのではないかと思う。
同じ時期に上映した国宝と違い、原作読む気にはなれないので親切な方いらっしゃいましたら解説お願いします。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。