「戦果とは何なのか?広瀬すずはどうしてあんなにかわいいのか?」宝島 ラックさんの映画レビュー(感想・評価)
戦果とは何なのか?広瀬すずはどうしてあんなにかわいいのか?
戦果とは何なのか、それをひたすら考えさせられる映画でした。
略奪した食料でしょうか。
沢山あやめて、頭蓋骨の数を増やすことでしょうか。
独立を勝ち取ることでしょうか。
敵を追い出すことでしょうか。
差別を無くすことでしょうか。
戦いという激情が溢れる状況で、目的も手段もぐちゃぐちゃになって、分からなくなって、迷って、苦しんで。
そんな感情がヒシヒシと伝わって来ました。
また、暴動のシーンでは市民の不満が爆発。
沖縄の人達に感情移入していた自分も、熱い気持ちになりました。
しかし、カメラが上から見下ろす形でふっと引きになると、スーツやドレスなど綺麗な服装をして贅沢品のタバコを吸いながら暴動する市民と、ひたすらに市民の攻撃を盾で受け止める米軍の姿がありました。
そこでよぎったのは冒頭のシーンです。
スーツとはかけ離れた汚れた服装を主人公達がしていたことを思い出しました。また、そんな主人公達に米軍が銃の雨を降らせていた光景を思い出しました。
その光景の差に愕然としました。
いやーもうどうしたらいいのやら、感情の置き場所がなくなって溢れそうです。
オンちゃんはまさに英雄でした。
そんな激動の時代において、ウタの出生の秘密を知りながら「愛されて生まれたんだよ」と伝えていく姿は忘れられません。
その英雄オンちゃんが、戦果だと言ったのは、笑顔でハグしてくる広瀬すずでした。
私はそれが、この映画としての一番のメッセージと感じました。
しかと受け取りました。ありがとうございます。広瀬すずさんかわいかったです。
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これらを踏まえて、私なりに戦果の意味を考察してみました。
それは戦果=宝島というものです。
沖縄を舞台にして、映画のタイトルが「宝島」となると、宝島は沖縄そのものを表しているように感じます。
もちろん、その意味も込められていると思いますが、私が注目したのはワンピース的な「宝島」です。
ワンピースでも、きっと存在する宝島を目指して人々は航海に出かけます。
そんな大航海時代で英雄になれるのは、やはり宝島にたどり着いたものです。
ただし、宝島はがむしゃらに航海してもたどり着けません。地図を広げて目的地を見定めて、ゆっくりでも確実に向かって行く必要があります。
つまり、最後の場面のセリフでもあったように「見失わないように」しなければなりません。
オンちゃんにとって、宝島の地図は広瀬すずでした。
広瀬すずがいてくれるからこそ、オンちゃんはちゃんと島にたどり着けるのです。これは冒頭の場面で、オンちゃんが自分が帰ってこれるようにが広瀬すずに残って欲しいと言っていたことにつながります。オンちゃんは、基地に略奪に行く訳です。それは広瀬すず含むみんなと笑顔生きていく為です。必要以上にものを取って困らせたり、まして、アメリカ軍に発砲するためではありません。ただ、激情の波の中では人は簡単に目的が見えなくなります。だからこそ、宝島の地図が必要なのです。
オンちゃんは広瀬すずがいたからこそ、目的を見失わずに行動できました。そして、オンちゃんは広瀬すずのことを戦果とも言っています。それは広瀬すずの存在が宝島の地図であり、その広瀬すずと笑顔で過ごせる日常、それがたどり着くべき宝島そのものなのでしょう。
また、最後オンちゃんは死んでしまったことがわかります。でも、オンちゃんの残したものは大きいです。宝島の地図を持たず、がむしゃらに激情の荒波の中を航海する人々に、宝島の位置を示したのですから。
本当に傑作だと思いました。最高でした。ありがとうございます。
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