「こんな配達員嫌だなと思いつつ…」あの人が消えた yamappleさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな配達員嫌だなと思いつつ…
クリックして本文を読む
淡々と物語が進む中で、やや妄想癖がありおせっかいな主人公の配達員丸子が、どんどんマンション住民に深入りしていく様子が、気持ち悪いような、でも最後は彼の優しさに皆が救われるというような、不思議なストーリー。
誰かの役に立ちたいと思いつつ、仕事が出来ずにいつも怒られてばかりの丸子。そんな彼が、小説家になろうで投稿された小説の作者、コミヤチヒロと思われる住民の住まいを偶然配達の中で知ってしまい、淡い憧れと恋心を持ちつつマンションの事件に首をつっこんでいってしまう。
ただ、知らない配達員の人にプライベートにここまで突っ込まれることは正直気味が悪くもあり、しかも丸子は少し思い込みが激しいのも余計面倒くさく感じる。絶対的な証拠がなくても「怪しい」という雰囲気とコミヤチヒロへの強い関心で彼女の家に用事がなくても行ってみたり、周囲の住民に聞き込みをしていく。
結果的には彼の行動は正しかったことになるのだが、なんというか、昔ならご近所ネットワークで当たり前に助け合えたものが、現代だとこんなにおせっかいで気持ち悪くなってしまうのかという時代の皮肉さと、でもそんな彼のおかげで多くの人が救われるが、彼自身は…みたいななんともいえない話だった。さらには異世界転生…いやいや、現世でもっと救われてよ。
ちなみに最後のどんでん返しは、昔の映画「ユージュアルサスペクツ」にかなり似ていたように思う。
あと、本当にいい奴的なおせっかいな先輩アラカワさん役の田中圭がめちゃいい味出していた。
コメントする