「FALLOUT」あの人が消えた ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
FALLOUT
予告編くらいの情報しかいれずに鑑賞。
配達員が主人公という事で偶然にも「ラストマイル」と通ずるものがあり、あちらは工場、こちらは配達となんだか繋がってるんじゃない?と思うところが個人的にはツボでした。
序盤こそきなくさい所がありましたが、後半に突入してからガラッと展開変わって面白さが加速していくタイプの作品で楽しめました。
なろう小説好きの配達員の丸子が訪れたマンションで感じた違和感を独自に探っていくミステリー調な作品で、ドラマを作ってる監督のドラマっぽさは章立て以外は感じず映画だなと感じれたところから好印象でした。
そこから怪しい住人を訪れていってと探偵の様な行動を取っていたら島崎という男が犯人だ!というところまで追い詰めていけてひと段落かなと思ったら物語はここから始まるんだと言わんばかりに急展開し始めていきます。
島崎と小宮が刑事ということが分かってから丸子と荒川さんが話を聞いていってパーツがどんどん埋まっていくんですが、所々怪しいところがあって探ってみると島崎が小宮にナイフを突き立てていて、今まで登場してきた人物の頭文字を合わせると「す べ て う そ」と繋がってからは島崎を2人で協力してとっ捕まえるという展開は予想していなくて驚きました。
ただまたここから一捻りがあって、連続殺人というのは本当で他に誰が殺されたのかと思ったら丸子がもうすでに殺されていて、荒川さんと話を聞いてる時には既に死んでいて、だから行動にちょくちょく間があるなと思っていたので点と点が線でつながってゾワっとしました。
地縛霊がいるかもよと序盤ボソッと言っていたのがまさか当人に返ってくる展開は予想外でしたし、地縛霊ならではのアシストが活きていたのはお見事でした。
要所要所に細かいネタを用意してくれてるのも面白くて、寿司屋での例えが的を得ているようで全然得ていない感じだったり、突然梅沢富美男さんぶっ込んできたり、荒川さんの飄々とした感じだったり、島崎(別府)のイキり要素だったりとドカンと笑うよりも細かくクスクス笑えるものが多くて好みでした。
物語がひと段落したと思ったらまさかのスパイ転生の世界に丸子が転生しているという明るい気分にしてくれる終わり方はとても斬新でした。
ステータスが見えてたり、しっかりと悪役令嬢いたりとその世界に転生できていてボソッと呟いた言葉すらも回収してくるかぁと唸りました。
荒川さん見事にゾンビに転生してて成功なのか失敗なのか…良かったです笑
今作のどデカい欠点としては丸子の行動が正義感とはいえどやり過ぎているのだけはその後の展開込みでもちょっと許容できないなぁと思ってしまいました。
配達以外の要件でしょっちゅう訪問してくるし、部屋の中ジロジロ見てくるし、手紙なんか渡しちゃったりしていて、多くのレビューに書かれている様に高橋くんじゃなきゃ許されないと思うし、なんなら高橋くんでも怖い行動をとっているのだけは引っかかり続けました。
頭文字のトリックももうちょい分かりやすいのにすれば良かったのになぁと笑いながらも思ってしまいました。
全体を通して「スパイ転生」の前日譚を見ている感じで面白かったですし、ミステリーとコメディの反復横跳びしている斬新なスタイルも新鮮で良かったです。
「ブラッシュアップライフ」見た事無かったんですが見てみようと思いました。コップンカ。
鑑賞日 9/26
鑑賞時間 18:20〜20:15
座席 F-3