「性急」あの人が消えた U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
性急
ラストシークエンスだけは面白かったが…それ以外は説得力が無さ過ぎで、全編通してBGMが煽り過ぎなような気がする。
物語の進行は悪くないような気もするのだけど、結構ゴリ押しが酷くて…登場人物の行動に疑問符が付きまとう。
配達員が205号室に踏み込むまで、彼の思い込みとハヤトチリの可能性が捨てきれずで、ここに緊張感や逼迫感が有ればもっと違ったんじゃないかと思われる。
主人公と同期もしくは感情移入できてれば違うのだろう。
断片的な描き方はまぁいいとして、島崎をロックオンするまでの迷いとか葛藤とか、色々描いてくれてりゃもっと違ったのかなぁ。なんせ前半戦に説得力がない。
「嘘」が語られる後半戦は突拍子もない事でいいのだけれど、事実は小説より奇なりとも言うし。
前半戦で主人公を通して紡いだロジックを観客が信用しないと、この落差は生まれないのだと思う。
「なんだ、そんな事だったのか…w」
からの一転でいいんだけれど、落差どころかこの前半を咀嚼しきれなかった俺は段差に躓いたくらいだった。
落としどころはまぁ、悪くはないとは思うのだけど、その部屋ってさ…風呂場に血塗れの死体があったんだよね?
…そんな冷静にというかノスタルジーに浸れるものなのだろうか?
ベランダでタバコを吸ってた時が、用済みの女性を殺した時だとして…この「用済み」の単語も?ではあるのだが…そんな返り血をベッタリ付けたまま自分ちのベランダでタバコなんか吸うかね?
あまりに不用心すぎやしませんか?
隣人はいて、しかも口論が煩くて眠れないと怒鳴り込んできてるわけだよ。
彼は「血塗れの女性をみた」と証言している。つまり彼は多少なりとも返り血のついた島崎を見てるわけだ。
…辻褄が合わな過ぎやしないかい?
とまぁ、こんな具合に至る所に状況と感情の誤差を感じてしまう。
ご都合主義と言えばそうだし、軽いと言えばそうだ。
こんな穴だらけの脚本でありながら、俳優だけは豪華で困る。
とは言え、赤点とは思えず…外国人バイトのファミレスの厨房ではなく、本格的な料理人のいる厨房で調理すれば良かったのになぁと項垂れる。
まぁ、なんせBGMが露骨だった。
何だけど、冒頭に響く靴音なんかは、引き絵でも臨場感を損なわず素敵だった。
分かんないけど「録音賞」ってこういうのが選考の基準だったりするんだろうか?
なせか耳に残るし、印象的だった。
自分も、前半、丸子の方がストーカーとして捕まるというオチなのではないかと思って観てましたが、だんだん展開が軽くなり、ユージュアルサスペクツっぽいところでは、思わず笑ってしまいました。
共感・コメントありがとうございます。
なんかブルース・ウィリスは最初から出突っ張りなのに、
実は死んでいた・・・と言う映画でした。
丸子も、オチは死人だった・・・だから、そこを言いたかったと
思いますが、なかなか気づきにくいですよね。
全然言われるまで、なんのこっちゃ、でした。
こんにちは
確かに、こんな配達員がいるわけないですし、
あり得ないことだらけでしたね。
でも、
ちょっと小耳に挟んだ情報なのですが、
主役の丸子夢久郎(マルコ・ムクロウ)は、
「シックス・センス」で、ブルース・ウィリスが演じた医師の
役名=マルコム・ロウと同じなんですって。
ちょっと驚きました(笑)