「【”配達員は見た!。そしてスパイ転生。”今作は、序盤はサスペンスミステリー調から途中からコメディ調になり、ラストは秘めたる恋が描かれる少し切なくファンタジックなオリジナル脚本作品である。】」あの人が消えた NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”配達員は見た!。そしてスパイ転生。”今作は、序盤はサスペンスミステリー調から途中からコメディ調になり、ラストは秘めたる恋が描かれる少し切なくファンタジックなオリジナル脚本作品である。】
■配達員、丸子(高橋文哉)は、あるマンションの住人達の情報に精通している。まるで、スパイのように。
そして、そこには彼が愛読するWEB小説の作家小宮(北香那)が住んでいた。だが、そこには怪しい男、島崎(染谷将太)も住んでいて・・。
◆感想
・序盤は配送業に明け暮れる丸子の姿を軸にしながら、マンションに住む人々の姿(長谷部(坂井真紀)、沼田(袴田吉彦)、巻坂(中村倫也))を映し出して行く。
サスペンスミステリー調の雰囲気で・・。
・それが、中盤、イキナリコミカル調になる。小宮と島崎は、政治的テロ犯が潜んでいるマンションに仮の姿で住んでいる公安警察になる。
キチンと女上司(菊池凛子)も居て、ジェームズボンドを気取るMI6にいたとされる島崎は、上司を”M”と呼び赤いプロテインなどを、ごくごく飲んでいる。
ハッキリ言って、この物語の転調が個人的に気に入ってしまったぞ!
・丸子は、同僚の作家志望の荒川(田中圭)の指示の元、住民達を更に調べる。不法侵入や聞き込みもしながら・・。
”オイオイ、君は忙しかったのではないのかい?”と軽く突っ込みを入れつつ。
そして、島崎が小宮を介抱しながら彼女の部屋に連れ込んだり、小宮が血まみれのシャツを着たままベランダで煙草を吹かしていたという情報なども、入手していく。
その後の、それらの実情が分かるシーンは、バカバカしいが何だか可笑しい。
・だが、更に物語のトーンは変わり、島崎が誘拐凶悪犯である事が分かって来る。そして、小宮の事が心配になった丸子は、島崎に続いて小宮の部屋に密かに侵入するのである。
<とまあ、こんな感じで物語は突っ込み処満載で進むのだが、ラストの島崎と小宮と荒川と丸子が円卓を囲んで話し合う先の展開は読めなかったなあ。
丸子の小宮に対する想いが、少し切なかったかな。
けれども、彼は”スパイ転生”をしたのだから、ハッピーエンドと言う事で、宜しいのだろうか。
何だか、不思議な映画ではあったけれども、面白かったなあ。>