アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のレビュー・感想・評価
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キマジメな公務員と天才詐欺師チームと脱税王がくりひろげるだましあいのテンポがよく、目が離せませんでした。全編とにかく楽しくて気持ちがいいのです。
ゾンビ映画かと思いきや、その撮影隊の奮闘を描くコメディー映画で、観客を裏切るどんでん返しの連続で社会現象になるほどヒットした「カメラを止めるな!」や、最後に衝撃の種明かしが待っている「スペシャルアクターズ」など、奇抜な発想と巧みな脚本で観客を驚かせてきた上田慎一郎監督の最新作。
2016年の韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」を原作に、真面目な公務員と天才詐欺師が手を組んで脱税王から10億円を奪い取るべく奮闘する姿を活写したクライムドラマです。
有名俳優の起用など、これまでと異なる点ももちろんありますが、その魅力は健在でした。今作も実に気持ちよく、我々をだましてくれます。
●ストーリー
税務署に勤める真面目な公務員・熊沢二郎(内野聖陽)はある日、天才詐欺師・氷室マコト(岡田将生)の巧妙な詐欺に引っかかり大金を騙し取られてしまいます。刑事である親友の八木晋平(皆川猿時)の助けで氷室を探し出す熊沢でしたが、観念した氷室から「おじさんが追ってる10億円もの脱税が疑われる大企業の社長・橘大和(小渾征悦)を詐欺にかけ、脱税した10億円を徴収してあげる。だから見逃して」という驚きの提案を受けます。犯罪の片棒は担げないと葛藤する熊沢でしたが、自らが抱える”ある復讐”のためにも氷室と手を組むことを決意します。
タッグを組んだ2人は、クセ者ぞろいのアウトロー達“どんな役にもなれる元役者”“強靭な肉体の当たり屋”“特殊な偽造のプロ”“母と娘の闇金親子”たちを集め、詐欺師集団《アングリースクワッド》を結成。綿密&大胆な計画を練り上げ、チームは壮大な税金徴収ミッションに挑むます。脱税王から大金を騙し取る方法として選んだのは、所有者に成りすまして土地を売る地面師詐欺。けれども相手は百戦錬磨の脱税王です。あと一歩で土地契約というところで、詐欺だと見抜かれてチームは大ビンチを迎えるのです。
●解説
橘に大がかりな詐欺を仕掛けるため、熊沢が氷室の仲間だちと詐欺師チームを結成して計画を準備する様子は、さながら舞台の本番に向けて稽古を重ねる劇団のようです。
実際に熊沢がチームの面々と会っているところを娘に目撃されてしまったとき、これは劇団の打ち合わせなんだとごまかすシーンがありました。
詐欺師チームの内情は、監督自身も好きだという「オーシャンズ」シリーズのようなパラパラ感と、これまでも描いてきた、劇中で演じること自体の楽しさが融合して、実にワクワクする展開です。
ところで内野も岡田も、この2人以外にいないほど役にはまっています。特に、ある復讐のために橘をだます計画に乗った熊沢が、忘れていた怒りを思い出すシーンは痛快です。チームが大ビンチを迎えて、予想外の方法で乗り越える展開は、まさに上田監督の真骨頂が発揮されています。
●感想
上田監督が「カメラを止めるな」以前から温めていたという本作は、キマジメな公務員と天才詐欺師チームと脱税王がくりひろげるだましあいのテンポがよく、目が離せませんでした。全編とにかく楽しくて気持ちがいいのです。
ピンチやアクシデントに負けず、相次ぐどんでん返しがいかにも上田監督らしいところ。詐欺が底なしの努力とチームワークで成り立っているのがよくわかりました。
それにしても今回主役を務めた内野の役作りが素晴らしかったです。主人公の冴えない税務署員が登場したとき、この役者は誰なんだと全く内野だと気付きませんでした。『ブラックペアン』など恰幅のいい役柄のイメージが強かった内野だけに、本作での小市民ぶりに余りにイメージギャップが大きすぎて、段々演じているのが内野だとわかって、ビックリしました。
それだけに小物な主人公が、大それた詐欺をやってのける展開は、落差が激しく感じられたのです。そのギャップのクローズアップさせたのが内野の演技の賜物といっていいでしょう。
スカッとします
今年のベスト3
十分楽しめるがコンゲームものとしてはいろいろと瑕疵あり
日本映画でコンゲームを題材とした作品といえば最近では「コンフィデンスマンJP」シリーズとかになるのだろうか。そちらは観ていないので評価できないのだが、本作が傑作だ、痛快作だという評価が多いのはよほど今までまともな作品がなかったということなのかも。
特に本作を貶めるつもりはなく十分楽しかったのだけどいくつか文句を言わせてもらう。
一つめ、まず10億円、15億円とかいうのは映画にまでなる詐欺の規模としてはやや小さくはないか?相手は名うての悪徳不動産業者である。何百億も儲けているのに違いない。現金で奪取するというスキームなのでこの金額が限度だったのかもしれないし脱税額という意味あいもあるのかもしれないが、ドラマの「地面師」が200億円の詐欺の話なのと比べてもややセコい感じは拭えない。
二つめ、コンゲームでよくある専門家によるチーム編成のスタイルとなっているが、例えば森川葵や上川周作の役割が、背景での専門性の紹介を超えて、なんでもかんでもやってしまう流れになってしまっていないか?専門家はその部分だけビシッとやってみせるからこそドラマが締まってくるのであってユーティリティプレイヤーの登場はご都合主義以外の何物でもない。いわんや詐欺の素人の熊沢(内野聖陽)にあれほどの演技ができるとはね。
三つめ、「スティング」以降、最も優れたコンゲームは相手がだまされたと気づかないことであると相場が決まっている。そして二番目に良いのはだまされたとわかっても手出しできないこと。例えばどこの誰にだまされたか分からないとか、犯人が圧倒的に優位にたっているとかで。この作品はそのどちらでもなく、橘(小澤征悦)がなぜ反撃に出ないのかがよくわからない。犯人のうち一人は熊沢であることはわかっているのにね。
最後に、橘が氷室(岡田将生)を、熊沢が橘を殴るシーンがあるのがやや興ざめ。コンゲームの映画は流血がないほうがいいね。後味が悪くなる。
これらのことから、私自身は、それほどまで手放しで褒める映画ではないような気がする。「カメラを止めるな」のヌケの良さを期待してご覧になるのであればそれはちょっとキツイよと言っておきます。
冷めたり熱したり
予想はできる。それでも楽しめる作品。
痛快!コンゲーム映画
さすが内野さん
シナリオは。
わお!
上田監督売れて制作費、俳優も潤沢にカメラ回せるようになったらこんんなん撮っちゃうんだ!
何でも演れる岡田クンに真矢みきだぞ、過去作からは飛躍的にゴージャスでキッチリ大衆向けエンタメ映画してた。
ラストのどんでん返しシナリオにも観客へのビックリにサービス大盛りで、やっぱこの人上田監督、人を喜ばせたい人なんだな。と再実感。
思えばカメ止めん時も、スペアクもそうだったわ。
この人は他者を喜ばせたい人なんだよ、観客も役者も、関わった人全てを、人生のちょっとの時間、2時間くらいだけど幸せに喜ばせたい、気持ち良くさせたい。
無名の役者なカメ止めから、全員シロウトなスペアク。
今作ドメジャー俳優が、この人のカメラに芝居したい!ってスクリーンに立ってくれたのが何よりの証明でしょ。
やっぱさ、映画の魅力って、人の魅力そのものだよな。
こんな人が撮った七人の侍を見れるなんて思わなかったよ。
ラストの破滅的なバイオレンスシーンも気持ち良くて切なくてファイトクラブの高層ビルから見る虚しさも有って、映画の後味が今もちょい残ってる良い作品に思い出し安酒も美味い。
続編あるよね?
詐欺師って繊細なプロなのね
始まってすぐ内野聖陽演じる税務署に勤める公務員の熊沢が岡田将生演じる氷室の詐欺に遭う。いなくなった氷室を友人の警官に見つけてもらい会って話しをすると、高額脱税者の社長を詐欺ってお金を徴収するプランを進める事にする。その社長は小澤征悦演じる橘。10億も脱税だなんて凄い金持ち、現金一括でそんな額払えるなんてね。川栄李奈演じる税務署の部下の望月はとっても真面目で可愛かったな。最初から怪しく感じたは税務署の所長さん、こいつが1番の悪じゃないかと想像しちゃった。だって詐欺師達、悪い奴に見えなかったんだもん、暴力的な女子以外はね。なんで熊沢が公務員なのに、こんなに詐欺を続けてるのか不思議だったんだけど、まさかのオチで伏線回収。何で橘を殴りまくったのかは理解できなかったけどね。予想を超える見事な脚本にキャラの強い登場人物達。めっちゃ楽しかったです。
楽しめた
ネトフリと被った地面師詐欺の話だったけど、楽しく見れる娯楽作品でした
なんと地面師詐欺の話でした。
Netflixで『地面師たち』を見ていたのでパクリかぁと一瞬思ったけど、ネトフリで公開された時には撮影は終わっていたから単純にかぶってしまっただけなんでしょうね。
こちらの話はプロの地面師ではなくて、寄せ集めのメンバーで地面師詐欺を行うという話。
あそこまでバイオレンスでシリアスな内容ではないです。
詐欺の話なので、コメディ要素もあって楽しんで見れました。
途中で詐欺がバレてからは、この後どういう展開になるんだろうと思いながら見ているのが楽しかった。
単純に失敗して終わるわけは無いし、展開が読めないというのは見ていて楽しいですよね。
最後はハッピーエンドだし、アラを探せば突っ込みたくなる点はいくつかあるけど、そんなのは気にせず楽しめる娯楽作品だと思います。
主演の内野聖陽は凄い役者さんですね。
最近だとドラマの『きのう何食べた?』、先月見た映画の『八犬伝』、まったく違う演技が出来る人です。
今回も頼りない税務署員の役を演じきっていました。
森川葵をもっとクローズアップして欲しかったかな。
『渇き。』を見てから注目してました。
バラエテイの『それって!?実際どうなの課』でも活躍してましたね。
久しぶりに見た川栄李奈は若く見えますねー。
彼女はホント童顔っていうでしょうね。
ちょっとググったら、もうすぐ30歳みたい。
産休の後に最近は映画に結構出てるようです。
ポップコーンムービーにはなってない
『オーシャンズ11』とか古くは『スティング』みたいな、ダークじゃない洒落た「犯罪エンタテインメント」を、内野と岡田将生でつくってくれたら楽しかっただろうけど、そうはなってない。ゆえに「あー面白かった!」とはならない。
基本はドキドキさせて時々笑わせて、なんだけど、内野や岡田については参加動機も描かれ、特に内野演ずる税務署員の背景ストーリーが悲惨すぎる。家族のシーンなどはコメディに振っているのに、そこだけシリアスで社会派的な雰囲気が漂う(内野の演技も一瞬、コメディタッチから変わって「素が出た」みたいな感じがするところがある)。この何となく韓国映画っぽいバランスは、もちろん意図しているのだろうが、ダークな要素は入れないで洒落た「極上エンタメ」にしたらよかったのに、と思う。
で、その犯罪大作戦。そう来たか!と楽しませてもらったけれど、『地面師たち』の後だと既視感がある。それとちょっとショボい。①イーロン・マスクとか大谷翔平とかの話ばっかり聞いてるうちに麻痺しちゃって、今じゃ「10億」はそんなにスケール大きく感じない。②セットがショボくて金持ち感が不足。③キャストがちょっと。犯罪集団のうち、内野、岡田、真矢みき、以外は映画館のスクリーンを背負えてない感。
さいごに、本筋から外れたキャラだけど川栄李奈がすごく良かった!望月さくらの『マルサの女』が見たい!
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