「ホラー映画で“怖くない”って褒め言葉なの?と思いつつ観てきた」男神 ゆうすさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー映画で“怖くない”って褒め言葉なの?と思いつつ観てきた
「ホラー苦手な人でも大丈夫」という前情報を聞き、正直「それってホラー映画の評価としてどうなの?」という疑問のなか観てきました。
結論から言うと怖くないです。
「ここで怖がらせてやろう」という過度な演出は一切なく、物語に散りばめられた伏線を追いながら不気味かつ神秘的な世界への没入感を味わえます。
⚫︎恐怖の正体
「家族愛」を軸に観ると、妻子を失うかもしれない焦燥と喪失感•男神という存在から生じる理不尽な恐怖、といったところでしょうか。子を持つ親はそういう意味で苦しさを感じる物語かもしれません。
勇輝(遠藤雄弥さん)が穴を通じて根の国へ向かう〜エンディングまでは状況が二転三転するので、どうしても平和的な結末を祈ってしまう。そこから何度も感情を揺さぶられて落とされるという点においては、ジャパニーズホラー独特の後味の悪さもあります。
⚫︎伏線?
失踪した妻との回想シーン、なぜか妻の秘密を知っていた牧場主、2回差し込まれる蛇のカット、地面に置かれた石、白馬の正体…などなど所々に「これは何かの伏線?」と思わせる場面がありますが、いまいち回収されないまま終わります。
日本古来の神話や宗教的な知識があればもっと読み解けたのかもしれませんが、そこは少し解釈を観客に委ねすぎかも?と感じました。
一方で鑑賞後にパンフレットを読んで「そういう背景があるのか」と答え合わせをする楽しさはあります。
パンフレットの内容はかなりボリューミーで、ちょっとした情報誌のよう。古代信仰や土地の歴史的背景などを知るには十分な情報量です。こちらの分野に興味のある方はアレコレ考察しながら楽しめると思います。
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