劇場公開日 2025年6月6日

「リアリティラインの位置」我来たり、我見たり、我勝利せり La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

リアリティラインの位置

2025年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 地方の大富豪が地元の警察・政治家・マスコミをも抱き込んで秘かに人間狩りをレジャーとして楽しむというゾワゾワを予感させる物語です。

 こうしたお話こそ、どこまでを作り話として「あり」とし、どこから現実のお話とするかというリアリティ・ラインの引き方が非常に大切なのに、それが余りに杜撰でした。金持ちによる人間狩りという設定は現代の格差社会の寓話なのでしょうが、そのラインの曖昧さのせいで、社会風刺としても胸糞映画としても喜劇としても全て中途半端で、映像がちっとも胸の内に入って来ませんでした。

La Strada