「Labeling」我来たり、我見たり、我勝利せり ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Labeling
個性爆発なタイトルと上級国民の殺戮というところに惹かれての鑑賞。
序盤からいきなり衝撃的な持っていき方をしたのでかなり期待値が上がったんですが、その後の展開の盛り上がりのなさ、観たいと思っていたものとのズレが半端じゃなくイマイチ乗り切れなかったです。
突然どこからともなく撃たれるというスリルの表現は良かったですし、シチュエーション的に有り得んやろというところも使用人が優秀だからなんとかなるという強引な感じも憎めない良さがありました。
貧富の差というところを誇大表現として描いているのは分かるんですが、どうにもやりすぎな狩りの描写だったり、認知のズレだったりにのめり込めず、正直それらに対する庶民からのカウンターも多少欲しかったんですがそこんとこも無くてただただ消化不良になってしまっていたのも残念でした。
めっちゃ金持ちだからなんでも許される、警察や政治家なんかも丸め込んでしまえばOK、疑いをかけられたら塗り替えてしまえばいい、クソみたいな考えの連発で楽しむことはできませんでした。
娘が使用人を殺してしまった時なんか今作の悪い部分がバーっと出てしまったようにしか思えず、娘は余裕な表情をしながら使用人を撃ち殺しますし、それで捕まっても13歳だから刑事責任は問えないといって釈放されますし、それに対して父親が慌てふためいており、自分がやったんやで!という完全な虚偽発言をやってており、それはそれで別件で捕まらないの?となってしまったりとなんかご都合がまかり通っているなと思って冷めてしまいました。
クズすぎる父親以上にクズな娘にはそれはそれは大層な殺意を抱きました。
反則にしても犯罪をしてみても自分を肯定する意見しか述べないし、家族やその周りの人物への認知もどこか解釈違いですし、ラストシーンなんかもうクソアマすぎてスクリーンに向かってライフルぶっ放したいくらいには不快オブ不快でした。
だからといって今作の彼女の魅力的な部分にはなっていない気もしたので早いところ痛い目に遭って欲しいです。
全体的にシュールさの目立つ作品が故に高鳴りそうなところでグッと抑えつけられるの繰り返しで盛り上がれず、妙にダラダラ進むのもあって86分の作品とは思えないくらい長く感じてしまいました。
あと致命的なのは音楽で、既存の楽曲に何故か合いの手を入れているんですがこれが強烈に不快でした。
妙に鼻につくというか、不協和音というか、どういう意図を持ってこれを埋め込んだのかがさっぱり分からないです。
無いとは思いますが、続編があるのならばこの一家や関係者たちを残されたものたちがギッタギタにして血祭りにあげるものが見たいので誰かクラファンしてください。
そうじゃないとあの娘を許せないんです(怒)
鑑賞日 6/11
鑑賞時間 14:50〜16:20