「毒入りファンタジー」チャチャ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
毒入りファンタジー
ユニークな映画でした。
伊藤万理華のふわふわレースのスカートのように、パステルカラーで
ロマンティックな映画かと思いきや、中間からはサイコな展開に。
お陰で飽きずに済みました。
7月7日に始まって、
デザイン事務所でイラストレーターをするチャチャ(伊藤万理華)は、
つかみとろころのない綿菓子みたいな女の子。
雑居ビルの一階はカフェ。
カフェのスタッフの樂(ラク)とチャチャは屋上の休憩タイムに知り合い
樂の帰りを待つうちに夕食を食べる約束が遅くなりすぎて、
結局、樂の手料理を食べる羽目になる。
それがプロ急の腕前で、モンサンミッシェルのオムレツもどきを
ご馳走してくれる。
ふわふわのパンケーキ🥞みたいで美味しそうだった。
夜中にチャチャが帰ろうとすると樂(中川大志)はむんずと手首を掴む。
「なんで帰るの?」
後半になる。
チャチャの帰宅を引き止めた理由が明かされる。
樂は雑居ビルの4階に入る外国語会話教室に働くピオニーに好意を
持っていて、ピオニーの恋人を、なんと殴って拉致して、
チャチャの古びた民家に監禁していたのだ。
手首を掴んで「帰るのを阻止した」のは、男の監禁を隠すためだった。
まあよく考えると、穴だらけ。
大の男をどうやってチャチャの家まで運んだのか?とか。
地理的にどの位離れてるのか?とか。
かなり適当である。
おまけにチャチャに監禁がバレたら、二人を軽トラに乗せて山奥に
殺して埋めようとするのだ。
かなり飛躍した話で面食らう。
しかしチャチャの機転で、一件落着・・・この辺も安易。
でもそれなりに人物像とかデザイン事務所、カフェ・・・
にそこはかない現実味もあるのだ。
変な話だが退屈はしなかった。
伊藤万理華はいつもながら一癖あり、
面白い個性だと思った。
