「おはようの唄」チャチャ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
おはようの唄
序盤はチャチャという女性の変人っぷりを職場での会話などを通じて伝えていて、語り手の凛さんの表現も相まってフフッと笑わせてもらいましたし、そこからカフェで働く樂と出会ってからポップなラブコメが始まっていく辺りから変人とちょい変人が分かり合っていく頃にはチャチャが可愛いなと思え始めていました。
凛さんが探偵ごっこをやり出してからはコメディ色が強くなり、きっかけ一つでチャチャと仲良くなって一緒にご飯を食べたり悩み事を聞いたりしたりする独特な距離感がツボに入りました。
小言を言う同僚の人もいたからチャチャもどこか気を病んでいると思ったので、ふんわりした雰囲気の凛さんと仲良くなれたのは本当良かったなーってなりました。
劇中に出てくる料理がとてもオシャレかつ美味しそうなのも良かったです。
材料とかめっちゃ揃ってるやんとツッコミ入れたくなりましたが、ササッとあれだけ作れてチャチャのリクエストでドリンクなんか作っちゃう樂が凄すぎるわ〜、なんでバイト先ではあんなにヘロヘロなんだよ〜ってなっちゃうくらい男の料理の魅力が集結していました。
同じ階層の英会話教室で働いてるピオニーが気になる樂だけど、ピオニーには完全ヒモな彼氏がいて…とあちゃーな展開になったのにそこから急速に不穏な雰囲気になっていくのもナイスな味変でした。
後半からはガラッとジャンルを変えてまさかの血まみれ展開に驚きましたが、その展開への入り方といい、やり口といいなんだかユルユルっとしてるので重い話なのに軽く見えてしまうのが不思議でした。
もう少し狂気的な場面が強調されてればなとは思いましたが、好きな人の血を舐めてみたいのアンサーは美味しくなかったというのもチャチャのこれまでの過ごし方そのままだったなぁと腑に落ちました。
酒井監督の作品はとても彩り豊かな印象があって、今作ではそれが都会に染まった中の彩りになっていて、小物だったり建物だったりのチョイスがとてもオシャレで背景を見つめる分にも楽しめました。
色々と唐突な部分はありましたが、濃い作品をここ最近観てきたのもあってサッパリした作品を一本挟めたのでちょうど良かったです。
鑑賞日 10/12
鑑賞時間 11:30〜13:30
座席 H-3