「「まる」に閉じ込められたさわだが脱出するまでの話」まる 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
「まる」に閉じ込められたさわだが脱出するまでの話
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自分が縦に首を振っても他人は首を傾げる
まるを描いていても、描いていなくても、
生きていれば誰でもそんな経験はある
自分は良いと思っているけれど
周りはそう思っていない
あれ?自分が間違っているのかな?
そんなふうに思って自分の価値観を隅に置き
いいよ〜と周りに合わせてみたりする
人の価値観に従って生きていると
自分がどんどん自分ではなくなっていく
「あれ?自分って…なんだっけ…」
生きているようで生きていないような…
ここにいるようでいないような…
他人の価値観にがんじがらめになると
首を縦にも横にも傾げたりもできなくなる
さわだの場合は救世主が登場してくれた
個展をぶち壊してくれた女の子
「まる」に閉じ込められて
動けなくなってしまったさわだに
突破口を開けてくれたみたいだった
(終盤にこれを可視化したようなシーンがある)
帰宅して今度はチェンジザワールドしたい男と話す
しかしそれは言葉を詰まらせながら
ゆっくりと自分と向き合う時間でもあった
涙が溢れた、胸の奥からの熱い涙
チェンジザワールドしたい男は黙って聞き
「おつかれ、おかえり、おやすみ」と言った
壁の穴のふちを優しくぽんぽんと5回ほどして
身体に触れずともその男の手のひらは
さわだの背中をじんわりとあたためた
そんな穴の空いた壁の横でぼんやりとする
ただ絵を描くことが好きな男
そこにいるのはさわだじゃない、沢田だ
*
雨のなかを飛ぶ鳥の気持ちの考え方が
ミャンマーのコンビニ店長と沢田で真逆
沢田は「羽が重くて飛びづれぇ」
店長は「飛びながら洗えて超ラッキー!」
物事の捉え方で考え方も変わってくる
いつも前向きでいいよね、と
沢田は少しだけ羨ましそうに褒めていた
それを聞いた店長の顔は少しずつ曇っていく
「そうじゃないと色々やっていられないから」
いつも笑顔な人だけど笑顔の裏には
色々なものを抱えて生きている
自分のまわりにもきっと同じような人がいる
笑顔の人にはちゃんと笑顔で応えよう
あなたの笑顔に救われているよ、と
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綾野剛さんの演技を観たのは
ラストマイル以来ですが本当に大好きです
愛おしくて可愛らしいキャラクターでした
世界を変えることはむずかしいけれど
自分の世界はいつだってチェンジザワールドできる
横山に幸あれ!と願っています