まるのレビュー・感想・評価
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あなたの人生に突然訪れるかもしれない「幸運?」とそれに群がるクセ強な人たちのお話
大好きな「かもめ食堂」「川っぺりムコリッタ」の荻上直子監督の作品とあって、本日は映画「まる」を鑑賞。
主演は堂本剛くん、久しぶりのスクリーンで少し謎なキャスティングに思えましたが、映画を観終わってなるほど納得なキャスティングでございました。音楽も担当してたんやね。エンドロールの「街」いい歌ですよね。また脇を固めた個性豊かな隣人たちは、みなさん流石の演技でした。主人公沢田の淡々とした性格との対比が際立って映画を生き生きとさせていました。
私の気になったオススメ
クセキャラベスト3は、
1.やっぱり、片桐はいりさん
そこにいるだけで、もう面白い。抜群の存在感でクセキャラNo.1。
2.綾野剛さん
こういうすごく嫌だけど、なぜか憎めないヤツやらせたらNo.1。穴の向こうの演技で魅せる天才。
3.甲乙つけ難いほどみな同率だけど、久しぶりに観れて嬉しかったよNo.1で、小林聡美さんかな。
ストーリーはすごく好きで、本当は星4.5とか5にしたかった。星マイナス0.5したのは、ラストの沢田の見せ場に私の気持ちが残念ながら乗らなかった…。みんなは、あそこで感動できたのかな?私は、穴の奥から見える綾野剛さんの演技にばかり気を取られてしまいました。あれだけの可視部分で魅せられるって、すごい役者さんだなぁと感心しました。
私のグッとポイントは、
クセの強い、サブキャラたちの中でひときわ普通のいい人で際立っていた森崎ウィンくん演じるベトナム人のコンビニ定員の終盤のひと言。沢田が、「おまえほんまポジティブやな。」の答えに注目です。いい人あるあるで切ない。応援したくなる。いつか沢田の書いてあげた色紙がめちゃくちゃ価値があがったとしても、彼は売ったりしない、根っからいい人なんでしょう。
久しぶりにスクリーンで観た、片桐はいりさんや小林聡美さんもグッとポイントですな。帰って「めがね」や「やっぱり猫が好き」が見返したくなりました。
荻上直子監督が描く、少し奇妙でクセのある人たちが織りなすとびきりシュールで不思議な世界観が私は大好きです。誰もが簡単にアーティストを名乗り情報を発信できる昨今だからこそ、何が?いつ?どこでバズるか分からない。ひとバズりで人生変わっちゃう人だって少なからずいるでしょう。
そう思うと、まだこれからの人生、全く関係のない話ではない、かもしれない…🙄
もし、この先の人生
自分が主人公の立場になったなら?
あなたはどう立ち振る舞いますか?
もし、この先の人生
自分の周りに沢田が登場したら?
あなたはどのクセキャラに扮したいですか?
帰りの電車を待ちながら、
ふとそんなことを思いました。
アートって、こんなものなのかな?
この作品のアートというものの捉え方、描き方、というものには正直、抵抗が
ありますね。優れたアートと呼ばれてるものには、やっぱり力があると感じる
ことが多いし、他とは違うと思う。ヘタウマと言われるものも含めて。
それは、置いといて、私はこの監督の作品が好きなんですが、前作から、
なんか作風が変わりましたね。今までの路線はもういいから、チャレンジ
ということなんですかね。あの独特の世界観が好きだったのにな。
あと個人的には、主演は他の人の方が良かったような気がします。
かつて大人気だったアイドルでしょ。変なことはさせられない、
みたいなな気遣いみたいなものを感じてしまって。
ひょっとしたら、堂本剛さんありきで作った映画なのかな。
そのあたりが残念ですね。
芸術って何ぞや…?
スローライフから抜け出して、近年はトランスジェンダー題材や初のシリアス作など意欲的な作品続く荻上直子監督。
今回はアートに挑戦。
しかし、勿論この監督。風変わりな画を。
美大を卒業したものの一向に芽が出ず、40を過ぎても著名美術家のアシスタントで食い繋ぐ日々の沢田。さらには自転車で事故に遭って片腕を折ってしまい、アシスタントの仕事はクビ。コンビニでバイトを始める。
全くうだつの上がらないある日、部屋に紛れ込んだ蟻に誘われるようにして“○”を描く。
古物屋で金にもならん程度で売ったその“○”が、いつしかSNSや世界や本人の知らぬ所で大バズり。
“○”と謎のアーティスト“さわだ”が世間を賑わす中、当の沢田本人は…。
“○”なんて誰でも書けるやん!
ただの“○”ではなく、本作に於いての“○”は“円相”。初めて聞いた言葉…。
禅の書画の一つで、この“○”で宇宙や真理や仏教や悟りを表しているという。
終わりも無く始まりも無く、何ものにも囚われず心の解放も表しているという。
つまりは、人によって何を感じるか、どう解釈するか。
たかが“○”。されど“○”。
世間の人々はこの“○”に癒しや救いを求めて…。
一方では美術の冒涜だと批判。
一枚100万円以上で売買。さすがに欲がある沢田、世間に名乗り出る。
すると群がってくるエゴい奴ら。謎の商人、有名画商のギャラリー、ウザイ隣人、クビにした著名美術家は“私が育てた”なんてホラを吹き…。
欲が出てから“○”を描くといい“○”が描けない。
無心に返るといい“○”が描ける。
世間も沢田も“○”に取り憑かれ…。“○”を求められ、他の画が評価されず…。
何と! これが映画単独主演27年ぶりだという堂本剛。『金田一少年の事件簿』を27年前、劇場で観ました。
掴み所の無い脱力感。戸惑いや悶々、芸術への向き合い、何かを見出だしていく。根はいい人なんだと思わせる好演。
いい感じでウザイ隣人、綾野剛。
真の芸術を推奨する、吉岡里帆。
今回はヤな奴の吉田鋼太郎。
何者? 柄本明。
荻上作品の常連、小林聡美と片桐はいりは期待どおりの個性。
キャストの中でとりわけ愛すべきは、バイト先の外国人同僚役の森崎ウィン。外国人故受けてきた差別偏見を滲ませながら、あなたの気の良さ、優しさ、金言は悟りのよう。
人物描写などに荻上監督らしいゆるいユーモアやシュールさを感じ受けるが、皮肉や風刺も効いている。
謎のアーティスト。実際にいるね。天才か、世間騒がしか…?
全く見向きもされなかったのに、突然評価が一変。
何が変わった…? 何が変えた…?
確か『コンフィデンスマンJP』で言っていた。世の中で評価されている絵画や骨董なんて誰かが何処かのタイミングで価値を付けただけ。それが後世に高値で称えられている。
もし、ピカソの画を誰かが見出だしてなかったら…?
もし、沢田の“○”を誰かが見出だしてなかったら…?
価値って何…?
評価って何…?
つまらなくはなかったけど、かと言って好みかと言われたら…?
私の荻上作品ベストは『彼らが本気で編むときは、』。
好きな人は好き。合わない人には合わない。
あたかも芸術作品のよう。分かる人には分かる。分からない人には分からない。
荻上監督は本当に芸術作品を創り上げたのか…? それとも…?
芸術って何ぞや…?
一見冴えない人たちの内面に潜む光る原石
「役に立たないとだめなんですかね」
主人公の沢田の言葉が気になった。「社会貢献」とか「人に寄り添い、人のためになる」という言葉が、メディアに溢れ、自分のことで精一杯の人間は、なにかと居心地が悪い。人それぞれ様々な事情があり、みんながみんな「世のため人のため」というわけにはいかない。最低限人に迷惑をかけなければそれでよし、という生き方だってある。
人には干渉しない。だから自分も干渉されたくない。それも一つの生き方。だから文句も言わないし、文句も言われたくない。
そんなアート志望、でもとりあえず食うためにコンビニのバイトをしている沢田。そして、漫画家になって人のためになりたいと願いながら、言ってることとやっていることがちぐはぐな横山。この堂本剛、綾野剛のコンビが、本作の肝。
一見冴えない人たちの内面に潜む光る原石。その原石が光っている様はなかなか見ることはできない。そのもどかしさを、萩上直子はいつも優しく表現してくれる。
今回は、ただ墨汁で〇と書いたようにしか見えないアートによって。
面白味はある。が、「堂本剛」を知るには足りない。荻上作品の綾野剛は新鮮でよいスパイス。
「堂本剛さんに興味があります。なぜかとても辛そうで」
荻上監督のこの言葉に物凄く共感する。私もそう思っていたから。
なので監督が彼でどんな作品を撮ったのかかなり興味深かった。
ストーリーは、芸術家ひょんなことから有名になり、本来の自分と乖離していくことに戸惑い苦しむ、とういうある意味で凡庸。
なので予定調和的ではあるが、荻上監督ならではのユーモアのおかげで見ていられる。
ただ、私が期待しすぎたのか、「堂本剛の深淵」を覗くには至らなかった。堂本剛がなぜ辛そうで、何を感じ何を考えているのか、知ることはできなかった。“自分がわからなくなってしまう人の話”ということなので「そこ」止まりなのは仕方が無いのかもしれないが、「自分との乖離」のもっと深い正体まで掘り下げてもらいたかった。
ただ、音楽も彼がつくっているというのには驚いた。私は「街」と彼のエンドリケ名義のアルバムを1枚聴いたことがある。彼がファンクが好きで音楽に真摯に向き合っているということも理解していた。が、私が考えていた以上に彼の音作りはプロのそれだった。作中で音楽が流れた時、好きなコードだなと思った。余計な音はなく、一つ一つの響きが大切にされているのを感じた。私の「エンドリケ」のイメージとは全く異なり、彼が作っているとは予想すらしなかった。それだけ彼の感性の幅が広いということだろう。
脚本も彼にお願いしたらどうなっていたかなと思う。その方が監督もより彼のことを知ることができたんじゃないか。
最後に、綾野剛。荻上作品は「淡々・ユーモラス・ちょっとシュール、時々不穏」で基本的には明るかろうが暗かろうがテンポ感は一定。時々「小さな波」は来るがさざ波として海面に馴染んでいく。私が持つのはそんなイメージ。
が、綾野剛は違った。ちょっとしたことで目を引き付けるし、流れに小さな渦を作る。水面に渦の輪を残す。現れると「あ、またコイツがきた!」ってザワつくのに、話すと案外憎めなくてつい気を許しそうになる。出会う前と明らかに違う心持になる。そういうスパイス・アクセント的な存在感がある。荻上作品には余りなかったキャラクターであり、綾野剛のキャラとしても私的にはちょっと初めてかもしれない。
よいキャスティングだったと思う。
片桐はいりは帽子とサングラスでずっと顔が隠れてれているので誰なのかわからない。 小林聡美がいると画面がきりっと締まる気がする。 この映画は荻上直子監督作品としては出来はよくない気はする。
動画配信で映画「まる」を見た。
2024年製作/117分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2024年10月18日
堂本剛(沢⽥)
綾野剛(横山)
吉岡里帆(矢島)
森崎ウィン(モー)
小林聡美(若草萌子)
戸塚純貴
おいでやす小田
濱田マリ
早乙女太一
片桐はいり
吉田鋼太郎
柄本明
荻上直子監督と言えば、
川っぺりムコリッタ
めがね
かもめ食堂
がよかった。
どれも好きな作品である。
予備知識なしで見始める。
知っているのは監督が荻上直子、主演が堂本剛ということだけ。
沢⽥は人気現代美術家秋元のアシスタントを2年半やっている。
秋元は高圧的で嫌な男で、吉田鋼太郎のキャスティングがぴったりはまっていると思った。
矢島もアシスタントの一人であるが、沢田に対して言い放つ、
「私たちは(秋元に)搾取されている!安い時給で!」
いつもおとなしめの役の吉岡里帆だが顔にピアスをいくつもつけていて、
いつもとは雰囲気が違うと思った。
沢田は感情の起伏がほとんどない男だ。
矢島にそう言われてみてもほとんど心は動かない。
後日、沢⽥は自転車で転んで利き腕を骨折してしまう。
秋元は沢田を即刻解雇するのであった。
仕事がなく途方にくれる沢田。
部屋に帰ると蟻が1匹いる。
その蟻を見ながらなんとなく紙に書いた〇(まる)。
金がない沢田はそれを画廊に持ち込む。
「金が欲しい!」
それが現実になる。
誰にでも書けるような〇(まる)が知らぬ間にXやインスタグラムで拡散され、
沢田は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名になってしまう。
最初に書いた〇(まる)は250万円で売れたという。
117分の上映時間のうち前半はあまり面白くない。
しかし沢田が有名人になってからはいろいろなことが動き出す。
綾野剛がうっとしい、うざい沢田の隣人を演じている。
森崎ウィンがミャンマー人のコンビニのアルバイトとかそのまんまで面白い。
片桐はいりは帽子とサングラスでずっと顔が隠れてれているので誰なのかわからない。
小林聡美がいると画面がきりっと締まる気がする。
この映画は荻上直子監督作品としては出来はよくない気はする。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
現代社会を象徴
非情に象徴的な作品
すべての登場人物がとても奇特に描かれている。
そこに解釈の筋道を描いているのがコンビニのバイト仲間のミヤンマー人だろうか。
この作品に描かれているのが現代における人間社会だろう。
主人公の沢田は絵が好きなだけで自分をアーティストとは考えておらず、どちらかと言えばボーっと生きているような人物。
彼は自転車事故で利き腕を骨折したことで仕事を失った。
アーティスト秋元の工房
秋元は沢田に対し無価値を宣告した。
自分の価値など考えてもいなかった沢田は、おそらく初めて価値という概念を肌で感じたのだろう。
価値とはそもそも自分自身の中にあるものかもしれないが、それは他人が勝手に付けているものでもある。
この作品のテーマはこの「価値」なのだろう。
先生と呼ばれている謎の人物
彼は公園で鯉にパンを与えていた。
そこに登場した「先生」と叫ぶ付き人のような人の言葉で、沢田は彼を先生と呼び始める。
ここにもある種の「価値」が登場している。
誰かが言った先生という言葉は、自分にとって特段意味のない人間を途端に先生に変えてしまう。
その人が何者なのかなどどうでもいい。
しかしながらこの先生は、沢田に不思議な言葉をいう。
日付と起きた出来事 「次は31日だそうです」
そして円周率 無限なまでに数字が続く。
これが数学的に「真円」が存在しない理由とされている。
この存在しないものを、人は信じているということを言いたいのだろうか?
円相
人は、手書きされた円相の中に何を見るのか?
怪しい男「つちや」
黒い名刺に「つちや」という文字と₊906-という怪しい携帯番号
彼は自分を「手品のできない手品師」だという。
おそらく彼は、価値のないものに価値を付ける男なのだろう。
誰かが言う言葉 それに釣られて動く人々
アイドルと同じような構造 初めて見る「宝石」という名の石と同じ。
沢田の書いた円相は、無意識にアリを閉じ込めるように書いただけの円だった。
確かにそこにあったのは無欲だったかもしれない。
生活費に困った挙句に母の店に持っていっただけのもの。
欲は、他人にはよく見えるのだろう。
無欲についた価値、つけた価値という概念は、非常に興味深いものを感じた。
やはり芸術とは嘘がないことを言うのだろう。
無価値だった沢田は、時の人となると同時に掌返しをする人々がいるもまた、現代社会を象徴している。
さて、
秋元の工房で同僚だった女性矢島は何者だろうか?
彼女は沢田に「秋元に利用されているだけ」だという。
彼女はいつまで経っても社会に搾取され続けていると思っている人々の代表だろう。
昨今海外で話題となった環境保護団体の行為と似ている。
彼女は眼鏡のポーズをとる。
それは彼女の見ている世界というのか、彼女の視点で物事を常に見ていますというような宣言だろうか?
非常に批判的であり「OOねばならない」という思想に満ちているようだ。
いつまで経っても評価されない彼女らは、環境保護団体のように突然価値の付いた沢田の画を攻撃対象にした。
この行為は京アニ事件とも似ているように感じた。
これもまたこの社会の一部であるのは間違いない。
さて、、
自分自身が感じられない自分の価値を、他人が仕掛けてつけるという行為。
それが「つちや」の娘が言った「私はあの人のペットなの」という言葉に現れている。
価値を感じられない自分に価値を付けてくれる人の言いなりになるのもまた、この社会の在り方の一部だろう。
この作品は非常に哲学的でもある。
最後に、何故か交通誘導のバイトをしていた先生は、三角表示板を持ちながら沢田に言った。
「底辺×高さ÷2 割る2だ」
この言葉もまた人間社会を表現しているのだろう。
自分がこの社会の底辺にいると思っていても、実際にはその半分で平均的に生きているのだと言いたいのだろう。
ミヤンマー人のバイト仲間は沢田のことを見て仏教用語を使って表現していたのは、この物語を仏教視点で見てほしいからだろう。
特に鳥の話の中で「そう思わないとやっていけない」という言葉がそれを象徴していた。
しかし、
あの先生とはいったい何者だろう?
「次は23日だ」
地震が起きる日を当ててしまう。
最初に沢田が先生と会ったとき「次は31日だそうです」という。
この日は沢田が矢島のデモを見かけた日だった。
これは沢田の中に新しい視点を作った。
沢田に起きゆく変化の出来事
資本主義に対する反旗 何も考えていなかった自分 画家としての自分と社会との関係…
少々わかりにくかったが、これは沢田の中に起きた変化だろう。
地震という物理現象も、やはり変化の兆しだろう。
そして「アリ」
隣人ヨコヤマ 「2割のアリはさぼっている」
そこに感じる無価値だが、その無価値があるからこそ価値を探す8割がいる。
この「価値」に対する概念
主人公が冒頭から口ずさむ「平家物語」
おぼろげながらも沢田は、最初から自分に葛藤を持っていることが伺える。
平家の繁栄と没落を描いた平家物語は、この現代社会が大きく変わろうとしていることを表現していると解釈した。
先生はそこに加わって先を見通している。
ヨコヤマの人類滅亡論もまた同じで、当然デモを繰り広げている矢島も同じだ。
いまこの現代会の在り方は大きく変化しようとしているのかもしれない。
沢田が眠れなかったのは、アパートの傾斜や隣人の物音などの要因もあるのだろうが、実際には彼自身が感じていた「このままでいいのだろうか」という漠然とした疑問だろう。
この社会に対しデモという行動を起こした矢島
働かない無価値なアリを自分に例えて苦しむヨコヤマ
偽物のの「まる」 偽物の「さわだ」 なんでもそうなってしまう現代社会
寿司とは、金持ちのモチーフ
このような細かいモチーフを絡めながら、この作品は変化する「いま」を描いている。
哲学的で象徴しかない作品だが、この現代社会の「いま」の地点を上手に表現していた。
なかなか凄い作品だった。
香川県豊島の「心臓音のアーカイブ」を思い出した
アンリ・マティスをワカメにしか見えない。つまり、芸術は受け手の問題。
売れてもこんな作品は果たして!?
働く8割の人間がこんな映画を作っている訳だから。さて、どんなもんかね。
そもそも、円周率って何?
自然界の円と言う物を数学的に表して、
どんなスーパーな愛の無いAIですら、その答えが出せない。
円を描く事は大変に難しい。確か、手塚治○先生もそんな事を言ったと記憶する。
しかし、実は円は自然が作る物。つまり、人間には表現できないってだけ。
寧ろ、正方形を描くことの方が人間的と考える方が芸術と僕は考える。
まぁ、それはともかく、全てアイロニーのデフォルメとしても軽率すぎるお話。
少なくとも、この映画では日本アカデミー賞くらいしか取れないだろうね。
そもそも、飽食の限界が「寿司」ってエキセントリックだし、芸術は本当にそれに集約しているのだろうか?
絵画はともかく映画と言う芸術は先ずは脚本をしっかり作っても貰いたい。
芸術で社会性を変える事は所詮出来ない。
つまり、今の芸術なんかでは、社会は変えられる訳が無い。
追記
五代くんと四谷さんじゃないんだから。ね!
追追記
絵画芸術と漫画、映画などの芸術は全く違うと理解しよう。特に大和民族の人達はね。
追追追記
底辺✕高さ÷2は三角形の面積だが、
2πRは円周である。
円の面積はrを2乗しなけりゃならない事を理解すべし。
まぁ、屁理屈付けすぎなんだね。
凄くいい作品でした。 出だしから言葉がささりまくってました。 歴史...
奇談
ただ、丸を描いただけの絵がフランス人に高評価、大金で売れることになる奇談。
確かに現代アートではキャンベルのスープ缶を描いた絵で有名になったアンディ・ウォーホルのような画家もいるから、まるをテーマにしてもいいのかもしれないが突飛な発想、荻上直子さんも無理があると承知しており、描いたのは素人でなく美大卒の玄人、評価は芸術の都おフランスで好評と定番の箔付け、贋作騒動や画廊非難も足していましたね。
それにしても製作動機が分かりません、インタービューを読むと荻上さんは堂本剛さんの大ファンで彼の映画を撮りたかった一心、堂本さんもかっては自分自身を見失い悩んだ時期もあったそうでアーティストにしたのは堂本さんと話しているうちに思いついたそうです。
諸行無常の平家物語のモノローグで始まるし円に拘る謎の老人(柄本明)、終盤では三角形を持ち出し、今度は円から三角に転換かよと笑わせてくれました。かもめ食堂の片桐はいりさん的キャスティングでしょうね。
始めと終わりで脇見運転、自転車転倒の繰り返し、これも円へのこだわりかしら・・。
やっぱり、ちょっとシチュエーションに無理があるので引きながら観ていました。
剛好きだったなぁ。
金田一の頃がピーク。演技として彼を見たのはある意味初めてかも。ひょうひょうとした感じは悪くなかった。現代アートって、え??これ私でも描ける??なんて、口にだしてはいけないことを、みんな一度は思ってるんじゃなかろうか。この映画でそれを語っているような気がする。何が流行るか分からない。それは本人が一番わかってない。今の全てにおいて言えることだと思う。動画のバズり、お笑い然り。前半は、人間の影響力ってすげーなーこえーなーって感じで俯瞰的に見てたけど、部屋中に円そうを描くところは、え‥なんかいいかも‥アーティスティックかも‥なんて思えてしまった。私も影響されてる人間の一人ということだ。自分の描きたい絵でいつか売れるといいですね。あの漫画家も。
今時お寿司は気軽に食べれる
2割のアリ
2回見ました
最後に大笑いしてしまいました。底辺!×!高さ!÷2!そしてスシローの炭火焼き豚カルビ。
このお話って、もっとエンタメ寄りと思って観始めたの。
“〇”によって人生が一変して、それが瓦解するまでのドタバタ悲喜劇だと思ってたの。
ところがぎっちょん、ごく普通の日常に終始するお話だったんですね。
それがよかったです。終始ほんわかと漂う優しさが味わい深い作品だったです。
数学という理路整然とした定理(〇)と、不平等な格差社会の不条理(蟻)の対比がなんちゃらかんちゃらとかいうテーマ(勘違も甚だしく思ったこと・笑)を、饅頭の皮みたいに優しく包んだお話だと思ったです。
ちょっと感心したのって、主演の堂元さんが隣部屋の綾野さんと会話(?)しながら涙流すシーン。目薬のごまかしじゃなくて、ごく自然とリアル涙流していましたよね。さすが表現者さんと思ったの。
綾野さんが非常にいい味出していて、思わず笑っちゃったの。
他のご出演者さんも、それぞれに個性がみっちりと詰まっていてよかったの。
特に森崎さん演ずるコンビニ店員・モーの「ゴヒャクゥ~ロクジュハチエンノオワタシィ~デス」からの「ごめんね…あいつらがバカでごめんね」と、やたら寿司に拘る横山のくだりが好きなの。「これ…よかったらどうぞ」からの「醤油がないぞー…」優しくて、ほんわかとした日常の会話に胸がほっこりしたの。
沢田が横山に差し入れした寿司のネタにやたら玉子が多かったのは見逃さなかったよ!
玉子焼きの美味しいお寿司屋おさんは、腕が超一流って何かで聞いたことあるんだけれどね。
回るお寿司屋さんにしか行ったことないから、よくわかんないや。スシローの炭火焼き牛カルビが至高の寿司ネタって思ってる私にはよくわかんないや。その炭火焼き、いつの間にかしれっと牛から豚にグレードダウンしてるんですよ。そんなことはどーでもいんですけれどね!いいんですけれどね!←また脱線しそう。
しないよ!脱線しないよ!ごめんなさい、本当にどーでもいいことでしたよね。
“〇”騒動がどこでどう瓦解するのか?その時に沢田とそれを取り巻く世界がどう変わるのかな?と思って観続けていたの。
なのにラストの「底辺×高さ÷2!」→ガチャ―ン!で本当に笑っちゃったの。(笑うところじゃないですよね)
アナーキスト・矢島の絶叫シーンを除けば(ここはこれで、吉岡さんの怪演がよかったんですけれどね)終始ほんわかのんびりと流れる日常を、難解な非日常の世界観で描き切った秀作だと思いました。
ちなみに鑑賞中にずーっと連想していたこと。『メッセージ』のアボットとコステロが描いていた言語の“〇” こちらの作品も、難解なテーマ(少なくとも私にとっては)を優しいお話で包んだ名作でしたよね。
(また無駄な脱線話で文字数稼いでるし()多いし・笑)
久しぶりにレビュー書いたから、書き方忘れちゃったよ。←一旦、全部忘れてやり直した方がええんやで。
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