「第二次世界大戦をNHKからみた視点の映画。おすすめ。」劇場版 アナウンサーたちの戦争 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
第二次世界大戦をNHKからみた視点の映画。おすすめ。
今年307本目(合計1,399本目/今月(2024年8月度)32本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
もっともタイトルには「アナウンサー」としかありませんが、当時民放があるわけではなく、NHK(厳密にはその前身)とそのアナウンサーと第二次世界大戦とのかかわりを描いた映画でこういう視点は少なかったのではないかな、と思います。
もともとNHKで特集されていたものを映画版に再編集したようで、元がNHKなので史実の説明については極めて正確で安心してみることができます。この時代の(日本からみた)映画といえば、原爆であったり特攻隊であったりとある程度相場観が決まっている感じがありますが、この斬新さが良かったところです。
当時の帝国憲法にはいわゆる報道の自由がなく、特に第二次世界大戦が勃発すると放送内容は軍部によって操られ、適当な放送(ラジオ放送)が繰り返されたというのはご存じの通りです。第二次世界大戦を経た日本国憲法では報道の自由が憲法上保証され(もちろん、内容が虚偽であることが明らかであったり、誰かを誹謗中傷すること「のみ」を目的とした内容は当然一定の規制を受ける)、その狭間にあった当時のアナウンサーの苦労が見えた点においては良かったところです。
ドキュメンタリー映画の要素が強く、映画に娯楽性を求めるのであればおすすめはできませんが、一方でこういう映画は概して人気作が出ると放送されにくくなるものであり、興味がある方はぜひ、といったところです。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。
※ それにしても台風の迷走具合がすごく、大阪市内の映画館もできるだけ「守り」の姿勢に入る点は理解するのものの台風が自転車並みの速度だったりするので、火曜日から予約が取れなかったり(当日販売のみ等)混乱するのはまぁ「減災」の観点から理解するものの、もうちょっと天気予報(進路予報)を見て欲しかったなぁというところです(火曜日に直撃するという予想ってとっくにひっくり返っていたような)。