「なぜライオンが百獣の王なのか」ライオン・キング ムファサ 奏枝さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜライオンが百獣の王なのか
前作5年前ですね、同じ映画館で、今日一緒に見た同じ友人と見ました。
そん時もレビュー書いてるんで、まあ先に言っちゃうんですけど"動物実写"ってなんかマジで難しいと思うんですよ。絵だから成立する表情の豊かさとか、ちょっと誇張した表現だとか、いろんな動物がかわいいテイストのキャラクターになってて…。アニメーションだからできる良さなんですよね。
動物が、人間みたく笑って泣いて怒って…っていうそのアニメーションの良さが全く無いのに、じゃあ実写では代わりになるような良さってあるか?と思ってしまう。
とはいえ、なんかまぁ別のストーリーになるとのことで、てか前日譚ですよね。話気になるし観に行ったら、ことのほか良かった。ストーリーが。まぁまぁ良かった。
ムファサが終盤でプライドランド(=ミレーレってことになるんですか?)の根本的な思想、そもそも種の違う動物同士がどうして一致団結して王国を作れるのか?について「他人事にするべきではないよ」の思想という回答が出るのがわりと良きでした。
何でライオンがキングなのか、百獣の王だから、いやそうなんですけど。ライオンが群れで行動するから1番説得力あるってのも良いですよね。その群れの中にマンドリルや鳥なんかが居たっていい、王国を作ればそれでもいい。
家族になっちゃおうよ!の精神、わりとアリ。血のつながりだけを大切にする群れだとか、はぐれものの集まりで恨みつらみの群れとは対照的だよね。
ただ、タカがあまりにも不憫で、子供とかに見せるのちょっと躊躇ってしまうレベル。ぶっちゃけ、タカ(=スカー)っていうポジションが扱いづらすぎて…最終的には悪役にしないといけないのに退場もさせられないから、もォォ〜あんな感じになっちゃって…。でも最初の段階からムファサとの若干のかみ合いの悪さは描かれてたので、そこを読み取れてれば無理は無い展開かな、と。タカは兄弟っていう存在が欲しかっただけ、とか。恋に落ちた時の描写とかね。
逆に、ラフィキとザズーがすごい良かったのでそこで評価はだいぶ救われてた。でも"動物実写"の欠点、ギャグのやり取りが表情無いから分かりづらい、が足引っ張ってたような気がしちゃうなァ。
あと、まーこれは言うの野暮ってもんかもしれんけど。
アニメーションの方で冒頭スカーにザズーが「母君は食べ物で遊ぶなと仰いましたよ!」(セリフうろ覚え〜)、と言っているので、やっぱこういう部分創作しちゃうのは違うと思うんだよな…と。
前作実写の方だとたしかにそのセリフ無いけどさ〜。
別にアナザーストーリーとか、外伝作んのは良いんだけど、あくまでシリーズの地続きにして欲しいんだよな〜、の気持ちはある。原作厨の人間なので…。