「タカの悲しみ」ライオン・キング ムファサ ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
タカの悲しみ
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まだ何もできない子どもの頃に命を救われることには、大人になりかけて以降のそれとは意味が異なる“大きな価値”があると思う。
タカがいなければ、ムファサは死んでいた。
サラビを横取りしてしまったことになるのは仕方がない、人も動物も惹かれる心に嘘はつけない。
でもサラビは謝っただろうか。
キロスとの戦いの後の水辺からのタカの救いの手に対して、ムファサもサラビも感謝を示しただろうか。
ムファサに王の素質があるのは分かる。
それは否定しないけど、偏った価値観の育て方をする“王”の息子であったタカに、あまりに過酷なエピソードであまり共感できなかった。
現実社会においても、ムファサは少数派で、多くの人はタカの悲しみを味わうことがあるだろう。
子ども向け作品としての側面もあるのだから、もっとそちら側に寄り添った物語であって欲しかった。
ずっと兄弟でいたかった、と書くのならなおさら。
その想いはむしろ、タカの気持ちだと感じた。
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