「正統性 vs.アウトサイダー 問題」ライオン・キング ムファサ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5正統性 vs.アウトサイダー 問題

2024年12月20日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

タカは王になんてなりたくない、パパとママの子どもでいたいだけだ。寝転がってる(満腹状態の雄ライオンの普通の姿?)パパに血のつながりなのだと言われても子どもにはわからない。タカのママであるエシェはムファサの能力を見抜いた。旅の途中で出会う雌ライオンのサラビもムファサの能力(嗅覚とか花の知識とか)と賢さと人間的(ライオン的)魅力を見抜いた。どんな世界でも人(ライオン)を見る目は女(雌)の方が高いかも知れない。兄弟間でも男(雄)同士の嫉妬や憎しみは強烈だ。そして正統性を競いたがる。よそ者だ、アウトサイダーだ、と自ら言うことはない。自分は正統の側に居る(居たい)と思っている側が「あちらを」指して言うだけだ。でも正統性なんて虚構で幻想だ。たまたま権力をもった側とそれにおもねる者がまつりあげているだけだ。タカが名前をスカーと変える理由がせつなかった。襲名制度がある世界の裏面のように感じた。素直で純粋で不器用なタカが私は好きだ。

ムファサとキロスの最後の闘いではどちらを応援していいか困った!結局はマッツを応援した!よそ者と言われようがあれだけの仲間を率いる王であり息子を愛する父親なのだ!そこに正統もアウトサイダーもない!

ヴィジュアルは想像を遥かに超えて素晴らしかった。特に同種の動物沢山を鳥瞰する映像と水の映像は美しかった。音楽は広大な土地と自然の豊かさを見事に表現していた。

おまけ
正統性云々がテーマと考えた場合、「ジャングル大帝」が好きでテレビでよく見ていた昔々の子ども時代を思い出します。

talisman