「正統性 vs.アウトサイダー 問題」ライオン・キング ムファサ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
正統性 vs.アウトサイダー 問題
タカは王になんてなりたくない、パパとママの子どもでいたいだけだ。寝転がってる(満腹状態の雄ライオンの普通の姿?)パパに血のつながりなのだと言われても子どもにはわからない。タカのママであるエシェはムファサの能力を見抜いた。旅の途中で出会う雌ライオンのサラビもムファサの能力(嗅覚とか花の知識とか)と賢さと人間的(ライオン的)魅力を見抜いた。どんな世界でも人(ライオン)を見る目は女(雌)の方が高いかも知れない。兄弟間でも男(雄)同士の嫉妬や憎しみは強烈だ。そして正統性を競いたがる。よそ者だ、アウトサイダーだ、と自ら言うことはない。自分は正統の側に居る(居たい)と思っている側が「あちらを」指して言うだけだ。でも正統性なんて虚構で幻想だ。たまたま権力をもった側とそれにおもねる者がまつりあげているだけだ。タカが名前をスカーと変える理由がせつなかった。襲名制度がある世界の裏面のように感じた。素直で純粋で不器用なタカが私は好きだ。
ムファサとキロスの最後の闘いではどちらを応援していいか困った!結局はマッツを応援した!よそ者と言われようがあれだけの仲間を率いる王であり息子を愛する父親なのだ!そこに正統もアウトサイダーもない!
ヴィジュアルは想像を遥かに超えて素晴らしかった。特に同種の動物沢山を鳥瞰する映像と水の映像は美しかった。音楽は広大な土地と自然の豊かさを見事に表現していた。
おまけ
正統性云々などを考えると、子ども向けテレビ番組が豊富にあった昔々、大好きだった「ジャングル大帝」を思い出します。
talismanさん
いつも返却期限との戦いです(笑)
期限超え常習犯で、もしかしたらブラックリスト入りしているかも知れません。。
最近は、期限延長で何とか凌いであますが、他の方の予約が入っていると延長出来ないので、ラストスパート頑張りまーす。
talismanさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
お二人いらっしゃいましたね。45才で亡くなられた方の方です。
基本的に映画化されたからといって原作を読む、という事はしないのですが、「 関心領域 」を観た後、ヘスご本人が書かれた本が存在している事を知り、幸運にも図書館に所蔵していたようだったので読む事が出来た、そんなところです。
多くの人々が戦時下で歪んだ思考と行動を取っていたように、ルドルフ・ヘスもまた、命令に従うしかない立場に置かれていた、後戻り出来ない後悔と、人としての道を踏み外していった自身の人生を振り返ったその心持ちなど、ヘスもまた人生を狂わされた1人の人間だったのだと感じました。
ドイツ、メルケルさんのイメージが強いのですが、自由な雰囲気なのですね 🇩🇪 旅先でご一緒だった女性が、今迄行った海外では、ドイツが一番印象が良かったと話されていた事を思い出しました。
今図書館本「 国宝 」( 吉田修一著 )を読んでいます ☺️
talismanさん
ご報告が遅くなりましたが、少し前に『 アウシュヴィッツ収容所 』( ルドルフ・ヘス著作 )をやっと読み終わりました。
ルドルフ・ヘスは、記憶力に長けているのか、様々な出来事がかなり詳細に書いてあり、かなり驚かされました。
アウシュヴィッツ収容所所長を任され、戸惑いながら任務にあたっていたようで、徐々に戦況が悪化する中、収容所のトップである自身でさえもその悲惨で非情な状況を止める事が出来ない心の内も書きとどめられており、戦争の恐ろしさを改めて強く感じました。