「ビル・スカルスガルドは若きアクションスターになれるか」ボーイ・キルズ・ワールド 爆拳壊界流転掌列伝 くまねこさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ビル・スカルスガルドは若きアクションスターになれるか
「ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝」を公開2日目に丸の内ピカデリーで鑑賞。
B級臭の強いマニアックなアクション映画を大スクリーンで観れるってラッキーでした。
主演はビル・スカルスガルド、ジェシカ・ロース、シャルト・コプリー、ヤヤン・ルヒアン、ファムケ・ヤンセン等、意外に豪華。
(あらすじ)文明が崩壊した終末世界で、女帝ヒルダ・ヴァン・デル・コイが支配する腐敗した王朝で、少年は母や最愛の妹を虐殺され、自らも声と聴覚を失ってしまった少年ボーイが地獄のような修行を積んで、遂に復讐に立ち向かい、自らの運命と向き合っていくストーリー。
まず第一に、主演ビル・スカルスガルドがあんなに機敏に動けるアクション俳優とは知らなかった。まだ35歳だからこれからの活躍に期待が持てる。
数ある映画の中で、兄と亡くなった妹との強い絆を効果的に描く設定は珍しくて新鮮。ボーイの闘いの最中や迷いがある時、眼前に現れる幼少時の亡き妹ミナの姿に従い導かれるように生きる姿が本来の少年時のココロを取り戻すようで可愛らしくもある。
妹ミナ(クイン・コープランド)が兄貴ボーイのバディとして可愛らしく演じてたのも印象に残る。
羽をつけた忍者蝶々🥷🦋になったり、シェフになりきりパーティー会場に忍び込んだりと、壮絶な格闘アクション映画とは思えないキャラに癒された。また、ボーイが初めて口にしたマカロンが美味しすぎて止まらなく喰らうシーンはコミカルで良き🧡。
ヤヤン・ルヒアン演じるシャーマンの下で厳しい修行に打ち込むというのも後から考えると🤔、味わい深い設定。師匠というキャラ設定に多少の違和感があったが、ボーイvsシャーマンの最後の戦いという上がる展開も期待通りで良い。
(ヤヤン・ルヒアンは「ザ・レイド」から全然老けてないというか相変わらずマッドドッグで最強でした☺️)
観客に痛さを感じさせるアクション、殺戮シーンも特徴的。忍び込んだ厨房でチーズグレーター(おろし金)を武器に使うアイデアも面白いし、痛さがよく描写されてるのも良い。
首チョンパ、スパッと切った腕や首から勢いよくピューと出血する描写は「キル・ビル」(修羅雪姫?)のオマージュだし、ジェシカ・ロース演じるヘルメットをつけた敵役女性の姿は、「キル・ビル」でのお台場バイクシーンでのユマ・サーマンのようでもある。
初めて明かされる家族惨殺の真実と人間関係に驚き、今までのすべてのシーンの味わいが一変する設定もサプライズがあった…。
エンドロール後の兄と妹が牛乳とシリアルを仲良く食べてるシーンもとても味わい深い…ずっと仲良く会ってほしい。
