劇場公開日 2025年2月14日

聖なるイチジクの種のレビュー・感想・評価

全84件中、81~84件目を表示

4.5道徳警察って何か知ってる?

2025年2月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

とんでもないものを観てしまった。これは是非アカデミー賞で注目してもらいたい作品だ。ネタバレしたくないので多くは語れないが、イランという国を知るのにとても良い機会となったし、それを抜きにしても一本の作品として非常に面白い。
監督自身が本国で収監されている間の2022年9月に起こった、マサ・アミニさんの事件にインスパイアされた作品とのこと。
監督やキャスト、スタッフは今でも政府からの圧力を受けていると聞く。命懸けで紡いでくれた物語を、私も大切に繋いでいきたい。
是非一度観て、イランという国について考えて欲しい。
※恥ずかしながら、道徳警察について初めて知った…。

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FMov

3.5疑心暗鬼

Kさん
2025年1月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ヒジャブ事件を背景にした長尺映画。
死刑制度に踏み込んだ衝撃作。

ミステリー、家父長制、
サスペンス、ドキュメンタリー、
アクションスリラーが入っていて
とてもダイナミックな作品でした。

ラストの30分は特に凄い…!
一丁の銃を巡って家族が豹変。

“古い体制を締め殺して
新しい世界を引き起こす”

イランの家族構成を忠実にしていて
メタファーの表現も素晴らしかったです。
監督が命懸けで作り上げた傑作。

イチジクの成長過程も勉強になりました。
特典のステッカーありがとうございました。

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K

3.0「たかがそんな事」で虐げられる不条理

2024年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

単純

イスラム国家で論議の的となっている女性の人権問題を、一家の出来事に置き換えたサスペンス。近日日本公開の『TATAMI/タタミ』も、母国のイラン政府からの不当な圧力に苦しむ女性柔道家を描いていたが、「たかがそんな事」で虐げられてしまう生き辛さったらありゃしない。正直、終盤の展開は冗長に感じなくもなかったが、最低限のエンタメ要素は残したいというモハマド・ラスロフ監督の意志と汲み取りたい。
誤解や偏見がもたらす「たかがそんな事」は、それらを生む権威に歪みがある。でも、そうした歪みを糧に表現者は訴求力の強い作品を生む事ができる。本作もまた、ラスロフ監督を含む数名の製作スタッフもイランを亡命せざるを得なくなった。幾度となく拘束・収監されようと、しつこく母国に噛みつく作品を撮り続けるジャファール・パナヒ同様、もはやイランは骨太なフィルムメーカーを輩出する土壌となっているのが、なんとも皮肉だ。

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regency

2.5見事な前半と脱力する後半

2024年12月28日
PCから投稿

舞台はテヘラン。父親は政治犯専門の裁判官で保守的な暮らしを守っているが、高校に通う娘2人は東京やNYの娘と変わらない生活を楽しんでいる。親子の間の緊張をはらみつつ平穏な暮らしが続いていたが、イランの政治状況が厳しさを増してくると、父親は職場で宗教弾圧をすすめる立場に立つようになり、娘たちの学校も学生デモへの取り締まりが苛烈さを増してくる。国内の暮らしが動揺するのと同時に、家庭の平和も壊れ始める。

テヘランの政治状況を果敢に取り込んだ作品で、カメラもおおむね端正でよい映画。…なんだが終盤からとつぜんイラン版『シャイニング』みたいな謎展開になりはじめて、なんじゃこれはと終わってしまう。こういうのが評価されてしまうくらい、2024年は世界的に不作の年だったってことですな。

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milou
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