「絞め殺しの木」聖なるイチジクの種 kikisavaさんの映画レビュー(感想・評価)
絞め殺しの木
私は好きな髪型や髪色にして、好きな色に爪を塗る自由を生まれたときからもっている。髪を布で隠すことを強要されたこともないし、髪を隠さなかったからといって殺される恐怖を味わったこともない。
映画の中でうつしだされる、作りものではないスマホ動画をみるのはとてもつらかったが、同時に、彼女たちのリアルな痛みを生まれたときから自由をもつ私は真に理解することなどできないのだろうな、とも思った。
高校生のとき、カラオケで「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」と屈託なく歌えていたことがどれだけ贅沢だったか。
一見おとうさんの機嫌をとることだけに終始しているおかあさんが、平和で円満な家庭の維持にどれだけ腐心していたか、それを思うととてもやるせない。
映画の冒頭で、イチジクは他の木に巻きついて養分を吸い上げる宿木みたいな説明があったので、少し検索してみたら『絞め殺しの木』とでてきて、ちょっと暗澹たる気持ちになりました。
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