「ワンアイデアで暴走した前作の続きで、ちょっとはマシになっていたが、相変わらず悪趣味な作品でしたね」プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
ワンアイデアで暴走した前作の続きで、ちょっとはマシになっていたが、相変わらず悪趣味な作品でしたね
2024.8.14 字幕 T・JOY京都
2024年のイギリス映画(93分、R15+)
A・A・ミルンの絵本『くまのプーさん』の版権フリー後に作られた、プーさんが巨悪な存在だったらという体で作られたホラー映画
『プー あくまのくまさん』の続編映画
監督はリース・フレイク=ウォーターフィールド
脚本はマット・レスリー
原題は『Winnie-the-Pooh: Blood and Honey 2』で、「くまのプーさん:血と蜂蜜2」という意味
物語の舞台は、イギリスのアッシュダウン
前作の残虐な事件の犯人と疑われているクリスことクリストファー・ロビン(スコット・チェンバース、幼少期:Mason Stanley Gold)は、医師として働いていたが、絶えぬ噂のために職場を追われるハメになっていた
アッシュダウンにある100エーカーの森では、あの事件の後も残虐な殺人は続いていて、その報復に向かった人たちも惨殺されていた
ある日、クリスの勤める病院に、幼馴染のアーロン(サム・バレット、幼少期:William Dallaway)が運ばれてきた
彼は「クリスが正しかった」と言い、森にはまだ悪魔の動物たちがいることがわかった
プー(ライアン・オリヴァ、幼少期:Peter DeSouza-Feighoney)は仲間のティガー(Lewis Sanner)、ピグレット(Eddy MacKenzie)、オウル(Marcus Massey)たちとともに森の奥地に潜伏していたが、追い詰められて反撃を考えていたのである
映画は、前作の続きであるものの、プーさんの設定そのものが変わっているような印象
プーはクリスに捨てられた恨みを持っていたはずだったが、今回はある博士によって作られたキメラだったという設定になっていた
クリスの弟ビルが何者かに拐われていて、動物などの遺伝子を組み込まれてプーになったという
さすがにここまで設定が無茶苦茶だと笑うしか無いのだが、そのあたりは考えるだけ無駄という内容になっていた
本作は、単純にスプラッタホラーを楽しむ内容で、いろんな殺し方をするプーたちを愛でる映画であると言える
殺される人たちが無差別だが、ビル自身が持っていたぬいぐるみを抱いていた妹のバニー(Thea Evans)だけが助かるというのはお約束のように思えた
続編があるかはわからないが、もしあったとしたら、あっさりとレクシー(Talluah Evans、幼少期:Soma Zimmatore)と恋人関係になっていて、彼女が殺されるか危ない目に遭うという話になりそうな気がする
いずれにせよ、突っ込んだら負けの映画だが、悪魔に追われたら調理器具に隠れてはいけないという教訓は得られる作品になっていた
基本的に悪趣味で悪ノリが過ぎるので、真面目な人が観たら怒り出してしまうかもしれない
また、パンフレットはほとんど内容がないので、戦利品として価値ぐらいしかないように思える
凡作だった前作よりはマシだが、まあ、それ以上は何とも言えないよね、という内容なので、心してかかってほしい