「生きるって難しい」時々、私は考える 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
生きるって難しい
時々、私は死を考える。が正解の内容。
人付き合いが苦手で、デスクワークの小窓から眺めるクレーン作業をみてはあのフックに首を吊ってみたらどうなるのかと妄想にふけたり、或いは死の世界を連想させる緑いっぱいの木々に囲まれた世界でただぼんやりと空を眺めている。
或いは、浜辺のビーチで流木を拾い集めテントにすると中に入り寛いでいる。
それらは全て死後の世界だったのだろう。
唯一死後じゃないとしたら単独事故を起こしたと連想して急ブレーキを踏んだシーンではないかと思っている。
大好きだと話したカッテージチーズはチーズが好きではなく菌が好きだと否定するなど主人公のフランが人付き合いにおいて周りとあわせるのも、気を遣いたくないから今迄避けてきたのでは?
そんな楽しみが見いだせないフランに新入りのロバートが入社すると、明るくてフレンドリーで優しいロバートに対し次第に心を開くようになり、やがて二人で逢瀬を重ねるようになっていく。
仕事以外の楽しみを見つけたが、ロバートがバツ2であることを知り、過去を許容できないフラン
は思わずロバートに言ってはいけないことを話してしまいロバートを怒らせてしまう。
その結果、2人の関係に溝がうまれるわけだが、ロバートの前任だったキャロルとフランが偶然にも再開を果たすとクルーズで旅行に出かけていたはずが実は夫の介護をしている事実を知る。
キャロルはフランが何を抱えているのか悟ったのかフランに対し適切なアドバイスを送り、今までしてこなかった差し入れ用にドーナツを買ってきたりと、今までしてこなかったことをして周囲を驚かせると、その中にロバートの姿があった。
フランはロバートに別室にくるように促すとロバートは嫌がる様子もなく別室へ入る。
フランはロバートにきついことを話して申し訳ないと話し、ロバートも冷たい対応に出て悪かったとお互い謝罪して仲直りしたあと、フランはロバートに今まで悩んでいた自殺願望を打ち明ける。
それを知ったロバートはフランを優しく抱き締めた。大丈夫だ、俺がいる。力強く背中が物語るラストが非常に印象的だった。