劇場公開日 2024年6月28日

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WALK UPのレビュー・感想・評価

全20件を表示

3.5シンプルな構造に滲む語りのマジック

2024年6月26日
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鑑賞方法:試写会

いつもながらのホン・サンス映画といえるし、でも、翻って考えると彼ほど「いつも」という言葉が意味を持たない監督は他にいない。彼の映画は大抵は二人か三人が織りなすシンプルな方程式であり、あるいは固定カメラと長回しの会話劇。本作でもその特徴を踏襲しつつ、かと思えば、小さな4階建てアパートを上へと昇っていく。昇るたびに、時制と関係性は微妙に様変わり。作品の要となる「映画監督」という役どころはいつもながら、側から見ると尊敬すべき豊かな人間のようでいて、実のところ情けなく、だらしがない。本人も自分の性根に気づいているのに、もはや流れる川のように、どうすることもできない。すなわち、彼らは昇る。それに合わせて、我々は主人公の心をズンズン降りていく。そうやって彼という人間を深く知る。その上、章が変わると「あれっ?」という展開がじんわりとにじむ。ほら、いつもどおり。我々はホン・サンス映画の魅力と沼に抗えない。

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牛津厚信

ちょっと変わった?

2024年8月25日
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鑑賞方法:映画館

 モノクロ撮影の固定カメラによる長回しを多用し、特別な波乱のない物語を淡々と撮るというスタイルは毎度変わらないのに、心の裏側をくすぐる様な味わいにまんまとして遣られ、公開毎に足を運んでしまうホン・サンス監督の新作です。  自身の分身と思しき映画監督はこれまでも作品中に度々登場していましたが、これほど物語の中心となる作品は初めて観ました。そのせいなのか、カッコ付ける場面は勿論、自身の弱さすらをも男の魅力に見せるが如き撮り方が目に付き、「狡いなぁ」と感じてしまいました。ホン・サンスはもっと突き放したドライさが持ち味じゃないのか。彼に何かあったのか? それとも、何かあったのは僕の方なのか?

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La Strada

4.0トイレの音が上の階とかぶった つぶやきシロー

2024年8月5日
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鑑賞方法:映画館

【鑑賞まえの予想】 四階建てで起こる珍事件の映画らしい。 うちのアパート(三階建て)でも、住民のすったもんだは たびたびなので、どんなものかと鑑賞を決めました。 興味津々ですね。 戸建てにも「お隣さん問題」はあるし、 階層建てにも、入居者同士の独特のトラブルは起こるんです。 タワマンのマウント闘争ならずとも、 上の階と下の階とで 「物理的な上下関係」が「メンタルな上下関係」に影響を与え合うわけですよ。 本作品の目の付け所が面白い。 シチュエーションが「四階建て」というこぢんまり感が、既視感もあってリアルだからだろうね。 「パラサイト 半地下の家族」では、山の手の豪邸と下町の低層住民の対立を、地形の標高とソサエティを重ねて魅せてくれた韓国ムービーでした。 今回はそこをギュッと凝縮しての四階建てストーリーらしいです。 さて、どんな物語を展開してくれるのでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・ 【ドン引きの映画体験】 しかーし!! 「ホン・サンスという事件」は 評判も興行収入もどうでも構わないらしく、 売れない映画監督=主人公の引きこもりを長々と見せてくれましたね。 こんなに長く感じた映画も 僕は初体験でして、つまり、固定カメラで「延々とテーブルを挟んだ会話シーン」だけの実験映画です。 この日の気温は35℃、 やっと涼しい館内に腰を下ろし、照明が落とされると スクリーンでつまらない会話劇を見せつけられるという趣向。 寝落ちして目が醒めても、安定の 「あいも変わらずさっきと同じ光景」が流れています(笑) 監督のボヤキと、女たちの退屈しながらも煮えきらずにワインに付き合う光景だけが、無限に続くわけでね。 でもこんな面白みにも気付きましたー 女たちは勝手にドアを開けて(暗証番号を押して) ずかずかと自分都合で入室して来るし、 また自分都合で、女たちは仕事や、用事や、友人とのお茶のために 外の世界と行ったり来たりをするのだけれど、 監督の男だけはこの四階建ての小惑星から足を踏み出せない。 階段を登って上階に幕が移動すれば、こんな彼にもなにがしかの変化があるのでは!と観ている僕の激しい欲求にも関わらず、 わずかの期待は全て裏切られて振り出しに戻る結末とは・・ 呆れ。 堕ちた星の王子さまが、様々な女たちにしだれ掛かりながら、次の来訪者を待つ。 それだけの97分でした。 ・・・・・・・・・・・・・ 【退屈という魔法】 で、 館内では、10数名ほどのお客さんが爆睡しているのが可笑しくって、そこを狙った催眠映画なのだと気付いた時はもう遅かった。 中途退場者続出。 エンドタイトルが流れると、肩を怒らせて大股で席を蹴るお客さんの列。 僕としてはホン・サンスはもう観ないとは思うが、一生忘れない作品になった事だけは確かで、 首を振りふり家路につきました。 ちなみに、 うちのアパートは三階建て。 階段が割と急なもので、えっちらおっちらと 訪問者の皆さんは登っているうちに何か錯覚をするらしくて 二階の僕の部屋のドアをノックしてくれます。 早朝、 「ちょっと!起きてんのか?」 「いるんだろ」、 「ドンドンドン!! 」だ。 (上の三階に寝坊すけの土方が住んでいるのです w)。 集合住宅では、漏れ聞こえる騒音問題も鬼門ですよね。 スピードラーニングを買ったら、1年後にはアパートの住民がみんな英語ペラペラになっていたという笑い話もありますねからね😁 確かにここは小世界の小宇宙です。 上映中はあんなに苦痛だった白黒映像が、帰途、小さな思い出し笑いと共に、不思議な後味になって蘇る・・ ハチミツ漬けの朝鮮人参は あとから来ます。よーく噛めと。 ホン・サンス、恐るべし。

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きりん

3.0ドラマでよく見る俳優さんたちで、 似たような前の映画がダメだったの...

2024年7月23日
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ドラマでよく見る俳優さんたちで、 似たような前の映画がダメだったのに、 つい見てしまう 着いていきたいのに着いていかれない映画

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jung

3.5ワイン飲みたくなる

2024年7月23日
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 一つの建物、登場人物5〜6人、ルームツアー映画という新ジャンルかとも思った。そして特に何も起こらないのだが、同じ空間なのに謎に擬似的オムニバス。時空と人間関係がループ構造になって終わる。白い壁の涼しい部屋で白昼夢を見たような気持ちよさ。ところで韓国人て、あんなにワイン好きなのか、自分も混ざりたくなってしまう。  結局ひとりが気楽でいいんだよね、という低体温の人間には納得しやすいトーン。皆んな言葉では言いたいこと言ってるけど、人物のアップは全くなく表情すら希薄。表現のキモは人と人との「距離」なのかな。  肩透かし隔靴掻痒的脱力系映画で、モノクロ映像の中には凝った設えが施されていてときめく、紛れもないアート作品なのであった。

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Kumiko21

1.0★2024年劇場鑑賞58★

2024年7月16日
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鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

残念ながら途中ウトウト。「あ!物語を見失った!」と思ったけど他の方も同じように思ったみたいで納得。 長回しと掴みにくい時系列が自分には少し難しかった

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yougo!!!

4.0夢を見させる建物

2024年7月15日
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鑑賞方法:映画館

 映画監督のビョンスは娘のジョンスを連れて旧知のインテリアデザイナー、ヘオク所有の建物を訪れる。机を挟んで三人の会話劇が続いていく。ビョンスのスマートフォンが鳴り彼は打合せのため中座する。その後ジョンスとヘオクがビョンスの話で盛り上がりジョンスはヘオクに仕事を教えてもらいたいと懇願する。ジョンスはワインがなくなり外に買いに行く。  ビョンスがまたヘオクの建物に来る。そして1階、2階のレストラン店主ソニが加わり三人でワインをしこたま飲みながら会話が続いていく。会話の途中でビョンスが映画製作のことで憤りを発散したり、なぜかソニは泣き出してしまう。二人が自然に自分の感情をあらわにできる二人のフランクさが、バルコニーでタバコを吸うビョンスの笑顔に象徴される。  前述した二つの挿話はまだ連続性がある。時間が現在から未来へ通常通り流れている。しかし、三つ目の挿話に入った時、時間の連続性が断絶されていて見る者は戸惑う。映画を短編集としたら納得すると思いなおして見続けた。  三つ目の挿話のストーリーの前半は理解可能だ。二つ目の挿話でビョンスとソニの関係性を見ていたから。しかし三つ目の後半と四つ目の挿話はまったく時間の連続性がなく、ストーリーの脈絡を追いかけようとしても理解不能なのだ。  映画にそもそもストーリーの脈絡が必要なのかと疑念がわく。映画館に入りまさに夢を見ることも映画的体験だ。ホン・サンスの描出する映像と会話は、まさに見る者に対して夢体験を提示したのだ。ファーストシーンとラストシーンの車とジョンスの態度と口のききかたがまるで違い、驚きしかない。真実と夢、その境界も判然としない。建物に入った時、夢が始まったのか。  夢は地下一階、地上四階の建物が見させている。映画の進行とともに、地下一階、二階、三階、四階と四つの挿話で階数が変化していく。見る者は地下一階から徐々に上の階に歩いて上がっていき、そこで繰り広げられる会話劇をお馴染みの長回しで見せつけられる。まるで建物の上階に上がっていくうちに徐々に深い夢の世界に入っていったようだ。

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かな

3.0ジム・ジャームッシュっぽい。

2024年7月14日
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鑑賞方法:映画館

この監督は以前『小説家の映画』を観てて、それ以来2本目だけど、やっぱりジム・ジャームッシュっぽいよな…と。 4階建てのアパートを舞台に描かれる芸術家たちの人間模様って事ですが、 結構どうでもいいような話を、モノクロで雰囲気だして、オシャレに装飾して、もろジャームッシュっぽい。 オフビートな感じ(笑) ゆるい会話の中にも刺さるセリフがありまして、映画監督が純粋な芸術性と商業的な成功の間で発するセリフが良かった。 映画スコアは、60点ぐらい。

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RAIN DOG

5.0これぞ真骨頂

2024年7月13日
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鑑賞方法:映画館

2022年。ホン・サンス監督。国際的に活躍する映画監督が娘の就職の世話を頼むためにインテリア・デザイナーを訪ねる。こじんまりした4階のビルの大家でもあるデザイナーと、そのビルで小さな食堂を営む女性を交えて会話が進行するうちに、監督がそのビルに住むことになって、、、という話。 何気ない会話がそれぞれの人生の機微に触れ、関係が変わっていく。これぞ監督の真骨頂の会話劇。音楽をきっかけに時間経過が示され(ほとんど同じ絵柄なので会話によって後からわかるのだが)、最後には時間がループしたかのような構造。要するに、起承転結のストーリーではなく、会話を描きたいのだ。そしてそれは大いに成功していると思われる。当初は監督に対して敬意に留まらない個人的な感情を抱いていたように見えるデザイナーの大家が、監督が映画を撮らずビルの一室で食堂の女性と同棲するようになると、言葉の端々に嫉妬交じりの冷淡さがにじむあたり、うまい。

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文字読み

3.0自分には合わなかった

2024年7月11日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

好きなレビュアーの評価も高かったので 同監督の作品として初めて見たが、残念ながら合わなかった。 雰囲気はよく、目を凝らしていたが、途中と肝心なラストで寝落ちしてしまった。。

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ひぐらし2(ひぐらしから引継ぎ)

3.5階段を登ると世界線が変わる”一炊の夢”

2024年7月9日
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鑑賞方法:映画館

題名の「WALK UP」の言葉通り、階段を段々と登っていく映画でした。そして階段を登るたびに時空が歪むのか、同じ場所なのに別の世界線に移動しており、穏やかなギターの調べと白黒映像という舞台装置とは対照的に、不思議な世界を体験したという感じがした作品でした。 コロナ期間中の韓国のお話なので、まさに現代劇ではあるのですが、敢えて白黒で撮影し、(実際は普通の建物なのかもしれないけど、白黒で撮影しているためか)石造り感のある建物の室内が主な舞台であったこと、ギターの柔らかい音楽が所々で流れること、時間の流れがゆったりとして、どこか幻想的な印象があったことなどから、50年くらい前の南欧の映画なんじゃないかと錯覚させられた作品でもありました。 そうした舞台装置と、階段を登る度に世界線が変わる展開から、実は全て夢の中の話なんじゃないかと思えてきて、狐に鼻を摘ままれた感もありました。まあ悪く言えば、意味不明と言えなくもないものの、”一炊の夢”の故事が思い出されもし、中々味わい深い作品でした。 韓国映画というと、派手なアクションと後半の大爆発が定番と思っていましたが、こんなに静かで、それでいて目が離せない展開の作品に出会えるとは思えませんでした。 そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。

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鶏

3.0ホン・サンス監督作品ではこの作品が好み

2024年7月8日
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単純

寝られる

ホン・サンス監督作品は3作品目。逃げた女、小説家の映画は個人的に物足りなさを 感じワースト作品としたが、今回、この2作品よりは良かった。 クォン・ヘヒョの演技は素晴らしかった。アパートの階ごとにあがることに4つの章に 分かれるストーリーはなるほどと唸らされた。予測がつかないストーリーだった。 白黒映像はホン・サンス監督のお家芸で相変わらず。 ただ、ホン・サンス監督の作品を観て思うのはどこか退屈さもある。今回の作品然り。 次回のホン・サンス監督作品を楽しみにしたい。今回はワースト作品にはしません。

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ナベウーロンティー

4.5好きなんだよなぁ、こういうの。

2024年7月8日
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喜劇ですよね。きっと。 口には出ないけど終止心が クスクス笑ってました。 時間軸を巧みに操作して、 まるでマンションの階段を 昇り降りするような感覚で オムニバスのように、 ある男性の一連の 女性絡みのストーリーが 展開していきます。 本当に巧みです。 最初と最後のつなげ方なんて ニクイですよね。 僕としては監督がベッドに 横たわり「本当は独りが・・・」 のシーンが大好きです。 本作を観て身につまされる男性、 多いんじゃないでしょうか?ww それほど男ってアホで滑稽ですよね。 きっと、ホン・サンス監督自身が そう思ってるんじゃないか?と 思います。 特筆すべき点のもう一つ。 脚本、演者すごいです。 全部アドリブに見えるほどの 長尺会話シーンの数々。 どうやって演出してるんだろう? これがあるから成り立ってます、本作。 苦手な方も多いとは思いますが 僕は本作、好きですね。

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バリカタ

4.0飛び切りの連作短編小説集か!!

2024年7月3日
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鑑賞方法:映画館

劇場のチラシに「作家主義」との言葉が目に入った ホン・サンスの不思議なテナントビルの話。 作家さんの魅力を余すところなく発揮する連作短編小説と思えば、 実に豊かな想像力を我々に喚起させてくれる。 どなたか「ホン・サンス的マルチバース」と書かれていたが、 面白い見方で、それも想像力の膨らむ鑑賞の仕方だ。 これまでの淡々としたリアリズムの形式の奥にこんな表現魔力が潜んでいたのかと、 改めて巨匠だと感心する。 一瞬のシチュエーションや人物の何げない仕草、それを気っっ掛けに 話がシフトしたりジャンプしたり。 見る方も実に勝手な想像力で紡いでいくことができる。 日本でも村上春樹というファンタジーの名手が人気なので、 この作品もきっと多くの心にヒットすると思う。 映画も観客も、実に自由だ!

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flushingmainst

3.5ホン・サンス的マルチバース?

2024年7月2日
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今週公開作品で唯一、劇場鑑賞を決めたホン・サンス作品。サービスデイのヒューマントラストシネマ有楽町12時10分からの回の客入りはさほど多くはありませんが、割合的には若い方も結構いらしていた印象です。 いわゆるエンタメ作品とは対極と言えるホン・サンス作品。全般会話劇で構成されており、画面上で起こることは多くなく、物語りの展開の大半はその中の会話の内容から想像するだけ。また、その内容もよくありそうな話が殆どだし、どの作品も酒が入るとボヤキや愚痴が止まらなかったり、その場にいない人間を否定的に評したり。ただそれだけの内容なのについつい聞き続けてしまいます。 今作も裏切らない感じで進んでいく中、シーンが変わった「2章」、交わされる会話の内容から間もなく、時間の経過と共に「新しく登場した人」と「そこにいない人」について把握しつつ、徐々にこの後の大きな展開を予想させる雰囲気はオールドスクールな感じかと思いきや… 終演後も「これで終わり?」と戸惑いを感じて劇場を後にしながら、一体この作品をどう理解すれば良いのかと考えた私の結論は「これ、もしかしたらマルチバースということか?」。 こぢんまりとした4階建てのアパートメントという構造物を使い、章ごとに舞台となるフロアが変わった世界線は特に「3章」以降の展開におけるビョンス(クォン・ヘヒョ)周りの状況に対する「この世界観にしてはダイナミックで想像が追いつかないほどの変化」も、実はマルチバースだったということなら納得がいくかも? なんて、冒頭で「エンタメ作品とは対極」と書き出した私をいい意味で裏切ったホン・サンス。この無理やりな解釈は間違っているかもしれませんが、それでも今回もこれだけ私を楽しませて頂いたわけで、これだからやめられないホン・サンス。次作も楽しみにしています。

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TWDera

3.5だメンズって、なんでモテるの?

2024年7月1日
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鑑賞方法:映画館

ほぼ予備知識ゼロでスクリーンへ。とにかく状況把握が難しく、ただシーンが切り替わるごとにフロアが替わるというのか、絡む女性が入れ替わっていく。 有名な男が好きなオーナー、素の部分を晒しながら酒をあおるうちなんだかいい感じになっちゃった料理人、そして素性はよくわからないけど金満不動産女王と、コロコロと、まさに「花から花へ」だ! どこに魅力を感じるのか理解できないけれど、一部沼にはまる人種がいるのでしょうか…… 不思議な作品でした。けど、嫌いじゃない。

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ニコラス

0.5みんな勝手だよね

2024年6月30日
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単純

難しい

寝られる

インテリアデザイナーの女性が所有する4階建ての建物を舞台に繰り広げられる会話劇。 映画鑑賞の男が以前芸術を学んでいたインテリアデザイナー志望の娘と共に、知人のもとを訪ねて巻き起こっていく。 地下は名前だけの自分の作業室、1階は貸しているレストラン、2階は下のレストランの個室兼料理教室、3階は賃貸住居、4階は貸しているアトリエと説明し、作業室でワインを飲み始めるけれど…。 シーンが変わってこれは後日? そしてまた暫くしてシーン変わってこれまた後日?あれ?パラレル?もしかして夢………あらすじ紹介に書かれているのはなに? なんだか良くわからない退屈な自分語りや監督上げや痴話みたいな会話を繰り返すばかりで何が面白いのか自分には理解できなかった。 やっぱりこの監督の作品は自分にはレベルが高過ぎるようだ。

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Bacchus

4.5何を述べたいかよくわからないし字幕が本当に読みづらい…。

2024年6月30日
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今年236本目(合計1,328本目/今月(2024年6月度)36本目)。 (前の作品 「こころのふた 雪ふるまちで」→この作品「WALK UP」→次の作品「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」)  まず、この映画は韓国映画なのですがずっとモノクロという珍しい映画です。また、タイトルこそここでは Wall Up ですが、映画を見るといきなり一文字のハングル(韓国語)が出るので???と思って調べたところ、これは「塔」などを意味する語であるようです。  個々のストーリーのまとまりが少なく、しかも耳が悪いのか要領が悪いのか延々同じことをしていて、記憶に問題があるのかなぁ…というくらいにヘンテコな話題が多いのが特徴です。そのうえでいきなり「もうあなたのような年になったら、「アレ」も1日1回もしないでしょう」とか、はぁ???といった会話が始まるので、登場人物が程度の差こそあれ「何か決め込んでいるのか」というくらいにヘンテコです。  そのうえにこの映画がモノクロであること、シーンの一部でベッドが映る(なお、上記のヘンテコ発言はあるもののアダルトシーンはない)ため、そのベッドのシーツの位置関係で字幕がまるで読めないところがあり本当に困ったところです。  こういった趣旨の映画があることは十分しっていますが、個人的にはこの「字幕が読みづらい」系の映画は「じっくりみたい」のでVODなどでもよかったかなと思います。  とはいえ、個々個々「よくわからない飛びまくった発言をする方が多い」のは事実ですが、何らか共通項はあるのかもしれません。  採点に関しては以下まで考慮しています。  -------------------------------------------------------  (減点0.3/字幕が極端に読みづらい)  上記に書いた通り、モノクロ映画で、ベッドのシーツ等に字幕が出るシーンが10分くらい続くところがあり、ちょっと完全に読み取るのはよほど視力がよくないと難しいのではないかな…といったところです(ホラー映画でも何でもないので、極論最前列がマシ?)。ストーリーのわかりにくさとあいまってこれらの部分で理解が妨げられるのが厳しいです。  -------------------------------------------------------

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yukispica

4.0またラストでちょっと驚いて感動。

2024年6月28日
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興奮

知的

幸せ

連続観賞の2本目で冒頭部分は1本目の衝撃で集中出来なかったが、何分間かで会話の楽しさと演者達の素晴らしさで集中。 とてもテクニカルで監督のお洒落心満載の映画でしたが小手先で嫌味な印象皆無、役者達の真摯な演技と会話の内容が監督の本音だと感じるからかな? 主な舞台となる4階立てのアパートの描写も秀逸で、そこに暮らす人達の存在をしっかりと感じて自分も暮らしてみたいと感じられました。 何となく4つのパートに分かれている様で、パートが切り替わる度に「んっ?えっ?」といい感じに驚かされ、その場面ジャンプが予想出来るようになると次はどうなるかとヒヤヒヤしてまた「えっ?」心地好い。ラストシーンのジャンプは予想外で最後に「ええっ!」と驚き、その後ニヤニヤしてしまった。 主人公がベッドに横になって、外出している?恋人の帰宅を思うシーンに驚愕、私はこんな演出を初めて観ました、驚き少し涙目。 このお話しは主人公の映画監督の想像かパラレルワールドかホン・サンス監督のお洒落心か神様の忠告か?いずれにしても私にとっては心地の好い映画でした。

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春

4.0何かイヤなことがあったのかホン・サンス?

2024年6月28日
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ホン・サンスにしてはあからさまな仕掛けがある作品。そして他の作品より多分、10分から15分くらい長い。 映画監督のビョンスが、インテリアデザイナーのヘオクがオーナーのアパートメントにやってくる。ビョンスは娘をヘオクの元で働かせてもらえるよう頼みに来たのだが、このアパートメントに魅入られたように出入りするようになる。韓国流に言うとイニョン=縁があったということなのだろうが実はそんな綺麗事ではなく、ビョンスはホン・サンスがよく描くところの口ばっかりのクズ男。映画監督としての実績は過去のもので今は仕事もせず女をつくってはダラダラ過ごしている。そんなビョンスがいわばおびき寄せられたゴキブリホイホイのような建物がかのアパートなのである。螺旋階段を上って電子ロックのドアをピコピコ開けるたびにビョンスの相手が変わり新しい生活が始まるという仕掛なのだが、実は室内のシーンの中であっても、屋外のシーンであっても、突然、時間が飛んで新しい話が始まったりする。実にホン・サンスは自由なのである。 そして、お得意のテーブルを挟んだ登場人物たちの長い長い会話劇。男と女の騙し騙されというかテキトーな話合わせが展開する。 いつものホン・サンスであれば登場人物の中に一人ぐらいはまともな感覚の人間がいるのだがこの作品はビョンスはもちろんのこと、ビョンスの娘、同棲相手、愛人、そしてオーナーのヘオクに至るまで、自己中心的な人物ばかりなのである。だから映画としてはいつものホン・サンス作品よりは切れ味が良い分だけ後味が悪い。 何か人生に絶望するようなことがあったのか、ホン・サンス?遂にキム・ミニに出ていかれてしまったのか?

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あんちゃん