「大好きだからこそ許せなかった」ブリーディング・ラブ はじまりの旅 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
大好きだからこそ許せなかった
パパと娘の関係修復ロードトリップ。
とにかく反抗して見せてたけど、あなたパパの事大好きでしょ、と思いながら観た。笑。
好きだからこそ許せなかったし(過去)、好きだからこそダメな所は見せたくなかったんだろな(現在)。
娘の遅れてきた反抗期に振り回されながら過去の自分を省みるパパ。
なんか二人の心のデトックスみたいな旅だった。
両脇に原っぱが続く広大なアメリカの何にもない道は、二人が一緒に過ごさなかった時間を表している様にみえたわ。お互いに進んできた道はあるけど、そこに二人の共有していた思い出はない。
時々彼女が断片的に思い出すパパとの楽しい思い出は小さかった頃のままなのが悲しかった。
子ども時代は本当に一瞬。
一番寄り添ってほしい人がそばにいてくれないというのは、人間の核の部分にすごく影響を与えるんだなと改めて思った。
今は結婚した後にも選択肢はいくつもあって、全員が死ぬまで同じ家族が普通でもない。選択肢が増えることは自由度は増すけど、あくまでも夫婦の選択肢なので、それによって振り回される子どもも多い。みんなが納得のいく形になるのは難しい。
だからこそ、家族の形態が変わった後の子どもとの関わり方が重要になってくるのだろうなあと思いながらみていた。
パパが関係を修復しようとしたのは、過去の娘への贖罪もあると思うけど、このパパはちゃんと娘に向き合うだけの愛があったんだなと思う。
本当に全ての子どもたちが、食と愛に飢える事のない世界が来るといいなと思う。