「多要素を盛り込み「動物物」の枠では収まらない傑作♪」チャーリー レオンさんの映画レビュー(感想・評価)
多要素を盛り込み「動物物」の枠では収まらない傑作♪
冒頭からグイグイ引き込み、166分を2時間以内に感じさせる! 動物物の枠に収まらず、様々な要素を盛り込みながら尻上がりに広がり盛り上がる物語は素晴らしいの一言! (映画コム★平均は低すぎる!)
タイトルはこの主犬公に付けられた名前♪
犬と飼い主の絆の現れを描くだけでなく、
ロードムービー、人間ドラマ、名画オマージュ、イキイキ人物、悪徳ペット犯罪、トラウマ、人付き合い、人格変貌、初体験、信頼、夢追い、大会、貧富の差、等々、これらが驚くほどスムーズに、多彩な映像で、心動かしながら進展する。
(終盤にやや映画的フィクションを感じるが、気になる以上に心が傾く♪
そして今作には "踊り" のシーンはない^^)
冒頭、猟奇サスペンス?と思わせるような怖い映像から、一変ワンちゃんが逃げ走り出すシーンではまだ、役者名などのテロップが流れているのにBGMがその犬の心情を歌って、時間を全く無駄にせず、早くも見る者を感情移入させる。 いや~巧い!
主人公は腕っ節はめっぽう強いが、人付き合いはほとんどなく、日々同じローテーション。 それほどまでに心を閉ざすには、幼少期に辛い・・・
物語は是非見て下さい。
それに登場人物が、全員魅力に溢れていて表情を見るだけでも、その人となりが伝わるほどにキャスティングも巧い。 特に子役は皆、大人顔負けのリアル演技で今作の魅力を増すことに大貢献している。
そしてこのワンちゃん! なんと人ほどに演技が出来る!
考える時、驚いた時、主人公に気遣う時、まさにその表情。 特に"悲しい顔"は見てるだけで目が潤む・・。
この監督兼脚本家はこれ1作しか情報がないが、初作ならば恐ろしいほどの才能を感じる。 どう表現したら人は感動するかを知り尽くしたような脚本。 初作にして、ベテランの匠といわざるを得ない♪
なんでこれほどの名作が、たいしたプロモーションもされずひっそり配信されてるのか不思議! もうハリウッドよりボリウッドの方が、映画作りは巧いと言えよう。
とくかくオススメです♪ IMDbで4万3千人が評価して★平均「8.7」は歴史に残る名作らと同等評価です♪
PS
ハリウッドは "ボリウッド作品" を恐れているのかもと危惧する。 まるでインド作品に映画ファンが流れない様に圧力が掛かっているのではと思う事も。 「ジャワーン」を視聴した時も映画館内にはチラシさえ貼られておらず、上映時間の掲示板のみでようやく上映が分かる様だった。
アカデミー賞も、王道の感動作はほとんど取り上げられなくなり、意表を突いた作品ほどノミネートされる事が多くなっている。 一番大衆に受けた作品=「アカデミー作品賞」ではない事は熟知している。 が、金看板で宣伝された作品を一般者が視聴して、「何じゃこりゃ・・」が続けば日本の洋画離れがもっと増加し、シネコンのアニメと邦画の占領状態がさらに進行することになってしまう・・・。